更新日 2020年10月28日

【プレスリリース考察】ラポール・ジャパンが結婚式における延期・キャンセル料を無料に

ブライダル業界で出たプレスリリースについて、概要と考察をまとめてみよう、という趣旨の記事です。今回は、10/20に出た「ウエディング業界への挑戦状!結婚式における延期・キャンセル料を一切いただきません
~これからの時代も 結婚式をもっと前向きに~」のリリースについて、内容の紹介と考察をまとめました。

プレスリリースの概要

発信者 株式会社ラポール・ジャパン
配信日時 2020年10月20日 11時37分
URL https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000067998.html
タイトル ウエディング業界への挑戦状!結婚式における延期・キャンセル料を一切いただきません
~これからの時代も 結婚式をもっと前向きに~

新型コロナウイルスや天災等による結婚式への不安を解消するため、弊社RWEDDINGSは理由を問わず延期キャンセル料を一切いただかないことを発表致します。

新型コロナウイルスの拡大による緊急事態宣言により、多くの新郎新婦様が結婚式を諦めることになりました。緊急事態宣言が解除されてもいつまたこういう事態が起こるかわからないと結婚式を躊躇する方もいらっしゃいます。私たちは今まで3000組を超える結婚式をプロデュースしてきました。私たちは結婚式の素晴らしさを知っています。どうしたら結婚式を挙げたいと考えているカップルに前向きになっていただけるのか。私たちにできることはなんだろうか。消毒用アルコールを用意したり、マスクを着用したり、感染リスクを軽減するような結婚式の準備をするのは当たり前のことです。テレビやSNS等で、「結婚式のキャンセル料」が話題になっていました。新郎新婦にとってもやむを得ないキャンセルなのに、キャンセル料が発生することも、結婚式を不安に感じる要因のひとつだろうと考えました。そこでRWEDDINGSは今後、新型コロナウイルスのような感染症拡大や、地震や台風などの自然災害による結婚式の延期・キャンセルに関して、「一切のキャンセル料をいただきません。」私たちRWEDDINGにできることは本当に小さなことだけですが、このことで1組でも多くのカップルが結婚式に対して前向きになってくれることを願っています。

【新型コロナによるウエディング業界への影響】
・中止延期件数約17万組 日本ブライダル文化振興協会(20年3-9月)
・業界全体の損失約6000億円 日本ブライダル文化振興協会(20年4-6月)
・消費相談件数1681件  国民生活センター(20年1~4月)
※生活センターの相談内容としては、結婚式のキャンセル料や延期に関する相談が多い
1.結婚式場のキャンセルをしたいと申し出たところ、規約どおりのキャンセル料を請求された
2.〇ヶ月以内であれば無料で延期できると提案されたが日程が合わない
3.延期することに決めたが高額な追加料金がかかる

【 延期・キャンセル料無料が可能な理由 】

  1. 弊社と共にこの取り組みに対して賛同してくれるパートナー企業のサポート
  2. 人気の高いレストランや料亭で行うウエディング

1.弊社RWEDDINGSは、会場となるレストランやドレスショップやカメラマン、司会者など沢山のパートナー企業の皆様と共に結婚式を運営しています。この新たな取り組みにパートナー企業が共に同じ想いを持ち賛同してくれたことから実現可能となりました。
2.弊社RWEDDINGSは通常営業からお料理評価の高いレストランや料亭を中心に結婚式を運営しています。結婚式が万が一延期キャンセルになった場合も、通常営業で売り上げをカバーできるため実現可能となりました。

—ここまでリリースから抜粋—

会社概要については、詳しくはリリースをご覧ください。

 

ラポール・ジャパンの結婚式の延期・キャンセル料無料のリリースについて考察

と、上記のようなキャンペーンを実施します、というリリースですね。では、このリリースからどんなことが考えられるのか、まとめてみます。

無料化の概要と目的

なかなかチャレンジングなタイトルのリリースとなっていますが、感染症や天災が理由でのキャンセル・延期の場合はその料金を無料とする、というのが概要です。文中の表記を見ると自己都合でのキャンセルや延期は通常通りの請求となりそうですが、どのように判断するのか、その基準が気になるところです。天災の場合は分かりやすいですが、感染症の場合は新郎新婦が感染した以外に判断することが難しそうだなぁと思います。

目的は対顧客への真摯な姿勢をしめすこと、だと思います。リリースにも記載があるようにもともとレストランなどを運営しており仮に急なキャンセルになったとしても通常営業して売上がたつ見込みがあることがやはり大きいですね。専門式場だと難しいんじゃないかと思います。

キャンセル料・延期料の今後について考える

今年のコロナウイルス感染拡大を背景にブライダル業界でも大きな問題となった「キャンセルや延期料が高すぎる問題」ですが、そもそもなぜこんなに高いのかについては次の記事でまとめていますので参考にご覧ください。

そもそもの料金の高さに加えて、規約通りの請求の企業や特例対応する企業など各社で対応が分かれたことからSNSなどでも様々な意見や不満が飛び交いました。

こういった流れを受け、業界最王手のT&Gでは規約を変更したり、今回のリリースにもあるように通常とは異なる対応を表明したり、規約の透明化や顧客に寄り添った対応をする企業が増えてきています。

ただ、先ほどの記事でも書いたように「逸失利益」の影響が大きいので(特に専門式場のように結婚式場以外でのマネタイズが難しい施設では)、ではキャンセル料は取らないようにしましょう、という話にはならないと思います。。キャンセル料がなかったらその分を見越した高額の単価設定にするかが必要になるでしょう。

結婚式でしか稼げない結婚式場、という構造が根本的な課題なので、そこを解決するためにどうするか、もっと言えばアイテム提供業者までが傷を負わないスキームを考えなければいけないですね

 

ラポール・ジャパンの結婚式の延期・キャンセル料無料のリリースについてまとめ

こういったリリースも増えてきましたね。媒体でも約款やキャンセル料に関する規定を掲載するものも増えてきていますし、業界の透明性は高まっていくと思います。ただ、透明になったからといって式場側がその歪みを負うだけでは根本的な解決にはつながらないので、その方法も並行して考えていく必要があると思います。

市川 貴之

この記事を書いた人
市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル業界で働く人のよりどころに」をビジョンに掲げ、ブライダルコンサルティング、ブライダル業界専門の転職支援サービスを運営しています。お仕事の依頼は「お問合せ」、転職のご相談は「ブライダル専門の転職相談」からお受けしております。

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