更新日 2020年02月20日

【プレスリリース考察】リクシィが結婚式の規定・慣習に関する意識調査を実施

ブライダル業界で出たプレスリリースについて、概要と考察をまとめてみよう、という趣旨の記事です。今回は、2/13に出た「令和時代、世代を超え享受される「結婚式」の在り方」のリリースについて、内容の紹介と考察をまとめました。

プレスリリースの概要

発信者 株式会社リクシィ
配信日時 2020年2月13日 10時00分
URL https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000027297.html
タイトル 令和時代、世代を超え享受される「結婚式」の在り方

ドレス至上主義の式場探しをサポートするWebサービス“Choole(チュールウエディング)”と提案型の結婚式相談カウンター“gensen wedding(ゲンセンウエディング)”を運営する株式会社リクシィは、既婚の20~60代男女625名に対して結婚式の規定・慣習に関する意識調査を実施いたしました。
■調査結果サマリ
*結婚式の規定への違和感
1.   見積もりの割引率が人によって違う(67.4%)
2.   ウエディングプランナーなど担当を選ぶことが出来ない(55.5%)
3.   持ち込み制限がかかる(54.4%)
4.   当日契約を進める営業スタイル(45.1%)
*結婚式の慣習への違和感
1.   引き出物・引き菓子・鰹節を贈るべき(40%)
2.   異性の友人は招待すべきでない(36.2%)
3.   ケーキ入刀やブーケトスなどの演出を行うべき(30.1%)
4.   主賓挨拶は上司がすべき(26.7%)
5.   料理はフルコースにこだわるべき(24.5%)
6.   贈り物は奇数にこだわるべき(22.9%)
7.   新郎新婦の列席人数は数合わせをするべき(22.1%)
8.   女性の列席衣装は白を避けるべき(20.3%)
9.   会社関係の方が近く、家族が遠い席配置にすべき(19.6%)
10. ご祝儀は新札を用意すべき(13.7%)
11. 招待状はwebではなく紙にこだわるべき(16.6%)
12. 進行は挙式が先、披露宴が後の順番であるべき(10.8%)
■調査結果 / 結婚式の規定への違和感
・「ウエディングプランナーなど担当を選べない」ことに対して、全体のうち(n=625)ご結婚式を挙げた方(*以下アリ婚)、ご結婚式を挙げていない方(*以下ナシ婚)共に違和感を感じている傾向にあることが分かった。
またアリ婚層のうち、25歳〜34歳(*以下 F1層)、35歳〜49歳(*以下 F2層)、50歳〜(*以下 F3層)の全世代ともに79%以上が違和感があると回答している状況である。
・「人によって見積もりの割引率が違う」ことに対して、全体のうち(n=625)67.4%の方が違和感があると回答しており、全世代において最も違和感を感じる項目であることが分かった。
・「持ち込み制限」や「当日契約の営業スタイル」があることに対して、アリ婚層(n=483)において特に違和感が大きく感じられており、かつF1層よりもF2層、F3層においてより違和感があると回答している割合が高いことが分かった。
■調査結果 / 結婚式の慣習への違和感
・結婚式の慣習に対して、全体的にF1層の方が違和感があると回答する割合が少ない傾向にあることが分かった。
F2,3層と比べ、F1層の方が結婚式における知識量が少なく、必然的に「結婚式はこうあるべき」というイメージが定着化し、慣習に従わざるを得ないと考える方が一定数いるのではないかと考えられる。
・アリ婚層に比較し、ナシ婚層が慣習に対して違和感があると回答する割合が大きく、「結婚式をしない」という選択肢をとる際の理由に起因しているのではないかと考えられる。
今回のアンケート調査より、結婚式の規定に関して何らかの違和感があると回答した層は6割以上にのぼっていることが分かりました。
特に興味深いのはF1層よりもF2層、F3層の方が規定に対して違和感があると回答する割合が多い点にあり、従来「持ち込み制限」などの規定があることは比較的当たり前であった中で、時代変化とともに多様化する結婚式の在り方を各世代において柔軟に受け入れられるようになってきていると考えられます。
また従来より大切にされてきた結婚式の慣習においては、一見「何のため」に行うのか不透明なものが多い一方で実はゲストを大切にするからこその日本らしい「おもてなし」が詰まっているものが多数あり、それぞれに意義があるからこそ、伝承してきたものでもあります。
一方でそのような定番化した慣習を絶対的に選択しなくてはいけない時代は終わりを告げ、無意識的にそうしなければならないと考える必要はなくなってきているのではないでしょうか。
また、今回の調査において結婚式をしていない、ナシ婚層の方々においては、結婚式の慣習に対して違和感を感じている方の割合が大きく、画一的な結婚式のしきたりがナシ婚という選択肢に一定数のインパクトを与えていると考えられます。
結婚式の規定として当然になっている、「持ち込み制限」や「費用の不透明感」に対してユーザーの違和感は非常に大きく、画一的なイメージを作ってしまう結婚式の慣習に関してもより自由で透明感ある対応が、結婚式場には求められる時代に入ったと言えるでしょう。
▼アンケート調査概要   
1. 調査対象: 20-60代男女の既婚者
2. 調査方法: インターネットリサーチ
3. 調査期間: 2019年12月12日〜2019年12月18日
4. 有効回答者数:625名
5. 回答者の属性:【性別】男性:49%、女性:51%、【年代】20代:21%、30代:21%、40代19%、50代18%、60代19%
—ここまでリリースから抜粋—
会社概要については、詳しくはリリースをご覧ください。
 

リクシィが結婚式の規定・慣習に関する意識調査を実施のリリースについて考察

と、上記のような調査結果を公開しました、というリリースですね。では、この調査結果からどんなことが考えられるのか、個人的な考えをまとめてみます。

1.見積もりの割引率が人によって違う

結婚式の場合、申込条件時の条件が人によって違うので見積りの割引率が人によって違うこと自体が悪だとは思いません。旅行とか飛行機とかホテルの予約金額も同じですよね、いつ予約するか、どの内容で予約するかによって金額が違うのは別に悪いことだとは感じしないですね。
ただ、旅行であればスケジュール表(色分けされていて、この日だといくら、みたいなやつ)が公開されていますし、飛行機も宿泊も予約サイトで金額が明記されていますが、結婚式場の場合はプライスリストやディスカウントテーブルが世の中に公開されることはないので、申し込んでも自分が得してるのか損してるのかわからないのは課題だと思います。不透明なんですよね…。
それと、これは営業戦術上仕方ないことですが、会場を気に入ってくれたお客様ほど割引率が低くなる(相対的に損をしている)というのも課題かなぁと思います。内覧後に会場が抜けた人は見積りで値引きをたくさんつけなくても成約してくれるからですね。むしろ会場が響かなかった人、他の会場と比較してくる人の方が値引き使ってでも成約にしよってマインドが働きやすく結果的に値引きが増えることが構造的な課題だと思います。

2.ウエディングプランナーなど担当を選ぶことが出来ない

個人的にはこっちの方が課題な気はしますね。いや、フリープランナーに最初から頼めばいいという選択肢があるので選べないことはないんですが、ほとんどの会場では自分で選ぶことはできないでしょう。
ユーザーにとってプランナーが選べるようになるメリットはたくさんあるのですが、結婚式場側からすると、人の稼働の平準化が図れない、情報を公開するとストーカーなどが出てくるリスクがある(女性が多いので)、店舗間異動させにくいなどほぼデメリットしかありません。さすがに指名料を取るわけにもいかないですし。
もしこれを解決しようと思ったら、結婚式場とプランナーが別の組織に所属することが必須だと思います。今のように結婚式場とプランナーが同じ組織に所属してワンパッケージになっているうちは実現しないでしょう。
ちなみに、弊社で人材紹介事業も運営しているのですが、この課題と同様に「求職者がキャリアアドバイザーを選ぶことができない」というのが若干課題になっているような気もするので、ビジネスモデルとユーザーベネフィットの最適解を探している最中です。

3.持ち込み制限がかかる

持ち込むアイテムによるかなー、という感じです。例えば食材などは衛生面での問題もあるので持込不可とするのは致し方ないかなと。
ただ、その他の持ち込むことに致命的なリスクがないアイテムの場合は、近い将来事業者間の自由競争になっていき、結婚式場が持込みを拒む理由はがなくなっていくんじゃないかな、と。機能の分散化(内製化の逆の流れ)が起こると思っています。

4.当日契約を進める営業スタイル

初回来館した当日に契約してもらうこと自体が悪だとは思いません。契約までに何回も来てもらう方が新郎新婦にとっても負担になりますし、プランナー業務の生産性が上がらないから給与が上がらない一因になるので、むしろ当日契約を進める営業スタイルの方がいいと思っています。
ただ、来館してからの3時間で0の状態(何も知らない)から100(契約)までを一気に進めようとするから悪になるんじゃないですかね、とは思っています。基本的に来館前って検討時期や人数、予算目安、当日の来館者などを電話で聞いて、あとは前日にリマインド電話かけるくらいで何もしていないですよね?
そこがもったいないなと思っていて、例えば来館後のアンケート回答やヒアリング、新郎新婦の疑問質問への回答、見積りの提示なんかは来館前にやってしまえばいいと思うんですよね。今はベルフェイスなどのオンライン営業ツールも充実していますし(もし検討されている方がいれば連絡ください、紹介します)、直接会わなくてもできることはたくさんあります。来館しないとできないのは「会場の確認」だけです。だから、来館は会場の最終確認だけをしてそのまま申込へ、それ以外の要素はすべて来館前オンラインで、とすれば当日契約進める営業スタイルでも違和感を感じる人は少なくなるんじゃないかなぁと思います。この辺は長くなりそうなのでまた別記事で。
 

リクシィが結婚式の規定・慣習に関する意識調査を実施のリリースについてまとめ

こういったリリースってけっこう好きなんですよね。今のウェディング業界はこんなところがダメだ、これは誰でも言えるので、ではどうしたらいいか?まで考えていけるようになりたいと思います。
 
おわり
 

市川 貴之

この記事を書いた人
市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル業界で働く人のよりどころに」をビジョンに掲げ、ブライダルコンサルティング、ブライダル業界専門の転職支援サービスを運営しています。お仕事の依頼は「お問合せ」、転職のご相談は「ブライダル専門の転職相談」からお受けしております。

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