更新日 2019年03月20日

ゼクシィが「低価格ウェディング」を積極的にフォーカスしない理由とは?

ゼクシィが低価格ウェディングにフォーカスしない理由

結婚しても結婚式を挙げないなし婚が増えていると言われて久しいですが、そうなってきている理由の1つに経済的な理由があります。その流れに対応するように多くの媒体で媒体限定の特典を提供したり、格安結婚式に特化したプロデュースサービスが登場してきていますが、ゼクシィは実はあまり低価格系ウェディングの特集や価格訴求をあまりしていないこと、ご存知でしょうか?今回の記事では、ゼクシィが低価格ウェディングの訴求を積極的にしない理由について考察をまとめました。あー、なるほど!と思ってもらえると嬉しいです。

ゼクシィとは?

今さら改めて説明するほどのこともないですが、ブライダル業界最強のメディアです。ここは大丈夫だと思うので、もう少しどんな情報が掲載されているのかを紹介します。

結婚式場の詳細ページのコンテンツ

  • 基本情報
  • フォト/ムービー
  • フェア
  • 料金例/プラン
  • クチコミ
  • アクセス/TEL

価格や費用に関する情報は料金例/プランになりますが、ここの内容も基本的に会場側が設定できるので「ゼクシィ側で用意したお得コンテンツ」というものはありません。またベースとなる見積りもいわゆる掲載見積りであくまで広告用の最低単価、で設定されていることがほとんどです。

組まれている特集

この記事を書いているときの東京版ゼクネットで組まれている特集は以下の通りです。

  • 和風ウエディング特集
  • 少人数ウエディングプラン特集
  • 憧れチャペルウエディング特集
  • ゼクシィPremier
  • おめでた婚・パパママ婚応援会場特集
  • 200万円以下で叶う!満足ウェディングプラン特集

価格訴求は一番下の特集くらいで、この特集も金額が200万円のプランを集約しただけのページになっています。
このように王道と言える情報は網羅されているものの、特別に低価格系の会場やプランを押すわけでもないですね。ちなみに、結婚式場の検索方法もエリアから探すかフェアから探すかの2つしかなく、掲載見積りから探すというコンテンツもありません。低価格に限らず費用に関してはあまりフォーカスしないというスタンスなんだと思います。
 

他の媒体の低価格系への訴求

では、他の媒体はどうでしょうか?

マイナビウェディング

結婚式場詳細ページのコンテンツの1つに「直前お得プラン」というのがあります。これはマイナビウェディング限定のお得なプランで通常のプラン料金よりもさらに安く金額設定されています。

ハナユメ

ハナユメから予約したユーザー限定で使える「ハナユメ割」というお得な特典が掲載全会場で適用されます。媒体最大の特徴といってもいいでしょう。

みんなのウェディング、ウエディングパーク

ユーザーから投稿された費用明細を見ることができます。こちらは安さ基準に結婚式場を探せるわけではないですが、本番の金額が事前にわかることで自分たちの予算に合った(低価格な)結婚式場を探すことができます。

スマ婚、楽婚、得ナビウェディング

通常と同じクオリティの結婚式を低価格で挙げることができるプロデュースサービスです。最初から低価格であることをウリにしたサービスですね。
このように、ゼクシィは低価格系コンテンツすらほとんどないですが、他の媒体やプロデュースサービスでは何かしらの低価格結婚式訴求をしています。
 

ゼクシィが低価格ウェディングにフォーカスしない理由

私の考えを順に説明していきます。
まずゼクシィの売上は以下の式で計算できます。

  • ゼクシィ売上=掲載会場数×単価

売上を伸ばすためには掲載会場数を増やすか1会場からの単価(広告宣伝費)を増やすかのどちらか、または両方が必要になるのですが、ゼクシィはすでももうこれ以上シェアを伸ばせない(非掲載会場がほとんどない、非掲載の場合は相応の理由があるため開拓が超難しい)ので、掲載会場をもっと増やしていくという戦略が取れません。新規出店する会場の掲載を取っていくくらいでしょう。
となると、いまの売上規模を維持するのに単価を上げるしか方法がありません。出稿ページ数を増やしてもらうか、今はない新たなオプション商品を作ってそれを買ってもらうかです。前者はエリアにもよりますが今よりも大きく増やす会場はあまり多くないと思いますし、後者は最近だとレポプラなどがそれに当たると思います。
ゼクシィから見た単価=結婚式場の広告宣伝費、なので、その原資は結婚式場の売上(利益)から出てくることになります。結婚式場の売上ロジックは

  • 結婚式場売上=施行組数×組単価

なので、売上(=ゼクシィに出稿するための原資)を確保するためには施行組数と組単価を少なくとも維持することが必要です。ゼクシィは結婚式場の総来館者のかなり高いシェアを占めているので、ゼクシィ経由で来館する新郎新婦の組単価が結婚式場の組単価に大きく影響を与えると言ってもいいでしょう。
さて、もしゼクシィが他の媒体やプロデュースサービスと同じように低価格ウェディングをもっと全面的に遡及し、送客シェアを高めようとしたら何が起こるでしょうか?

  • 低価格結婚式が増える→結婚式場の売上が落ちる→ゼクシィに支払う原資が減る→掲載を止めるまたは縮小する会場が増える→ゼクシィの売上が落ちる

という構図になることが予想されます。もちろん、今マイナビやハナユメに流れているユーザー層を奪い返すこともできるのである程度媒体パワーは上がるかもしれませんが、それ以上に結婚式場側のダメージが大きすぎて、ひいては自らの首を絞めることになってしまうと思います。
だから、ゼクシィは低価格系のウェディングの強い訴求はしないのです。
極端な話ですが、ゼクシィ割!みたいなのを企画してハナユメに当てていく戦略も可能性としてはなくはないですが、その結果日本の結婚式の単価が100万円下落すると、一番大ダメージを受けるのはゼクシィなんですね。だって売上が今の半分になったら今と同じだけゼクシィに出稿することは不可能ですもんね。
 

ゼクシィが低価格ウェディングをフォーカスしない理由まとめ

ゼクシィは低価格訴求という戦略を取れないという話でした。マイナビやハナユメなど他の媒体の立場だと、マーケットの低価格化よりもゼクシィからシェアを奪うことでサービス成長できる、という戦略で施策を進めても戦えるので、ゼクシィが取り組みにくい低価格系ウェディングで挑んでいるんだと思います。
まぁでもなんだかんだでゼクシィは強いんですけどね…。という少しゆるめのコラム記事でした。
 
おわり

市川 貴之

この記事を書いた人
市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル業界で働く人のよりどころに」をビジョンに掲げ、ブライダルコンサルティング、ブライダル業界専門の転職支援サービスを運営しています。お仕事の依頼は「お問合せ」、転職のご相談は「ブライダル専門の転職相談」からお受けしております。

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