結婚式はECで売れるのか?その可能性を考えてみた

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結婚式はECで売れるのか

今の結婚式は、メディアで情報を集めて、気に入った式場の見学予約をし、実際に来館して接客を受け、納得したら申し込む、と言う流れが一般的です。おそらく10年以上(もっとかな?)変わっていないフローでありこれに特に疑問を持つ人も少ないでしょう。一方、時代はすさまじいスピードで進化してきており、インターネットも一般化、スマホも普及したため、一般消費財だけではなく様々なものがオンラインで売買されるようになってきています。そこで、今回の記事では「結婚式はECで売れるのか」について考えてみました。具体的なノウハウと言うよりは完全に私見ブログですが、未来を考えるきっかけになったりすると嬉しいです。

この記事での「結婚式のEC」の定義

この記事で書く「結婚式のEC」についての定義は以下の通りです。

  • 結婚式:国内、リゾ婚という実施エリア、ご祝儀婚、会費婚、挙式のみなどのスタイル問わずすべての結婚式
  • EC販売:インターネット上で契約(申し込み)までを完了すること、申し込み後に来店して打合せを実施するかどうかは問わず
  • 売り方:自社のサイトを使う、既存のプラットフォームで販売するなど方法は問わず

つまり、インターネット上で結婚式の契約までを獲得できるかどうか、について考えてみます。

 

結婚式のEC事例

検討に入る前に、今時点の事例を挙げてみます(不足あれば教えてください)。

ワタベウェディングのECサイト

https://www.watabe-wedding.co.jp/easy/

ワタベウェディング_EC

リゾートウェディングのリーディングカンパニー、ワタベウェディングホームページ内にあるECページ。リゾ婚のプランが商品で、オンライン上で申し込みまででき、直近90日以内の結婚式限定で通常の単価より価格を抑えて販売しています。自社ですでに結婚式場運営事業を実施している会社が面を拡大するためのマーケティング施策の一つとして始めた(のだと思う)。

Choole

https://choole.jp/

choole_EC

ブライダルベンチャーのリクシィが運営する結婚式準備サイト。ビジネスモデル的に正確にはECとは呼ばないかもしれませんが、オンライン上で結婚式場やドレスなどのアイテムを自由に選べるので事例として挙げてみました。自社では結婚式場を運営しておらず、オンライン上で結婚式を販売し、提携している結婚式場やアイテム業者へつなげ、成功報酬型(または固定費)で売上となっている(と思う)。

TOKYO Wedding Online

https://tokyo-wedding.online/

TOKYOWEDDINGPNLINE_EC

株式会社KG情報が運営するフォトウェディングのECサイト。東京・横浜エリアのロケーションフォトやフォトウェディングプランが豊富に掲載されていて、オプションや日取りを設定するとオンライン上で申し込みまで完了できる。ちなみに、申込フォームは外部サイト(サンネット)になっています。

CORDY(コーディ)

http://www.hyperdrive.co.jp/wedding.html

株式会社ハイパードライブのECサイト。ウエディング版のamazonを目指している。具体的なプロダクトは2019年初旬にリリース予定なのでまだありません。

事例についてまとめ

結婚式の事例はほとんどありませんでした。。数年前にアマゾンでウエディングプランが売られていたことはありますが、今はないようです。ウエディングアイテムのECはそれなりの数見つかったのですが、結婚式そのものをオンラインで申し込む、というのはやはりまだ事例としてもほとんどないようです。

 

もし結婚式をECで売れるとしたら?事業者のメリット・デメリット

メリット

私が思うECで売れた時のメリットは以下の3つです。

  • 新規プランナーがいらなくなるので、販管費(営業にかかる人件費)を抑えられるので価格を安くできる
  • 事業拡大に必要な人的リソースを考慮しなくてよくなるので、スケールのハードルが低くなり事業展開スピードが上がる
  • 自社でECサイトごと運営できれば現在の媒体依存モデルから脱却できる

オンラインで結婚式の受注までを完結できるとしたら、一番大きいのは人件費の削減でしょう。今は新規と打合せの分業制を採用している企業の方が多いですから、極端な話ウエディングプランナーの人件費を半分にすることができます。また、それと同時に打合せのオンライン化(スカイプなどでリモートでも打合せができる環境を整える、など)もできれば、事業拡大におけるリソースの問題はすべて解決すると思います。また、ECサイトを自社で運営できればゼクシィやみんなのウェディングなどの媒体出稿メインの集客モデルから自社集客モデルに転換できることも大きなメリットとなるでしょう。ただし、結婚式場運営企業がEC運営をする場合は自社会場を販売することになるでしょうから、受注するための箱は必要になります。

デメリット

一方、もしECを実行していくとなると以下の点が課題になると思います。

  • 打合せの難易度が上がり、品質の担保が難しくなる
  • 在庫管理やECサイト運営など、ECに特化した専門知識やスキルを用意する必要がある
  • 社内調整がとても大変

対面型の接客に比べてユーザーとしては手軽に申し込みができるようになるため、いわゆる顧客の質は下がると思います。ある程度は慣れの問題として解決できそうな気もしますが、約款の説明やキャンセル料の規定をどうするかなども課題になりそうです。また、完全内製ではないにしろ、少なくとも自社でECサイト運営のイニチアシブを取ることは必要ですから、その専門知識やスキルを持った人材の確保、パフォーマンスを発揮できる環境の整備など、これまでのブライダル企業とは異なる環境をしっかり用意しなければいけません。それと合わせて、これまでの社員や社内風土との調整がとても大変になると思います。特にブライダル企業は想いをもってお仕事をされている方が多いですから、アレルギー反応を示す方も多いと思います。なぜやるのか、成功するとどうなるのか、など事業ビジョンをしっかりと語りつつ、制度や仕組みを調整していくことが必要になるでしょう。

結婚式のオンライン販売のメリット・デメリット

 

もし結婚式をオンラインで売るとしたら必要になること

ECのビジネスモデル上、基本的に必要なこと

ECサイトの基本導線は

  1. サイトに集客する
  2. 商品ページへ遷移させる
  3. カートに入れる
  4. コンバージョンする

となります。売物が消費財だろうと化粧品だろうと結婚式だろうと、この流れは変わりません。つまり、もしオンラインで売ろうとするのであれば、集客できて、サイト内を回遊して高い確率で商品ページへたどり着いて、気に入った商品を見つけてカートに入れやすくて、決済しやすいフォームになって入れば、理屈上は売れるはずです。

まず、サイトに集客するためには、SEOが最も重要となるでしょう。ウェブ広告を駆使して集めるという手法も取れなくはないですが、大手媒体と闘わなければいけないので損益分岐のCPAを考えるとそれだけで突き抜けるのは厳しいと思います。また、結婚式はリピートしないのでとりあえず囲い込んでCRM系の施策で顧客を育成する、という手法の効果が期待できないのも難しいところです。基本は豊富な商品量(ウエディングプラン)とSEO対策を施したしっかりとしたサイト構成、コンテンツ生成が重要になります。

商品ページへの遷移は、サイトが使いやすいことを前提として、売物となるウエディングプランを豊富にそろえておくことが必要ですし、常に更新されていることも重要となるでしょう。また、カート、購入も同様にサイトの使いやすさは必須です。

結婚式をECで売るときに必要になること

文化的に超えなければならない壁

基本的なECで成功するための必要なポイントを攻略したうえで、さらにブライダル業界独自の超えなければいけない壁もあると思います。

  • 結婚式場の実物を見ないで契約する
  • プランナーと会わずに契約する

スタンダードな結婚式探しと上の2点が大きく違うところであり、どんな会場なのか見てみないとわからなくて不安、どんな人と結婚式をつくっていくのかわからなくて不安、というユーザー心理を解決しなければいけません。これはなかなかハードルの高いことだと思います。

ただ異業種では、ライフネット生命が生命保険のインターネット販売を実現したり、これまで対面販売が一般的だったビジネスモデルのインターネットへの転換が起こっている事例もあるので、絶対に無理!ということでもないと思いますが、圧倒的に安い結婚式→しかもクオリティは変わらない→なぜならば余分な人件費を削減しているから→なぜこのサービスを立ち上げたかと言うと~、といった、創業ストーリーとともにブランディング活動も並行して行うことが必要になると思います。

 

今後、結婚式のECは広がっていくのか?

ここまで書いておいてこの結論を書くのもどうかと思うのですが、あまり積極的に取り組む人は出てこないんじゃないかなと思います。どの領域のプレーヤーがやるかにもよりますが、

  • 利益率が高くない
  • その割に工数大きいしこれまでのノウハウとは全く別のノウハウが必要
  • うまく認知されてもリピートしないので顧客が積みあがらずECの重要KPIであるリピート率が使えない
  • 結論、儲かりにくい

というネガティブ要素満載なので、難しいんじゃないかなと思います。

既存の結婚式場運営企業が新規事業として立ち上げるケース

この場合、販売商品となる結婚式場をすでに持っているので、オンラインの仕組みだけ作ればいいのが強みですが、既存事業との摩擦が起こるのは必至ですし、どうやってオンラインの仕組みを作るかによって成功/失敗が決まると思います。

ベンチャーなどの新興企業が立ち上げるケース

ネットに強い会社やすでにECの実績を持っているところがビジネスモデルごとブライダル業界にインストールするスタイルになり、オンラインの勝ち方を知っているのが強みになります。ただ、ネットは制圧できるかもしれませんが、リアルまだ考慮したオペレーションを作れるかどうか、法人開拓営業にパワーをかけられるかどうかが微妙なところで、そこまでのノウハウを持っている企業だと逆にブライダルに切り込んでくる理由があまりないと思います。

もし実現するとしたらどんなケース?

大手婚礼企業がECが強いのネットベンチャーを買収するか、ウエディングのリアルとECの作り方を知っている会社が熱意を持って攻めるか、のどちらかかなと思います。と言いながらあっさり切り替わるかもしれないですが…。

ただ、業界に対する世間の風当たりは年々強くなってきていますし、ユーザー間でよく言われる「中間マージンが入りまくっているから高い、ぼったくりだ!」みたいな意見を解決するために中間をすべて排除した結婚式の直取引ECサイトを作って従来価格の半分にしました!くらいまで謳えると一気に世論は味方につけそうですね。

 

まとめ

結婚式のECの可能性についてまとめました。後半は個人の意見として好きなこと書いてしまいましたが、難しいのは分かりつつEC販売がもっと一般化したほうが業界にとってもいいと思っています。選択肢が多い方がユーザーにとってはいいことですし、そこまでこだわらなくていいから安く簡単に済ませたいというニーズも一定ありますから、それに応えるためにも必要なのではないかなと思います。

 

おわり

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