更新日 2019年03月03日

得ナビウェディングの特徴とは?ビジネスモデルを図解してみた

得ナビウェディングのビジネスモデル図解サムネイル


事業のビジネスモデルを理解することは、その事業やサービスがなぜつくられたのか、どんなことを強みとしているのかを体系的に理解でき、事業開発や個人の知識習得でとても勉強になります。ブライダル業界の中でも様々な特徴的なサービスがあり、その仕組みや違いを知ることで見えてくることも多いと思います。そこで、今回は「お得な日を選ぶだけで結婚式が最大半額になる結婚式場探しサービス」の得ナビウェディングのビジネスモデルを図解してみました。

得ナビウェディングとは?

株式会社エスクリが運営する、お得な日を選ぶだけで結婚式が最大半額になるプロデュースサービスです。エスクリはこのサービス以外にも結婚式場を直接運営していますが、それらの会場だけではなく他社の会場も含めてプロデュースを行っています。シーズン、日柄、挙式時間、挙式までの期間、曜日、などの割引を併用することができ、結婚式自体のクオリティを落とすことなく(エスクリの結婚式クオリティと同じという意味)費用を抑えられることが特徴です。
得ナビウェディング

Webサイト http://toku-navi-wedding.jp/
運営会社 株式会社エスクリ

では、このサービスのビジネスモデルを図解してみます。
 

得ナビウェディングのビジネスモデル

得ナビウェディングのビジネスモデル図解v2
サービス開始以降、最大半額というコンセプトを武器に低価格ウェディングのプロデュースサービスを提供しています。スマ婚や楽婚のような派手なマス広告は実施していませんが、多くのプロデュースサービスが生まれては消えてきた中で今でも運営を続けているサービスです。
得ナビウェディングを運営しているエスクリは自社の結婚式場を運営しています。結婚式場の運営では会場の維持費は結婚式を受注しているかどうかに関わらず等しくかかりますし、人件費も同じです。そのため、人気のない日取りや時間帯の施行枠が受注できず固定費だけかかるので非常にもったいない状態であり、特に半年以内の直近の空き枠や仏滅、日曜日の午後の施行枠は人気がないので、どうやってその枠の受注を埋めるかはどの会社も共通の課題です。ただ、あからさまに低価格を謳ったプロモーションを実施してしまうと本来高単価で獲得できていたユーザー層の単価下落を誘発してしまうため、そのサジ加減が難しいところなのです。
そこで得ナビウェディングは、①通常の会場集客とは全くの別(のように見える)チャネルとしてサービスを開始し、②空き枠限定で圧倒的な低価格を実現する、という2つのスタイルで、

  • 結婚式場側の、空き枠を埋めて資産効率を高くしたいというニーズ
  • 新郎新婦側の、低価格で結婚式を挙げたいというニーズ

これらのニーズを解決する低価格でクオリティの高い結婚式を提供することを実現しました。もともと、結婚式の価格は、一般的にシーズンや日柄、曜日、時間帯などの人気によって変わるので(秋の気候のいいシーズンで3連休中日、午後で大安→人気なので価格が高い(値引きや特典はほぼつかない)、夏や冬の日曜日の午後、仏滅や赤口→人気がないので価格が安い(値引きや特典が大きい)、など)、自社で結婚式場を運営する会場であっても、この新規事業のコンセプトはなじみやすかったのかもしれません。
サービス立上げ時の背景は、運営する自社会場の施行枠稼働率を上げるための集客施策の1つとして始まったのかもしれませんが、今ではエスクリの会場以外にもプロデュースを提供しています。ただ、同じような業態の楽婚と比べると提携会場数まだまだ少なく、サービスの規模もおそらく小さいと思いますし、ここ2年~3年はサイトの更新なども止まっているように見えるので、今後どのように事業を展開していくのか気になるところです。
 

今後の展開の予想

最後に、これから先に得ナビウェディングがどのようになっていくのかについて予想してみます。
これから先の結婚式ニーズは年々縮小していきますが、費用に関する考え方は二極化していくのではないかと思います。高単価でもいいからこだわりたい層ととにかく低価格に挙げたい層です。どちらかといえば低価格希望層の割合はこれから増えていくと予想されるので、大きく今からマーケットシュリンクのあおりを受けるということはないかなと思います。
得ナビウェディングはウェディングプロデュース事業なので、基本的にお客様から頂く代金から提携先の会場やアイテム業者へフィーを支払った差額が利益になりますが、エスクリ運営会場での受注となる場合は売上がそのままグループとしてもらえることになります。そのため、エスクリ会場で受注する場合は、

  • 売上=施行組数×組単価
  • 施行組数=集客数×成約率

それ以外の会場で受注する場合は、

  • 売上=施行組数×組単価
  • 施行組数=集客数×成約率
  • 利益=組単価-提携会場への支払い(料率計算する場合が多い)

となっているはずです。自社or提携の割合は不明ですが、いずれにせよ、事業としての売上を伸ばすためには施行組数を増やすか、組単価を上げることが必要、施行組数を伸ばすためには集客数か成約率を伸ばすことが必要となります。さらに、利益を伸ばすなら会場への支払いを以下に抑えるか、提携業者と有利な契約を結べるか、がカギとなります。
組単価は低価格(というか値引きが大きいこと)をウリにしているのでそこまで高くしていくことはないでしょう。また、成約率はある程度成長してきた現在からさらに伸ばすのは難しいと思うので、現実的には「集客数をどこまで伸ばせるか」「原価率をどこまで押さえることができるのか(販促費かもしれませんが)」「グループ企業への送客率をどこまで高められるか」この3点がポイントになると思います。ただし、非グループ会場との契約内容や倫理的な部分から特別に自社にだけ送客するというのは考えにくいので、実質的には集客が最重要KPIとなると思います。
得ナビウェディングの集客の基本導線は

  • WEB上で集客→サイト来訪→来店予約/資料請求→サロン来店→成約

となっているはずです。入り口である「WEB上で集客」の主な手法は

  • マス広告→指名検索を増やす
  • SEO→流入を増やす
  • ウェブ広告(リスティングやSNS広告)→CVを獲得する
  • アフィリエイト広告
  • SNS運用→ファンを増やす→流入を増やす
  • 記事広告など→認知を広げる

などが挙げられます。サイト構成や埋め込まれているタグを見る限り、ウェブ広告に寄った集客を実行しているようで、SEOやSNSの施策を突き詰めて実行されている印象はあまりありません。現状でどれくらいの広告費を投下しているのかはわかりませんが、事業として土台をより強固にしていくのであればこれらの施策にも取り組むべきだと思います。
サービスリリース時と比べて〇〇婚や〇〇ウェディングなどの格安結婚式系サービスがかなり増えているので、単に安い!だけではなく他の〇〇婚系サービスとは異なるブランディングもしていけると、またもうひと伸びするんじゃないかなと思います。また基本的なウェブマーケティングにきっちり取り組むことも大事だと思います。
 

得ナビウェディングのビジネスモデルについてまとめ

得ナビウェディングのビジネスモデルについて、簡単にまとめました。格安結婚式のプロデュースサービスはかなり増えてきましたが、プロデュース一本でやっているサービスと比較すると自社会場への送客で稼ぐことができる、というのはマネタイズの選択肢が増えるので利益率的にはかなり見通しやすいはずです。直近2-3年は一時期の勢いは止まってきているようにも見えますが、今後新たにインパクトのある仕掛けをしてくるのか、楽しみです。
 

【参考書籍】

今回の記事で書いたビジネスモデルは「ビジネスモデル2.0図鑑」を参考にして作成しています。ビジネスモデルを体系的に理解するのでとても勉強になりますし、ブライダル業界以外の様々なサービスの仕組みや特徴を知ることができるのでオススメです。
ビジネスモデル2.0図鑑

市川 貴之

この記事を書いた人
市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル業界で働く人のよりどころに」をビジョンに掲げ、ブライダルコンサルティング、ブライダル業界専門の転職支援サービスを運営しています。お仕事の依頼は「お問合せ」、転職のご相談は「ブライダル専門の転職相談」からお受けしております。

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