更新日 2019年09月16日

結婚式の打合せでプランナーが知っておいたほうがよい見積り相談のコツ

05_結婚式の打合せでプランナーが知っておいたほうがよい見積り相談のコツ

※寄稿記事です。

売上アップのためにアイテムの単価アップ、人数アップを行いますが、売上アップに一度は成功しても、その後見積相談で大きくダウンしてしまうということは往々にしてあることです。そこで、今回は見積相談で売上と顧客満足で共に高い実績をつくるポイントをまとめました。少しでもプランナーの皆さんの参考になれば幸いです。

 

お客様との見積相談のプロセス

見積相談のプロセスは下記通りです。

  1. 【初回打合せ】新郎新婦の希望する結婚式について情報収集する
  2. 【全てのアイテム提案後】見積を提示する目的と今後お願いしたいことを説明する
  3. 【見積相談前】初回打合せで収集した新郎新婦が希望する結婚式の情報を元に見積調整案を考える
  4. 【見積相談時】プランナーの調整案を提案する

一般的な会場の打合せではこのようなプロセスで進められることが多いですが、これまで見積のことでクレームになった経験がある方は特に、見積りの話をお客様とすることに対して抵抗を持ってしまい見積相談に躊躇してしまうプランナーもいると思います。そのため、まずは、見積相談をする上での心構えについて解説します。

お客様と見積相談を行う上での心構え

新郎新婦にとって結婚式の準備は初めてのことばかり。勿論、見積についても初めてなので、大きく金額がアップした見積を見て混乱してしまいます。そんな時、新郎新婦の気持ちに寄添うマインドを持つことはもちろん大切なのですが、売上と顧客満足が共に高いプランナーはそれ以外に、大切にしていることがあります。それは

  • 見積調整をするときも、新郎新婦が希望した結婚式を実現できる方法を考えている

ということ。大きく金額がアップした見積を見た新郎新婦は、当初希望していた結婚式を実現するにはどうしたらよいかというより、アイテムをキャンセルしようと考える傾向にあります。オプションアイテムのキャンセルあグレードダウンをすれば、見積の不安感も少しは払拭できますが、希望する結婚式とはかけ離れてしまい結婚式への期待感は下がったままです。これでは、満足度の高い結婚式を実現することはできません。

売上と顧客満足が共に高いプランナーは、ナーバスになった新郎新婦の気持ちに寄添うだけでなく、再度結婚式の期待感を高める為に、当初新郎新婦が希望した結婚式を実現する方法を考えています。

見積相談の具体的な内容

それではここから、具体的な見積相談について解説します。

1.【初回打合せ】新郎新婦の希望する結婚式について情報収集する

結婚式の打合せを始める前に、

  • なぜ結婚式をしようと思ったのか?
  • どんな結婚式にしたいのか?
  • ゲストにどんな思いを届けたいのか?

など、これから始まる結婚式の打合せの基盤となる情報収集を行います。具体的な内容は下記の記事にまとめてありますので、詳しくはこちらをご覧ください。

ここでは、新郎新婦が結婚式に期待している真のニーズを把握することが大切です。

2.【全てのアイテム提案後】見積を提示する目的と今後お願いしたいことを説明する

大きく金額がアップした見積は、新郎新婦を非常にナーバスにさせます。その時、見積説明が不十分だと、会場やプランナーへの不信感に繋がります。そうならない為に大切なことは見積を提示する目的を説明することです。目的は2つです。

  • 1:新郎新婦が希望する結婚式を実現する為の予算感を把握してもらうため

初期見積は新郎新婦の希望が固まっていない初期段階での見積です。その後、希望する結婚式が明確になり、打合せで気になるアイテムを追加し見積提示をすることで、新郎新婦が希望する結婚式を実現する予算感を把握してもらいます。

  • 2:アイテムの優先順位を考えてもらうため

新郎新婦の希望する結婚式を実現するための予算感を把握してもらった上で、見積調整が必要か否かを判断してもらいます。必要であれば、打合せまでにアイテムの優先順位を考えてきてもらうように依頼します。その際に、プランナーも考えることを伝えます。
言うまでもないことだと思いますが、アイテムの変更締切日とそれまで見積変更が可能であることも再度説明しましょう。

3.【見積相談前】初回打合せで収集した新郎新婦が希望する結婚式の情報を元に見積調整案を考える

売上と顧客満足が共に高いプランナーは見積調整案を考え、事前準備をしています。当初、新郎新婦が希望していた結婚式の情報を元にアイテムを提案することで、調整してもよいアイテムと調整しない方がよいアイテムの線引きをします。そして、調整してもよいと判断したアイテムに変わるものを、予算別に2~3つ準備しておきましょう。

例えば、装花であればチャペル装花、披露宴会場内の装花、待合室の装花、新郎新婦が身に付ける装花と4つにグループ分けをします。その4つを、新郎新婦が拘りたい場所順に並べ、優先順位の低い所からグレードダウン案を考えます。

  • 希望したデザインやサイズはそのままに、予算を押さえられる花材に変更する
  • 希望したデザインや花材はそのままに小さいサイズに変更する
  • 予算を押さえることのできるデザインやサイズ、花材に変更する

といった具合です。

打合せ後の見積に含まれているアイテムは、新郎新婦が一度は希望したアイテムです。それが、叶えられる方法がないかと考えることが、結婚式のプロとして必要なことだと思います。

その一方で、アイテム変更をした際の予算感を把握する為に、見積のシミュレーションをすることも大切です。予測を立てておくことで、最終見積イメージを把握することで、再度提案シナリオを考えることもできます。

4.【見積相談時】プランナーの見積調整案を提案する

打合せ当日、まずは新郎新婦が考えたアイテムの優先順位とその理由を伺い、それを確認した上で、プランナーが考えた見積調整案を提案します。この時に大切なことは2つです。

  • 1:初回打合せで収集した新郎新婦の希望する結婚式を元に、アイテムを提案すること

調整してもよいアイテムと調整しない方がよいアイテムの線引きを、分かりやすく新郎新婦に提案することができます。

また、新郎新婦は見積を目の前にすると、「なぜ結婚式をしようと思ったのか」「どんな結婚式にしたいのか」という本来の目的を忘れてしまいがちです。もう一度、新郎新婦とプランナーで、本来の目的を確かめるということが大切です。

  • 2:高単価のアイテムから提案する

見積相談だけでなく、通常のアイテム提案にも共通していることですが、高単価のアイテムから提案するということが大切です。購買心理学の要素もあると思いますが、一番低価格なアイテムを更に見積調整をしようとなった時にキャンセルするしか選択肢はありません。どんな時でも高単価のものから提案するということが大切です。

見積相談で売上と顧客満足で共に高い実績をつくるコツまとめ

大切なポイントは、

  • 見積でナーバスになった新郎新婦の気持ちに寄添うだけでなく、結婚式の期待感を高める為に当初新郎新婦が希望した結婚式を実現できる方法を考える

ということが一番大切です。そうすれば、必然的に

  • 見積相談前に予算別に提案するアイテムを2~3つ準備し、調整後の見積シミュレーションをする
  • 見積相談時に、当初、新郎新婦が希望した結婚式を元に、調整してもよいアイテムと調整しない方がよいアイテムを提案する
  • 高単価のアイテムから提案する

ということにつながります。
見積相談を行う上で、ナーバスになった新郎新婦の気持ちに寄添うということだけでは、満足度の高い結婚式を作ることはできません。新郎新婦が希望する結婚式を実現する方法を考え続けることで、新郎新婦と信頼関係を築き、満足度の高い結婚式を作ることができます。
皆さんが打合せをする中で、少しでも参考になれば嬉しいです。

この記事を書いた人

市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル3.0を実現する」をミッションに掲げ、ブライダル事業者向けマーケ支援、ブライダル特化の人材紹介、Leju(フリープランナープラットフォーム)を運営しています。マーケティング、事業企画が得意。

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