更新日 2020年04月02日

結婚式場のキャンセル料と日程変更料はなぜこんなに高いのか?

結婚式場のキャンセル料はなぜこんなに高いのか?_サムネイル

結婚式のキャンセル料って高いですよね。金額の高さもさることながら、かなり早いタイミングから高額のキャンセル料がかかり始めることも新郎新婦を悩ませる要因の1つです。特に最近の新型コロナウイルスによって結婚式を延期するかどうかを悩んでいるする方も多く、キャンセルする側もされる側も厳しい判断をしなければいけない状況が続いています。今回の記事では、なぜキャンセル料や日程変更料はこんなに高いのか、その仕組みについて書いてみようと思います。プランナーの方もお客様に説明できるように読んでもらえると嬉しいです。

結婚式場のキャンセル料の相場

結婚式のキャンセル料は法律で定められた基準はなく、基本的に各企業が設定している規約によって異なります。ただ、あまりに消費者(=新郎新婦)にとって不利な内容となっている場合は、裁判をした場合に負ける場合があります。また、どのタイミングいくらのキャンセル料が発生するかは、契約時(=成約時)に必ず説明をしなければいけません。
公益社団法人 日本ブライダル文化振興協会が提唱しているキャンセル料規定は下記のようになっています。
(参考)結婚式場・披露宴会場におけるモデル約款

解約期日 キャンセル料の定義
365日以前 申込金の25%または3万円のいずれか低い額
364日目以降180日目まで 申込金の50%まで及び印刷物等の実費
179日目以降150日目まで 申込金の全額及び印刷物等の実費
149日目以降120日目まで 見積り額(サービス料除く)の20%まで及び印刷物等の実費
119日目以降90日目まで 見積り額(サービス料除く)の20%まで及び印刷物等の実費
89日目以降60日目まで 見積り額(サービス料除く)の40%まで及び印刷物等の実費
59日目以降30日目まで 見積り額(サービス料除く)の45%まで及び印刷物等の実費
29日目以降10日目まで 見積り額(サービス料除く)の45%まで及び印刷物等の実費、並びにその他外注品等の解約料の額
9日目以降前日まで 見積り額(サービス料除く)の45%まで及び納品済み物品等の実費並びに外注品等の解約料の額
当日 お見積り額(サービス料除く)の全額

※繰り返しですが会場によって規定している内容は異なります。
仮に結婚式の見積り額を400万円とすると、キャンセル日毎の具体的なキャンセル料はだいたい下記のようになります(申込金10万円)。

結婚式までの日数 キャンセル料
365日以前 2.5万円
364日目以降180日目まで 8万円
179日目以降150日目まで 13万円
149日目以降120日目まで 83万円
119日目以降90日目まで 83万円
89日目以降60日目まで 165万円
59日目以降30日目まで 185万円
29日目以降10日目まで 210万円
9日目以降前日まで 280万円
当日 400万円

グラフにすると下記のようなイメージですね。
結婚式場の解約日別のキャンセル料金(概算)
149日前を境にグンと上がっており、そこから30日おきくらいにどんどん高くなっていくことがわかると思います。特に直近成約(3か月以内の結婚式を成約いただくこと)の場合は、成約した次の日が85日前などとなりいきなり高額キャンセルゾーンとなるので注意が必要です。

結婚式場のキャンセル料が高い理由

結婚式場のキャンセル料は下記2つの理由から成り立っています。

  1. 発注済みアイテムの実費分
  2. 結婚式場の逸失利益

発注済みアイテムの実費分

結婚式場が実際に外部企業に発注したウェディングアイテムから実費分の請求です。

  • 半年前:招待状
  • 3か月前くらい:ドレス、司会、音響
  • 1か月前くらい:フォトグラファー、引出物、席札、席次表
  • 2週間前:食材、飲料、挙式

といったようなスケジュールで結婚式場からパートナーに発注するので、この発注にかかるコストは結婚式の実施有無にかかわらず結婚式場が支払わなければいけないのでそのまま損失となります。その分をキャンセル料としてお客様から頂く、というものです。

結婚式場の逸失売上の分

こちらが概念としては難しいのですが、「キャンセルがなければ本来その式場に入っていたであろう売上」をキャンセル料としていただく、というものです。先ほどのモデル約款で「見積り額の●%」となっているのはこの理由のためです。
例えば、見積り400万円のお客様がキャンセルになると結婚式場は400万円分の売上がなくなるのでマイナス400万円となります、これはいいですよね。しかし、キャンセルになるとその日時の施行枠は解放されるので、再度同じ日時に受注できる可能性ができます。もし次に入ってくるお客様が500万円の見積りだった場合、キャンセルになった文がマイナス400万円、新たな受注がプラス500万円であれ?プラスでは…?ということも起こります。この考え方を単純化した式で書くと、

  • 結婚式場の損失=キャンセルになった見積り金額―キャンセル後に新たに受注する見積り(の期待値)

となります。で、後者の「キャンセル後に新たに受注する見積り」をどう計算するかが実に難しく、私が考えるに

  • キャンセル後に新たに受注する見積り(の期待値)=キャンセル後の再受注確率×受注時の見積り金額

で計算できると思っています。
結婚式を希望する時期の分布は半年前~8か月前くらいをピークに直近になるほど減っていきます(下記グラフ参照)。
新郎新婦の結婚式検討時期分布
つまり、直近のキャンセルになればなるほど再受注できる確率は下がっていくことになります。
キャンセル後の同日時の再受注率イメージ
また、直近契約であればあるほど値引きや特典が大きくなるので単価が下がっていく、というのはよく言われていることですよね。
これまでの流れを1枚にまとめると下図のようになります。
結婚式場の逸失売上をキャンセル料として支払う理由
このようにキャンセルが起こることによって結婚式場が逸する売上はいつキャンセルしても変わらないのですが、同日同時刻で再受注出来る期待値が直近になるほど下がるので、お客様が支払うキャンセル料が大きくなる、という仕組みになっているのです。
 

結婚式場のキャンセル料の考え方についてまとめ

最後に、冒頭のグラフを概念的に書いてみます。
結婚式場の解約日別のキャンセル料金(概念)
お客様からすると何もしていないのに高額なキャンセル料を支払わなければいけないことが腑に落ちないことも多々あると思います。時としてクレームになることもあるでしょう。
ただ、結婚式場側もお客様への想いはあるもののボランティアでやっているわけではないので、その理由と合わせてきちんと説明できるようにしておくことで、お互いのストレスを少しでも減らすことができるのではないかと思います。
参考までに、過去の結婚式のキャンセル料を巡っての裁判の判例のリンクも載せておきますので、興味ある方はこちらからご覧ください。

今回の記事は概念的な話が多かったので少しわかりにくかったかもしれません。わかんないところあったら聞いてください。
 
おわり
 

市川 貴之

この記事を書いた人
市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル業界で働く人のよりどころに」をビジョンに掲げ、ブライダルコンサルティング、ブライダル業界専門の転職支援サービスを運営しています。お仕事の依頼は「お問合せ」、転職のご相談は「ブライダル専門の転職相談」からお受けしております。

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