更新日 2020年04月29日

ブライダルフェアのオンライン化?Zoomなどを使ったブライダルの接客について考える

ウェディングのオンライン接客について_サムネイル

ブライダル業界に限らずこれまでは対面が当たり前だった業務や仕事にもオンライン化の流れが来ています。今は国の状況も踏まえてオンラインにせざるを得ないという状況ですが、仮に落ち着いたとしてもオンライン化したほうが効率的でいいね、ということになる可能性は現時点では高そうです。そこで、今回の記事では結婚式場の接客をオンライン化するとしたときのオペレーションやKPI、考え方などをまとめます。

オンライン化全体像の話

オンライン×ウェディング_4つの概要2
ウェディング×オンラインの領域は大きく分けると下記の4つに分類できます。

  1. 接客をオンラインでする
  2. 働き方がオンラインになる(テレワーク)
  3. 結婚式をオンラインでライブ配信する
  4. 結婚式をオンラインでする

全体概要について詳しくは下記の記事に概要をまとめてあるのでご覧ください。

今回の記事ではこの中の「接客をオンラインでする」について詳しく書いていきます。
 

「接客をオンライン化する」ことの概要(上記記事の再掲)

オンライン接客とはこれま結婚式場で対面で接客していたものをオンラインで行うことを指します。他の業界ではコロナウイルスの影響が出る前から取り入れられてきましたが、外出自粛とテレワーク推進の背景から本格的に取り入れることを検討している企業が増えてきています。
結婚式場の接客をオンライン化する場合

  • 新規接客をオンライン化する
  • 打合せをオンライン化する

大まかに分けるとこの2パターンで分けて考えたほうが良いでしょう。接客のゴールが異なることと必要になる資料や連携するデータベースなどが異なるからです。

新規接客のオンライン化

新規接客フェーズはさらに2つに分けることができます。

  • 式場説明会
  • 個別相談会

この2つでイメージとしては就活の「会社説明会」と「面接」のような感じです。
まず式場説明会は結婚式場1アカウントに対して複数のお客様が参加するスタイル、あらかじめ開催日時を告知し、時間になったらこのURLからお入りください、という流れです。事前予約を取るかどうかはどちらでもいいと思いますが、次のステップを考えるなら事前予約である程度個人情報を取る会場が多そうです。ただ、私が責任者なら参加時に情報を取らずに説明会終了後にそのままアンケート画面へ誘導し、そこで個人情報を取得。そのアンケートを回答してくれたら特典クーポン発行するからみんな答えてね、という導線にすると思います。個人情報を取らないことで予約の心理的ハードルを下げ予約率を高めることと、温度感の高い顧客の個人情報だけをスクリーニングできるので、後工程でCRM施策の効率化を図れることが理由です。
次の個別相談会はいわゆる今の新規接客をそのままオンライン化したものになります。ヒアリングから具体的な提案、見積り説明、契約、までですね。最初にここから参加する場合は会場のプレゼンから入ったほうがいいですが、事前に式場説明会に参加してくれているお客様に対しては具体的な内容を詰めるところから接客を開始できるので接客時間を短縮できるのがメリットです。
この2つの導線をうまく組み合わせることでオンラインの新規接客オペレーションを組んでいくことになると思います。これまでの対面接客と違いは、

  • オンライン最適化した接客のノウハウ構築(システム、トークなど全部含む)
  • 式場説明会参加者へのCRM施策の運用

この2つかな。

打合せのオンライン化

どちらかといえばこちらのオンライン化の方がハードルは高いと思います。進行決め、アイテム決めなど細かい話をオンラインでどこまでできるか?という懸念があるのと(とはいえやろうと思えばできる)、ドレスや料理などリアルに体験する意味合いが高いアイテムの接客をオンラインでやって本当にお客様が納得するのか?という点がわからないからですね。
打合せはプランナーだけではなくパートナーやアイテム内製部門のスタッフなど複数人が登場するので、仮に結婚式場がオンライン化に踏み切ったとしても外部企業にも同様のオペレーションを強いることができるのか?というのも難しい点だと思います。
ただ、もし安定したオペレーションとしてオンライン化できると、パートナーさんの打合せを録画で確認することができるので「言った言わない問題」が起こりにくくなること、平日の夜でも打合せ可能になるので土日の負担が分散することなどメリットが大きいのも事実です。
ここまで書いた「1.結婚式場接客のオンライン化」をまとめると下記のようになります。
①結婚式場の接客をオンライン化する
 

新規接客がオンライン化した場合の想定オペレーションとKPI

オンライン新規接客のオペレーション

オンライン新規接客のオペレーション2
まずオペレーションはこんな感じになるでしょうか。

  • サイト来訪
  • 式場説明会(1:Nの合同オンライン説明会)の予約
  • 参加
  • 個別相談会(1:1の成約目的の接客)の予約
  • 成約

シンプルに書くとこのようなフローになると思います。下記このオペレーションのポイントになりそうなところをざっと挙げると…、
まず公式HPには式場説明会の告知ページ&予約フォームと(予約制をとる場合)、個別相談会の予約フォームを別で設置することでライトな検討層を説明会でキャッチし、深い検討層を個別相談会へ誘導することで、数の取りこぼしと質の両面の担保を狙う。細かな話をするなら予約時に取得する情報は極力減らし、スマホ最適化されたカレンダーフォーム(youcanbookmeとかのUIは抜群に良い)CVRを最大化することを目的にした方がいいと思う。
次に式場説明会の目的は個別相談会の予約獲得と明確に割り切り、その誘導をかける際のストレスになるようなフローは極力排除して設計する。具体的には開催時間と話す内容、説明会終了後のアンケート設定を緻密に行い、そのまま相談会希望の方は予約を取れるように、少し考えたい方は後追いできるように個人情報を分類できるようになればベスト。ここは企画と導線設計がすべて。
個別相談会はクロージングまで持っていく(成約を狙う)ことが目的なので、そこから逆算して時間やコンテンツを組んだ方がよいかな。キモは見積りと日程をどのように見せるのか?だと思う。PC2台持ちは現実的ではないとなると、お客様とPCをつなぎながら日程の空き確認をすることになるので、接客が間延びしないようにしなければいけないし、見積りの出し方も対面時のように何パターンも細かく作って…というのは難しいだろう。これはトライ&エラーを繰り返しながらブラッシュアップしていくのが遠そうで一番早いかも。
あと、このフロー図には書いていませんが個人情報を取得したタイミングからシナリオが走り出すようなCRMを並行して実施できると各フェーズでのかご落ちを防ぐことができるのでより高いKPIを実現できると思いますね。
とざっと私が思うオンライン接客オペレーションのコツでした。では次はKPI。

オンライン新規接客のKPI

オンライン新規接客のKPI
先ほどのオペレーションフローと逆の流れなので見にくかったらすみません。KPIツリーはおおよそこんな感じになるんじゃないかなと思います。このKPI(少し色の濃いボックス)を右側の施策を実行して改善していくことで、目標である成約数を達成していくことを目指す、というのが考え方の基本になります。
サイト来訪数と予約率はSEOやウェブ広告運用を行うのであればそれ専門の数値分析が必要ですが、それ以外に定期的にウォッチしておいた方がいいKPIはこれくらいでいいんじゃないなか、と。細かく見ようと思えばまだ見れますが、必要になったらその都度で問題ないと思います。その分析に時間をかけるよりも施策を考えるために時間割いたほうが今はいいでしょう、方法が確立していないので。

オンライン新規接客の改善施策

オンライン新規接客のKPIを改善するための施策リスト
最後に、では具体的にどんな施策を実行すればよいか?のリストは上記のようになります。各KPIごとに施策が異なるので、

  1. KPIをモニタリングする
  2. その推移を見てどの施策をどの程度実施するかを決める
  3. 実行実行実行実行実行
  4. また結果を確認する

実務上はこんな流れで進めていくことになると思います。これ一つずつ解説していくのはボリュームが膨大になりすぎるのでここでは割愛します(相談したい方はこちらのフォームからお問合せください)。
 

打合せがオンライン化した場合の想定オペレーションとKPI

オンライン打合せのオペレーション

オンライン打合せのオペレーション
オペレーションというよりは必要な要素を抜き出したという感じで作成しました。

  • お客様対プランナーの打合せをオンラインで行う
  • お客様とパートナーの打合せをオンラインで行う
  • 請求をオンラインで行う
  • 受発注処理をオンラインで行う(FAXなどを使わない)

この4点をどこまで実現できるかというのがポイントになります。実現する上でハードルになりそうなところを挙げると…
まずお客様対プランナーの打合せ、これは物理的には可能だと思います。アジェンダを決めて日時を決めてZoomでつないで会話する、以上なので難しいことではありません。ここで難しいのは打合せで決めたことのデータの連携が可能かどうか、です。おそらく現状だと決めた内容を打合せ中にメモしておいて打合せ後に自社のシステムなどに入力するというフローになると思いますが、これ業務工数かなりかかると思うんですよ。理想的にはオンラインでつなぎながらそのままお客様にも見せられる画面としてシステムに入力していってしまう、というものですが、そこまで開発できるかどうか、かなと思います。特にテレワークで実施するならメモっておくが通用しないので。
次にお客様対パートナーの打合せも同じく物理的には可能ですが、データのやり取りが課題になりそうです。自社のシステムを開放するわけにはいきませんから(個人情報のセキュリティの観点)、パートナーが独自でオンラインツールを用意することになりそうですが、そうするとお客様は打合せのたびに違うツールを使わなければならずかなり負担が大きくなります。なのでどこまでツールを統一できるか、その上でセキュリティを担保できるか、これが考えなければいけないところですね。
請求のオンライン化は特に考えるところはないですが、これまで紙ベースでしか請求書を発行していない式場は「請求書を発行して郵送するために式場にわざわざ行く」という仕事が発生するので、特に押印が必要かどうか、上長の電子承認でOKか、あたりは決めなければいけないポイントになるでしょう。
最後に受発注。オンライン化というよりは業務システム寄りの課題となりますが、式場側もパートナー側も業務効率が最適化するようなオペレーション構築が必要です。プランナー対パートナーの打合せをオンライン化するは先ほどと同じ理由で簡単です。が受発注は請求/入金にも関わりますし基幹システムや会計システムを導入している企業はそことの連携をどうするかを考えなければいけませんね。

オンライン打合せのKPI

オンライン打合せのKPI
打合せのKPI分解は方法が何パターンもあるのですが、今回は一番一般的かなぁと思う「初期見積り金額×アップ率」でツリー組みました。新規に比べると極めて簡単なツリーですね、手抜きではないんですが考えてもわからず…、すみません。

オンライン打合せの改善施策

わざわざimgにするほどの内容もないので簡単に箇条書きで行きますが、

  • 接客で使う資料のクオリティを高める(現物が見れない分をカバーできるレベル)
  • オンラインとしたときの打合せ回数や打合せ時間の最適なラインを見極める
  • 接客のシナリオ、トークスキルを磨く(対面とオンラインは距離感が全然違う)
  • どうしても現地で、などイレギュラーの対応が必要なパターンのフローを準備しておく
  • パートナーの打合せを必ず録画してプランナーが見れる用意して言った言わないなどの問題を未然に防ぐ

―――以下、システム的な要件

  • 打合せの内容と社内システムやDBとの連携精度を上げる
  • カスタマイズできるレベルでシステムをブラッシュアップし、ウェディングの接客に最適化する
  • テレワーク前提としたときのノートPCの準備、VPNの設定など環境を整える

ざっとこんな感じになると思います。まずはオンライン打合せの回数や時間を最適にしていきながら中で使う資料クオリティ、トークスキルを磨いていくのが王道になりそうです。
 

ウェディングの接客のオンライン化についてまとめ

新規と打合せの接客をオンライン化した場合のオペレーションとKPI、施策やポイントを細かい点まで洗い出してみました。ただ、まだ各社手探りで進めている状況だと思いますし、今後もっと一般化してくればより洗練されていくと思います。ということで「あくまで現時点で考えられることとして」という感じですが、少しでも参考になれば嬉しいです。
 
おわり
 

市川 貴之

この記事を書いた人
市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル業界で働く人のよりどころに」をビジョンに掲げ、ブライダルコンサルティング、ブライダル業界専門の転職支援サービスを運営しています。お仕事の依頼は「お問合せ」、転職のご相談は「ブライダル専門の転職相談」からお受けしております。

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