更新日 2019年12月23日

打合せプランナー育成のトレーナーのコツ

12_打合せプランナー育成のトレーナーのコツ

※寄稿記事です。

打合せプランナーとして経験を積んだ方であれば、キャリアの選択肢の1つとしてトレーナーとして人材育成に携わることも多いでしょう。しかしながら、

  • 通常の業務が忙しくて育成の時間を設けることができない
  • どのように育成すればよいのか分からない
  • 思うように成長しない

など、様々な理由から壁にぶつかる方が多いと思います。一流のプレーヤーが必ずしも一流のトレーナーになれるわけではなく、自分ではできても、他人を一人前の打合せプランナーを育てようとすることは難しいことです。そこで今回の記事では、トレーナー(教える人)としてトレーニー(教わる人)を育成するコツをまとめました。トレーナーにこれから初めてなるという方や、新入社員や中途社員を受け入れるリーダー、支配人の方の参考になれば幸いです。

 

打合せプランナーのトレーナーとは?

トレーナーの役割

会場によって差はあれど、中途採用者や異動してきた人材に対してはほとんどの会場でOJTで打合せ業務をレクチャーしていると思います。OJTの場合、トレーナーがマンツーマンで教えることになる為、育成される側がどのような打合せプランナーになるかは、トレーナーの腕次第といったところです。

打合せ業務を教えるということがメイン業務ではあるものの、それ以外の要素も含めてトレーナーには3つの役割があります。

  • 打合せプランナーとしての知識/スキルの情報提供をする(業務面)
  • 不安な気持ちに寄添い、前向きなアドバイスをする(動機面)
  • 現状の知識/スキルを適切に評価し、フィードバックをする(支援面)

この3つ。トレーナーはどうしても自分が教えてもらった時のことを基準にして考えがちなので、上記の業務面/動機面/支援面の3つの役割を認識し、客観性をもってトレーニングを施すことが大切です。

トレーナーをアサインする基準とは

次に、誰をトレーナーとしてアサインをするのが最適なのか、その考え方についてまとめます。

・入社2~3年目のプランナーをトレーナーとしてアサインするケース

新卒や業界未経験者の育成を目的に、入社2~3年目のプランナーをトレーナーとしてアサインするケースです。プレイヤーとして一人前になる前で、人材育成を通して更なる成長を期待してアサインをすることが多いでしょう。

この場合は、トレーナー自身の業績/顧客満足/生産性の面で個人のパフォーマンスで足りない部分がある場合も多い為、カウンセリングでの情報取集/アイテム提案/見積相談など重要ポイントは、リーダー/支配人が再度チェックしておくことが必要です。それ以外にも、定期的にとーれなーの振返りを行い、育成進捗の確認だけでなく役割などをトレーナーをマンツーマンから指導していく必要があります。

・次のリーダー候補をアサインするケース

リーダー候補ということは、プレイヤーとして業績/顧客満足共に結果をすでに残してして育成のための知識/スキルは十分でしょう。しかしながら、施行も多く担当しており、業績達成の為には育成に比重を置きすぎることもできない場合が多いです。その為、トレーナーの通常業務の負担をできるだけ軽減するということが必要であり、例えば、事務処理/施行準備など他プランナーや事務で行えるように運用フローを整えることもポイントになるでしょう。

チームの人員体制や担当施行数を鑑みてトレーナーをアサインすることになりますが、育成環境を整える為にもリーダー/支配人の支援が欠かせません。トレーニーだけでなく、トレーナーを支える環境作りに取り組みましょう。

 

どのように育成していけばよいか?

では、ここからは具体的に育成する際のポイントを紹介します。

初施行のアサイン時のポイント

初めてのアサインは、打合せのスタンダードを理解する為にキリスト教式+披露宴など通常施行をアサインしましょう。会食や会費制などイレギュラーなアサインをしているケースも見かけますが、演出がない/司会者・音響オペレーターが不要など通常のオペレーションこととなる場合が多いので、まず始めはイレギュラーの少ないお客様をアサインするようにしましょう。

アサインのタイミングは、個人的には育成スタートの1ヶ月後には初回打合せに臨むことが良いと考えています。理由は、育成開始時期が最も吸収力が高いからです。2本/月程度のアサイン数とし、初施行と次施行が2週間程あけてアサインするのがオススメです。

育成で行うことをリスト化するメリット

初回打合せ~最終打合せまでで行うことを全てリスト化します。例えば、初回打合せであれば下記のような内容です。

  • ご挨拶
  • 新規契約内容見直し(新郎新婦と親御様の名前・住所・連絡先確認/初期見積の説明/持込内容の説明)
  • 情報収取(パーソナル情報/ゲスト情報/パーティー情報)
  • 結婚式当日の流れ(新郎新婦/親御様/親族/受付係/ゲストの来館時間)
  • 招待状説明(招待状送付のスケジュール、招待状アイテム、等)
  • 引出物説明(引出物/引菓子/縁起物/プチギフトの説明、送り分けについて)
  • 席次表の作り方(配席、肩書、お子様の場合等)
  • 今後のスケジュール(各打合せ実施時期/打合せ内容)

このようにリスト化することで各フェーズで覚えることを理解してもらいやすくなります。何を教えてもらうかを理解して教育を受けるのと、何を覚えたらいいかわからない状態で受けるのとでは理解スピードに大きな差が出るので、何を覚えたらよいかをリスト化してからレクチャーに入るようにしましょう。

育成の全体スケジュールを立てて先に伝える

初施行日から逆算して、打合せの実施日時の目安を立てます。そして、育成リストを元に必要な時間をスケジューリングしていきます。トレーナーが育成に所要する時間は4~6時間/週が目安です。そして、トレーニー、トレーナー、リーダー/支配人がこのスケジュールと育成リストを共有します。そうすることで、トレーニーは現状を理解することができ、自発的に行動をしていくことができます。

また、週末/月末など区切りとなる時には、リーダー/支配人も交えて、業務面の話だけではなく動機面/支援面での話を行う時間確保をすることが大切です。

最適な育成手順でレクチャーを進める

各打合せをレクチャーする際の手順は、

  1. 打合せに同席する
  2. 打合せについて説明する
  3. ロープレする
  4. テストする
  5. 打合せに臨む

です。この手順が一番効率的です。この中で大切なポイントは「3:ロープレする」です。カウンセリングでの情報取集/アイテム提案/見積相談など、大切なポイントは繰り返し実施します。

また、ロープレをトレーナーやリーダー以外のプランナーが行い、フィードバック内容が食い違うことで混乱を招くこともあります。基本を教えているという段階ですので、ロープレのフィードバックはトレーナーやリーダーに集約することも大切です。

その他に育成の取組

上記のような通常のトレーニング以外にも、下記のような取り組みも有効な育成手段です。

  • 目的別の施行見学(新郎新婦/ゲスト/スタッフの動き、演出、料理提供、どんでん等)
  • クローク/受付/サービス業務体験
  • 新規業務体験/成約手続き代行
  • 施行当日に親御様へアイテム提案(アフターブーケ/焼増写真)
  • 週初めに1週間のスケジュール作成とタスク整理、日ごとに振返りと翌日の見直し

上記の中でも、施行当日に親御様へアイテム提案を行うなど、打合せプランナーのスキルとして大切な情報収集~アイテム提案を行う機会を増やすことは大切です。トレーナー/リーダー/支配人が積極的に機会を作ることで、トレーニーの可能性が広がります。

打合せプランナー育成のトレーナーのコツまとめ

  • トレーナーの役割を理解する
  • 育成リストを作成し、育成時間を確保する
  • 各打合せをレクチャーする際の手順は、
  • 1:打合せに同席する→2:打合せについて説明する→3:ロープレする→4:テストする→5:打合せに臨む

です。人材育成に関わることは、ステップアップになります。打合せプランナースキルと人材育成スキルを掛け合わせて、キャリアアップにつなげる参考にしてもらえると嬉しいです。

この記事を書いた人

市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル3.0を実現する」をミッションに掲げ、ブライダル事業者向けマーケ支援、ブライダル特化の人材紹介、Leju(フリープランナープラットフォーム)を運営しています。マーケティング、事業企画が得意。

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