更新日 2020年04月22日

ウェディングプランナーのアウトソーシングの是非

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働き方改革の影響などもあり、ブライダル業界に限らず転職することも一般化し、独立したりフリーランスになる方も増えてきています。一方企業側も社員として採用するだけではなく、業務委託で個人と契約したり外部企業に業務発注するなど、リソースの調達方法のバリエーションも増えてきています。さて、今回の記事では最近私の周りでも増えてきた「結婚式場運営企業がフリープランナーを活用すること(委託すること)」について、その概要と考え方についてまとめてみます。

結婚式機能のアウトソーシング

アウトソーシングとは

アウトは外部、ソーシングは調達の意味で、事業運営に必要な機能やリソースを外部から調達することを総じてアウトソーシングと言います。企業によっては外注と呼ぶこともあるでしょう。このアウトソーシングには、委託する側(発注する側)と受託する側があり、ブライダル業界だと委託する側が結婚式場運営企業で受託する側は小規模チームだったり個人だったりします。
アウトソーシングすることのそれぞれのメリットには

  • 委託側:自社にはない専門的な技術・スキルを調達できる、固定費ではなく変動費にできる、必要な時に必要な分だけ調達できる
  • 受託側:受けたいときに受けられる分だけできる、自分の単価を自分で決めることができる

といった点が挙げられます。これまで一般的には専門性が高い業務だが自社で人を採用するほどの業務量がないケースや、逆に付加価値のさほど高くない定型業務をより低単価の外部企業に委託するケースなどで使われることが多いですね。
ただ、最近では様々なパターンのアウトソーシングが活用されるようになってきており、これまでのような単なる事務仕事の外注するといったケースだけではなく、企業競争力向上、効率、スピード、品質の向上、人の再配置による企業再構築などの高い付加価値を生むことを目指して活用されるケースも増えてきています。

結婚式場運営企業のアウトソーシング

ブライダル業界、特に結婚式場運営企業を見ても、アウトソーシング自体は決して珍しいことではありません。

  • ドレスを外部の企業と提携しています
  • サービスもロイヤルに発注しています
  • フラワーも外部の企業と提携しています
  • 写真も…

こういった企業が普通で、むしろすべてを内製化しています!という会社は1つもないのではないかと思います。ただ、ウェディングプランナーを完全に外注しています!という会社はこれまでほとんど聞いたことがありません。
ですが、最近ではすべての業務ではないにしろ部分的にアウトソーシングを取り入れているという会社も増えていますし、そういった依頼に対して答えられるような働き方をしているフリーランスの方とお会いすることも多いので、今後はプランナーのアウトソーシングも普及していくのではないかと考えています。
 

結婚式場にとってウェディングプランナーはコアバリューか?

「ウェディングプランナーを外注する」というワードを見たときに

  • プランナーを外注するなんであり得ない!

と思うか、

  • うまく活用してこう

と思うかは人それぞれ(企業それぞれ)だと思いますが、外部リソースに頼ることをどうとらえるかは「その機能が結婚式場にとって他には代えがたい重要な強み・付加価値の源(=コアバリュー)と考えているかどうか」によると思います。
なので、この式場で提供する結婚式の何が一番の強みなのかを明確にすることが必要です。

  1. ハード
  2. ソフトコンテンツ(料理、ドレス、など)
  3. スタッフのクオリティ
  4. プランニングのノウハウ
  5. 価格
  6. オペレーションシステム

などなど。1-5まではなんとなくイメージ着くと思うのですが、例えばお客様には見えない6のシステムであっても、その存在のおかげで圧倒的に業務が効率化するから低価格を実現できたりお客様へのストレスを低減できれば十分強みだと言えると思います。
もちろん上に挙げたポイントだけではないですが、どこのポイントで勝つのか(=お客様に選んでもらうのか)、どうやって競合会場に勝つのか、これらのポイントをまずは明確にしなければいけない。そして、そのポイントは自社独自のものになるのでその強みを失ってしまう外注はしないほうがよく、そうではない場合はコスト観点や弱点強化の観点から積極的に外注を活用していってもいい、というのが私の考えです。
さて、ここまでをまとめると「ウェディングプランナーがその結婚式場のコアバリューか?」という問いに対して

  • YES:外注しないほうが良い、なぜなら一番の強みが失われるから
  • NO:必要に応じて部分的にでも全部でも外注を活用してもよい、なぜなら他の強みを生かして競争を勝つと考えているから

というのが考え方としては一番しっくりくるんじゃないかなと思います。
ただ誤解してほしくないのですが、これは一概にどちらが正解ということは全くありません。経営やそこで働いている人がどのように考えるか、という概念的な話です。あと、もし外部のフリープランナーを活用している企業で働いているプランナーの方だと「うちの会社は私たちのことを強みだと考えていないのか!?」のような思ってしまうかもしれませんが、結婚式は繁忙期と閑散期の差が激しいので、経営判断上そういった判断をしているケースもあります。と補足しておきます。
 

結婚式場ごとのイメージ

では、プランナーがコアバリューではないってどういうことなのか?例えば、「マニュアルが徹底されていて受注したお客様に対して一定のクオリティの結婚式を提供し続けられる」会場は、人が強みなのではなく、コンテンツとオペレーションが強みであることがほとんど。言い方は悪いですが、その会場の基礎研修を突破した人であればプランナーは誰でもいい、ということが多いですね。ドライに経営観点で見れば生産性と残業時間の違いくらいしかない。
こういった式場で働いている人からすると非情に聞こえるかもしれませんが「誰がやっても一定水準以上のクオリティを担保できる」ってすごい企業努力ですからね。例えばマクドナルドに行って作る人によって全然違うハンバーガー出てきたら困るじゃないですか。特に結婚式はやり直しがきかない商材なので、失敗しないことの価値って高いと思うんですよ。
逆にプランナーやプロデュース力が強みであると考えている企業の場合だと「誰も見たことがないようなお二人だけのオリジナルな結婚式を提供できる」という大きな付加価値を提供できる反面、リスクとして「誰が担当するかで仕上がりがまるっきり変わる可能性がある」というものがあります。
これまで出会ってきたプランナーの方々を思い浮かべると、やりたい世界観的には

  • オリジナルウエディング>>>>>テンプレートなウェディング

のようにオリジナルで作りたいと考えている方が圧倒的に多い印象ですが、オリジナリティなのか安定感なのか、お客様にとって何を価値と感じるのかは人それぞれなので、一概にどんなコンセプトが正解で、必ずしも人が強みになっている必要はないんじゃないかなと思います。
 

プランナーのアウトソーシングの是非についての考えまとめ

結論としては、会社や会場の考え方次第で是も非もない、となります。ただ式場で働くプランナーもフリーランスの方も、自分の価値観に近いところで働いたり一緒に仕事をした方がお互いにストレスなく進められるので、自社会場のコアバリューは何なのか?について自分で考えてみたり上長に聞いてみたりすることもやってよいかなと思います。
これまでもそしてこれからも時代はどんどん変わっていきますし、これまで常識だった考え方にや方法を踏襲し続ける必要はありません。これからの時代に合った経営と働き方をしていきましょう。
 
おわり
 

市川 貴之

この記事を書いた人
市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル業界で働く人のよりどころに」をビジョンに掲げ、ブライダルコンサルティング、ブライダル業界専門の転職支援サービスを運営しています。お仕事の依頼は「お問合せ」、転職のご相談は「ブライダル専門の転職相談」からお受けしております。

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