更新日 2020年04月23日

ウェディングアイテムの内製化についてケーススタディ

ウェディングアイテム部門内製化のケーススタディ_サムネイル

結婚式場運営企業によってウェディングアイテム部門を自社で用意する(内製)のか、外部の企業やスタッフと提携して(外注)お客様に提供するのか、考え方やスキームは実に様々です。できるだけ内製にこだわりたいという経営者の方もいれば、コストを抑えたいからできるだけ外注したいという方もいます。内製と外注のどちらがいいかということに正解はなく、成し遂げたいことと自社の規模や携帯によって最適な方法を取ることがいいと思っているのですが、今回の記事ではケース別の考え方をまとめてみます。

ウェディングアイテムの内製化について

結婚式場の内製化でについて、前に下記の記事を書きました。

ざっと内容を再掲すると、
結婚式場のアイテム部門の内製と外注の違い
アイテム部門を自社内で組織・機能として持つことを内製と呼び、外部企業と連携することを外注と呼ぶ(このブログ記事内では)。
内製と外注の違いまとめ
内製するか外注するかによって、

  • コスト
  • クオリティコントロール
  • スタッフマインド
  • 管理系業務
  • キャリアパス

これらのポイントでメリット/デメリットがある(内容は上表の通り)。
―――ここまで
今回はこれをもとに、もうちょっと具体的な内容を書いてみようと思います。
 

①単店運営のケース

運営している会場が1店舗の場合は、よほどマルチタスクを高いレベルでこなせるプロフェッショナル集団でない限り内製化するとコスト負けすると思います。バンケ数にもよりますが、1バンケ当たり年間200施行が限界だとすると、1バンケだと200組、2バンケでも400組です。プランナーはいいとして、その組数の施行のために

  • ドレスの仕入れやサロン、アトリエなどの設備維持費
  • スタイリスト、フローリスト、フォトグラファー、サービス、シェフ、司会、音響などの人件費
  • (当たり前だけど)会場の維持費

これらをすべて負担するとなると、かなり高額の単価にしないと利益残らないと思います。なので、コアバリューになる部分を自社で採用し、パートナーとして外部のチームや企業と連携するという方法がベターだと思います。
 

②複数出店だが出店エリアがバラバラのケース

運営している会場が複数店舗だがエリアがバラバラ(それぞれの結婚式場の商圏を超えるくらい離れている)の場合も、内製化するとコスト負けすると思います。理由としては、店舗は複数あっても

  • エリアごとに内製化したウェディングアイテムの設備維持費がそれぞれの地域でかかる
  • 採用した人材リソースの最適化が図りにくい(繁盛店とそうじゃない店でリソースの共有ができない)
  • それぞれの拠点にマネジメントを利かせないといけないので事業ディレクションが難しい

というのが大きな理由です。内製化してハイクオリティなサービス提供が簡易なるからブランドとして確立されておりゼクシィに広告出稿しなくても十分な来館を獲得することができる、くらいのインパクトがあればPL全体では整合性が取れてくる可能性はありますが…。
 

③同一エリアに複数出店しているケース

運営している店舗が複数あってかつ同エリアである場合は、内製化してもコスト負けせずにマネジメントも利かせやすいので内製化のメリットはあると思います。ただ、ゼロから採用して育成して場所借りて商品をすべて用意して…となると大変なので、もし財務体力があるならM&Aして内製化を進めるというのが現実的な方法かなと思います。
内製化する大きなメリットはアイテムのクオリティを担保できるという点である一方、ネックになるのが人件費や施設維持費が固定費化するので売上変動に対して利益変動が大きくなるという点です。ただこの点は、複数会場で1つのアイテム拠点(ドレスサロンやフラワーアトリエ)を持つという構造にできると1会場当たりの配賦コストが抑えられるのでこの形態だとメリットが上回ると思います。
 

内製化するかどうかの判断のポイント

さて、ここまでは主にPL観点で出店エリアと運営店舗数によっての判断基準を書いてきました。内製化するとコストが固定費化するというのが外注の場合と大きな違いなので、1つのアイテム拠点で何組の施行を吸収できるのかを1つのKPIとして想定収支シミュレートをして考えてみるといいと思います。
また、内製化といってもいきなりすべてをそうするのではなく、アイテム単位で検討することがほとんどだと思います。例えばドレス、花、などはよくご相談いただくアイテムですね。
実際の経営において判断する際はここまで述べたような業績への影響以外にも

  • 採用や育成、マネジメントの観点
  • 自社商品としてのブランディングの観点
  • これまでの取引先との関係性の観点

など、いわば経営者や責任者のこだわりとも言える部分も重要だったりします。先ほども書いたように特にゼロからの内製化を始めるのは思っているよりもハードですが、どうしてもこの商品を扱いたい、ブランドを立ち上げたいという思いがあればそちらが優先されることもあるでしょう。
いずれにせよ正解がある話ではなく、内製化するならした後にどのように運営するかの方が事前シミュレートの精度を高めるよりもはるかに大事なので、今回のケーススタディが1つの考え方として少しでも参考になれば嬉しいです。
 

内製化ケーススタディのまとめ

まとめると、内製化するかどうかの判断ポイントは出店済の結婚式場数とその展開エリア。内製化することで固定費化するコストをどれだけ効率的に店舗運営で吸収できるかが成否を分けるポイントになります。
 
おわり
 

市川 貴之

この記事を書いた人
市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル業界で働く人のよりどころに」をビジョンに掲げ、ブライダルコンサルティング、ブライダル業界専門の転職支援サービスを運営しています。お仕事の依頼は「お問合せ」、転職のご相談は「ブライダル専門の転職相談」からお受けしております。

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