更新日 2021年02月09日

成功報酬型の委託フリープランナーを使うことのメリットとデメリット

業務委託プランナーのメリット・デメリット_サムネイル

久しぶりの投稿です。最近業務委託のフリープランナーを活用する企業の事例も増えていますし、これから導入するかどうかを検討している企業も多いと思うので、今回はこのテーマについてちょっと書いてみようと思います。

 

成功報酬型の委託フリープランナーとは

一般的なウェディングプランナーは企業に雇用され、結婚式場に勤務していることがほとんどで、その結婚式場に来館した方の新規接客、ご成約いただいた方の打合せを行います。

それに対し委託フリープランナーは企業や式場には所属せず、

  • 接客一組当たり〇円
  • 成約1件当たり〇円
  • 打合せ担当1組当たり〇円

と言ったような内容で個人として式場と契約しているプランナーのことを言います。もともとプランナーとして式場で働いていた方が個人事業主として活動しているケースが多いですね。

 

委託プランナーを使う式場目線でのメリット・デメリット

メリット

①人件費を変動費化できる

雇用していると来館数や施行組数、受注組数に限らず人件費が固定でかかりますが、外部のフリープランナーを使うと来館数や施行組数に応じてフィーが発生するので、人件費を変動費化できます(勘定科目は業務委託費を使うことが多い)。そのため、売上が何かしらの理由で減少した場合でも柔軟な打ち手が可能になります。

②採用・育成コストが下がる

自社でプランナーを採用・育成がする必要がないため、その分のコストやリソースを抑制することが可能です。また、例えば新規エリアに出店する際に必要な新規採用も最小限に抑えられるので、スピード感を持った出店が可能になります。

③自社内にないノウハウに触れる機会を作ることができる

フリープランナーは新規にしろ打合せにしろ高いスキルと経験を持っていることが多いです。委託で来てくれるプランナーが自分のノウハウをどこまで教えてくれるかは個人によりますが、接客中のトークや表情の作り方などは参考になるところもあると思います。

デメリット

①単価が割高

おおよその相場としては、新規の委託プランナーだと1成約当たり10万円前後、打合せの委託プランナーだと1組当たり8万円~10万円程度が多いようです。自社の社員としてプランナーが所属している場合だとさらにその業務委託料を払うことになるとその分のコストがプラスになるのと、社員のプランナーと比べると割高であることが多いです(フリープランナーはそれで生活しているので高いこと自体に問題はないと考えています)

②リソースが不安定

委託プランナーは副業か専業かはさておき複数の式場や仕事をしていることが多いので、式場側が必要なタイミングで必ず入れるわけではありません。また、もし安定した委託プランナー量を確保しようと思っても、今度はその分の仕事を式場側が常に用意できるわけではないので、結局確保には至らないので、委託のみで考えるのは意外と大変です。

③自社ブランドを構築しにくくなる

委託の方は基本的に接客単位で仕事を依頼するので、自社会場に常駐することはありません。なので式場の価値観やこだわりというのを日常業務レベルで理解し、そのブランドを体現してもらうことはかなり難しいです(もちろん、事前に式場やプロデュースサービスについてを理解するための機会を設けることは多いですが)

***

このようなメリットとデメリットがあるので、ケース別のおすすめの方法をまとめると以下のような感じだと思います。

  • 式場であれば閑散期に合わせて人員を採用し、繁忙期のアップサイド分を委託プランナーを活用する
  • もともと別の事業で使っていた施設(レストランなど)がウェディング利用を始める際に委託プランナーを活用する(その後、本格事業化する意思決定をしたら採用する)

 

 

プランナー目線の委託プランナーとして活動するメリット・デメリット

メリット

①働き方が自由

基本的に接客している時間だけの稼働になるので、月間20日以上の出勤、朝から晩までずっとはりつき、といったいわゆる結婚式場の働き方ではなくなります。サロンや式場に行く、接客をする、事務処理をする、帰る。シンプルにこれだけで、仕事があれば自分が働きたいときだけ働けるのもメリットですね。

②実力があれば稼げる

新規であれば高い成約率を出せる、打合せであれば安定した打合せと施行ができる(インセンティブがある契約の場合は単価アップできる)くらいの実力を持っている方であれば、式場で社員として働いている時よりも稼げることが多いですね。

デメリット

①仕事のあるなしが不安定

これはメリットの裏返しですが、実力がないと仕事がそもそもが取れません。また固定の収入もありません。なので、いつどの程度の仕事があるかが式場やプロデュース先の経営状態次第であることと、かつ自分が信頼されないと仕事を依頼してくれこと、これがあるので安定した生活、とかは難しいですね。

②式場に対して立場が弱くなりがち

個人事業主として式場やプロデュースと契約をする場合、特に経験の浅い方や契約について明るくない方だと、不利な内容での契約を迫られることも少なくないです。特に今は(今後はわからないですが)供給過多の状態なので、どうしても買い手市場として条件が決まりがちです。

 

委託プランナー活用の業績的なシミュレートをしてみる

ここまでがざっと仕組みの概要となりますが、委託のプランナーを利用するかどうか迷っている式場も多いと思うので、もし活用した場合にどれくらいのパフォーマンスを出してくれたら意味のある活用となるのかについて、かかるコストと期待値のシミュレートしてみます。今回は式場所属のプランナーに変わって委託新規プランナーを使う場合の業績的なメリットはどの程度あるか、です。

*がついているのところが変動係数です。

①委託プランナーの成約率別シミュレート

成約率別の利益期待値のシミュレート_2

【シミュレートの条件】

  • 1来館当たりにかかっている広告宣伝費:8万円
  • 1成約当たりに支払う報酬:10万円
  • 成約後の平均単価:350万円
  • 施行当たりの原価率:50%
  • 式場所属プランナーの平均成約率:40%
  • *委託プランナーの成約率:45%~65%

委託プランナーの成約率が式場所属のプランナーの平均よりも高い場合は、利益期待値がプラスになり、持ち成約率の差が大きいほど利益の上振れ期待値は高くなります。

②成約率×報酬単価別の利益期待値のシミュレート

成約率×報酬単価別の利益期待値のシミュレート

【シミュレートの条件】

  • 1来館当たりにかかっている広告宣伝費:8万円
  • *1成約当たりに支払う報酬:10万円~50万円
  • 成約後の平均単価:350万円
  • 施行当たりの原価率:50%
  • 式場所属プランナーの平均成約率:40%
  • *委託プランナーの成約率:40%~70%

持ち成約率の高い委託プランナーほど期待利益は高くなります(当たり前)。成約率と報酬単価のバランスを見ると、成約率70%を安定して取れるなら報酬50万円でも期待利益がプラスでした。

③結婚式単価×報酬単価別の利益期待値のシミュレート

結婚式単価×報酬単価別の利益期待値のシミュレート

【シミュレートの条件】

  • 1来館当たりにかかっている広告宣伝費:8万円
  • *1成約当たりに支払う報酬:10万円~50万円
  • *成約後の平均単価:200万円~400万円
  • 施行当たりの原価率:50%
  • 式場所属プランナーの平均成約率:40%
  • 委託プランナーの成約率:50%

平均組単価の高い式場ほど、高い報酬を払っても期待利益は高くなる。逆に言うと、平均単価の低いサービスで委託プランナーに高額報酬を支払うと利益を圧迫する確率が高くなる。

④来館単価×報酬単価別の利益期待値のシミュレート

来館単価×報酬単価別の利益期待値のシミュレート_2

【シミュレートの条件】

  • *1来館当たりにかかっている広告宣伝費:4万円~20万円
  • *1成約当たりに支払う報酬:10万円~50万円
  • 成約後の平均単価:350万円
  • 施行当たりの原価率:50%
  • 式場所属プランナーの平均成約率:40%
  • 委託プランナーの成約率:50%

これはびっくりですが、来館単価が安いか高いかと利益期待値の増減には関係ありませんでした。

 

委託プランナーについての考察まとめ

上記のシミュレート結果から、委託プランナーを活用するかどうかを判断するときの要素は

  1. 委託プランナーの成約率と式場プランナーの成約率の差分
  2. 1成約当たりの報酬金額
  3. 成約後の結婚式の平均単価

この3つで、来館単価がいくらかどうかは関係ありません。

今回のシミュレートでは1つ1つの要素比較でしたが、実際の活用の際は3つの変数を動かしながら期待効果を試算して実施するかどうかを検討することが必要になると思います。

 

おわり

市川 貴之

この記事を書いた人
市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル業界で働く人のよりどころに」をビジョンに掲げ、ブライダルコンサルティング、ブライダル業界専門の転職支援サービスを運営しています。お仕事の依頼は「お問合せ」、転職のご相談は「ブライダル専門の転職相談」からお受けしております。

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