
最近よく「アウトレット」と見かける方も多いのではないでしょうか?一般的には余った在庫や訳アリ商品を格安で購入できるショップをイメージするでしょう。東京近郊だと三井アウトレットパークや御殿場プレミアムアウトレットなどが有名ですね。アウトレットには粗悪なものだけではなく、国内外の高級ブランド品などが売っていることもあり、人気は高いと言えます。さて、今回の記事では「結婚式特化型」のアウトレットは作れないか?という観点で考えてみました。
目次
アウトレットとは?
アウトレットとは?
アウトレットとは本来の意味は出口や捌け口という意味ですが、一般的には在庫や訳ありの商品を安く販売しているリテール・アウトレットをイメージされる方が多いと思います。
- 三井不動産が運営する三井アウトレットパーク
- 三菱地所・サイモン株式会社が運営するプレミアム・アウトレット
- 西武グループが運営するプリンスショッピングプラザ
- 大和グループが運営するアウトレットモール
- イオンが運営するレイクタウンアウトレット
このあたりが有名ですね。広大な敷地を必要とするため郊外に建設されていることが多いですが、どこもたくさんの客でにぎわっています。アウトレットでは、ブランド品や規格外の商品(といっても正規品とそんなに大差はない)を幅広く扱っていますが、いずれもかなり低価格で提供されていることが人気の秘密です。
アウトレットはなぜ安い?
アウトレットモールで売られている商品が安いのは「各メーカの在庫処分品だから」です。メーカーの場合、売れ残ってしまった在庫は売上に繋がらないだけでなく廃棄にもコストが掛かるのでできるだけ0にしたいところではありますが、欠品による販売機会ロスの方がダメージが大きいので、どうしても一定のバッファを持たせて生産をします。つまり構造的に在庫を持ちやすいのですね。
一方、余ってしまった在庫をそのままの店舗で安売りすればいいじゃないかと思うのですが、そうすると通常価格で買ってくれているユーザーまでそれだけを目指してきてしまうのでブランド力を損なうリスクが高くなります(閉店前のデパ地下のお惣菜が安くなるタイミングだけを見て来るお客さんのようなもの)。
そのため、自社の店舗とは全く別の店舗で在庫を処分したい(少しでも売上につなげたい)とみんな考えるようになるため、それを一堂に課したものがアウトレット、となります。そのため、アウトレットには多くの店舗が集まっていて、店舗ごとに特徴があり、正規店のイメージを損なうことなく、低価格で商品を提供しているのです。
アウトレットの魅力をまとめると?
- ブランド品や正規品と大差のない在庫品を、低価格で手に入れることができること
と言えます。このブログをお読みの方もアウトレットに買い物に行かれる方も多いのではないでしょうか?
結婚式のアウトレットモールを作るならどんなものになる?
先ほどのアウトレットの定義に当てはめると以下のようになります。
- 販売されている商品:訳アリ・非正規の商品=直近や日柄や日取りの良くない施行枠
- 出店している企業:同エリア内の結婚式場が出店
- 販売価格:通常の申込よりかなり格安
訳アリの施行枠
結婚式場の新規営業で会場のハードやソフトとは関係なく、どうしても売りにくい施行枠があると思います。具体的には
- 日取りが近い:直近3か月以内の空き枠
- 日柄がよくない:仏滅
- 曜日・時間帯がよくない:日曜日の夜枠、火曜~木曜の単独休日
こんな感じですよね。ただ、これらの日取りでお申込みいただいた場合でも、実際に行う結婚式の内容は他の日取りの結婚式とクオリティの違いは全くないと思います。
出店している企業
単独会場の空き枠だけがあっても選択肢が狭すぎるので、できればたくさんの結婚式場が出店しているといいですよね。中にはハイブランドや知名度の高い結婚式場も出ていると理想的です。
販売されている価格
当然ですが、かなり安くなっている必要があります。また、できればいわゆる初期見積りから金額上がる問題は解決した状態の主ピンが理想です。申し込み時点から金額の動かない完全定額ウェディングについては以下の記事でコンセプトや具体的なスキームをまとめていますので、こちらも併せてご覧ください。
もし実現できた場合の結婚式場・ユーザーのメリット
もしこのサービスが実現すると、結婚式場とユーザーの両方にメリットがあると思います。
結婚式場のメリット
- 通常の販売ルート(媒体→来館→成約)では売れない施行枠を売ることができる
- 売上・利益を伸ばすことができる
- 通常の集客とは別ルートなのでブランドの既存(格安会場だと思われてしまう)こともない
ユーザーのメリット
- 予算が合わずに諦めていた会場でも上げられる可能性ができる
- 通常の申込ルートよりも安く挙げることができる
- 安い理由が明示されているので、漠然としたクオリティへの不安を抱かなくていい
具体的にどんなサービスになるのか考えてみた
サービス概要
前提として、アウトレットモールはオンライン(ウェブサイト)です。リアル店舗を持つのは非効率でしょう。
- 結婚式場が商品(販売したい施行枠)をサイトに登録
- ユーザーがサイトに来訪して結婚式を検索
- 結婚式を申込(オンライン申込でも来館予約してから直接申し込みかはどっちでもいい)
- 結婚式場が運営会社に手数料を支払い
- 結婚式を実行
利用フローはこのような感じになると思います。
サービスサイトのイメージ
私のイメージに近いのは「Cansell[キャンセル]」ですね。
URL:https://jp.cansell.com/
Cansellは急に行けなくなったホテル予約を、出品または買取できるサービスです。出品者は、購入時の金額以下で販売しており、中には半額以下の予約もあります!検索時には、色々な宿泊予約サイトとも合わせて比較検索でき、あなたにピッタリなプランを見つけることができます!
詳しく知りたい方はホームページをご覧ください。
- ホテル→結婚式場
- 国とエリア→都道府県とエリア
- ホテル予約→結婚式場の施行枠
- 定価と販売価格→定価と販売価格
- 施設・アメニティ→付帯設備
現在のCansellサイト内のコンテンツ(左側)をそのまま右側に置き換えればそれなりに当てはまりそうだな、と。もちろん細かなところのカスタマイズは必要になると思いますが、ベースこの発想で設計を始めれば早そうです。
販売する商品(施行枠)の設計
こんな画面イメージになると想定しています。
販売時(少なくともサイト掲載時)に以下の事項は決めておくべきでしょう。
- 結婚式場名とバンケット名
- 挙式日と挙式時間
- 金額と定価との差
- 含まれる内容
これは私の希望も込みですが、内容は選び放題+金額は完全固定、の販売だとなおよいと思います。
※ただし、お選びいただく内容によって金額が変動する場合がございます
と書かなくていいですからね。
その他考慮したほうがいいポイント
- 運営者は会場側に管理画面を開放して自分たちで登録してもらう方式にすることで、運用コストを下げ手数料率を下げたほうがいい
- 将来的にはPhorbsなど施行枠を管理しているシステムとAPI連携して、事前に条件を設定しておくと自動で販売されるような仕組みにするとより工数を抑制できる
- 支払手数料はサイト上での販売されたタイミングで、販売価格の5%~10%とかのイメージ
今のところ思いついたのはこれくらいですが、またポイント思いついたら追記します。
結婚式のアウトレットモールの可能性についての考察まとめ
結婚式場別の施行枠の稼働状況のDB、自動価格設定ロジック、この2つが整っている状態で法人開拓とサイト制作をきちんと進められればこの企画自体は進めることができると思います。広報とデジマ施策を間違わなければある程度いけそうな気はします。ちなみに、表現が違うけどこれと同じコンセプトなのが楽婚とスマ婚なんですよね。この2つはプロデュースまで行っている点が今回書いたサービスの内容とは違いますが。。今回の記事で1つの新規事業の可能性として、楽しんでもらえたらうれしいです。
おわり