
ブライダル業界で出たプレスリリースについて、概要と考察をまとめてみよう、という趣旨の記事です。今回は、6/11に出た「花嫁クチコミコミュニティのmaricuru、式場選びに関する調査〜結婚式準備の実態〜」のリリースについて、内容の紹介と考察をまとめました。
プレスリリースの概要
発信者 | 株式会社maricuru |
配信日時 | 2019年6月11日 10時29分 |
URL | https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000038450.html |
タイトル | 花嫁クチコミコミュニティのmaricuru、式場選びに関する調査〜結婚式準備の実態〜 |
日本最大級の花嫁クチコミコミュニティ「maricuru」を運営する株式会社maricuruは、イマドキ花嫁の結婚式準備の実態を把握するため、maricuruアプリ利用ユーザーに対し、「挙式・披露宴会場選び」に関するアンケート調査を実施しました。その結果、SNSで式場選びをする花嫁が増加、従来の結婚情報誌や結婚情報サイト以外での新たな式場選び傾向があることが分かりました。
詳細な調査結果についてはリリースをご覧ください。以下、概要だけ簡単にまとめます。
花嫁の結婚式に関する情報取得手段、SNS利用が急激増加
「式場・披露宴会場を検討する際に利用した情報源」として、これまで一般的とされていなかった『SNS(Instagramなど) 』、『式場・披露宴会場の公式ホームページ』、『ブライダルイベント(結婚式場)』を活用している人たちが一定層いるという結果となった。
① 一番最初に触れた結婚式情報にSNS経由が約2割
約2割の方が結婚が決まってから一番最初に結婚式に関する情報収集をSNSで行っているとうことがわかった。
② 式場見学・ブライダルフェアに参加のきっかけとなる情報源
式場見学・ブライダルフェアなどの具体的なアクションにつながるためのきっかけは、式場・披露宴会場の公式ホームページが41%、そこに次いでSNS (Instagramなど)経由が30%を占めている。
③ 最終的な会場決定の参考元
『SNS(Instagramなど) 38%』、『式場・披露宴会場の公式ホームページ 49%』。約4割がSNS経由、約半数が式場のオリジナル公式サイトでの式場決定となっています。
花嫁が結婚式場選びにSNSを利用する理由
- 裏表がないクチコミを見ることができるから。
- 実際の花嫁さんのレポートを見ることで、広告的なものよりもイメージがしやすいから。
- モデルさんの写真よりも、一般の人の写真のほうがイメージがしやすいから。
- SNSを日常で使っているので、手軽に調べられるから。
- ハッシュタグによって、その時知りたいものをピンポイントで調べることができるから。
- リアルな写真を見ることができるから。
- おしゃれな花嫁さんが多く、参考になるから。
- トレンドがわかるから。
まとめ
SNSの普及に伴い、結婚式に関する情報取得を行う人が一般的になってきました。Instagramのハッシュタグ経由などから、等身大の花嫁さんのリアルなクチコミ・写真を気軽に検索していると言えます。
花嫁たちのSNS利用者拡大の一方、その花嫁たちにリーチしたいと考える結婚式場側もキャンペーンの告知や広報の場をSNSへと広げ、式場見学やブライダルフェアへ足を運ばせる動きが活発化しています。今後は、ウェディング業界において、従来の広告経由での成約獲得ではなくSNSを活用した集客術が広がってくることが見込まれます。
maricuruの調査のリリースについて考察
と、上記のような調査結果となりました、というリリースですね。では、このリリースからどんなことが考えられるのか、まとめてみます。
ユーザーのSNS活用率
今回の調査結果から、
- 結婚式場探しはじめ
- ブライダルフェアや見学予約のきっかけ
- 会場を決めるきっかけ
いずれのフェーズにおいてもインスタグラムなどのSNSは重要な役割を担っていることがわかります。Gaiaxの記事によると、インスタグラムの月間アクティブユーザー数は3,300万人、月間アクティブ率は84.7%といずれもFacebookを上回っており、社会全体でも同じように活用されていると言えるでしょう。
結婚式場として何をすべきか
正直なところ、私はSNSを使ったマーケティングが詳しくなく実践経験値としてはほぼないので(だから勉強しなければいけないのですが…)偉そうに書けるわけでもないのですが、もし自分がこの状況の結婚式場集客担当者だとしたら、どう考えて何をしたらするかを考えてみます。
インスタグラムに限らずSNSを使って集客する際の基本導線は、
- SNSでユーザーの囲い込み(フォロワーの獲得)→自社サイトへのリンク・誘導→自社サイトでのCV獲得
と考えるでしょう。自社会場のアカウントを作成・更新して地道にフォロワーを増やし、嫌がられない程度に営業投稿を入れていく、という感じです。これも必要ですし、やれば効果出ると思いますが、最近のSNSの使われ方を見てるとこの方法に限定されるものではなく、より幅広く使って認知獲得からCVまで活用できているように思います。
が、可能性はありそうだ、ということは頭では理解しても、どうしてもここから先がわからないので、僕(34歳、男性、プライベートでもインスタやってない)なら、社内のインスタガチ勢を見つけて担当に任命するか、その道の専門家に頼みますね。あと、誰かを信頼して担当を任せて運用なり施策を開始したら、たとえ自分が部長とかであっても、日常的に使っている人の判断を尊重することが重要かなと思います。どうしても自分の感覚と違うと口出してしまいそうなのですが、ブライダルについては自分の方が詳しくてもインスタグラムは自分より詳しい人が山ほどいることを自覚して文字通り任せることが大切かなと。
意外と多い公式HPを見る層
今回のリリースで主に言いたいことは「SNS使っている人こんなに増えているよ!」だと思うのですが、リリースを細かく見ていくと、式場の公式ホームページを見ている人がこんなに多いのかとびっくりしました。
- 式場検討の際に利用した情報源:65%が公式HPを利用
- 式場見学・ブライダルフェアに参加のきっかけとなる情報源:41%が公式HPを利用
- 最終的な会場決定の参考元:49%が公式HPを利用
多くないですか?個人的にはむしろこちらの数字の高さの方が驚きました。たぶん、これ過去数年と比べても増えていると思うのですが、
- これまでの導線:まずゼクシィなどの媒体を見る→会場名を知る→そのまま予約
- 今の導線:SNSきっかけで会場名を知る→公式ホームページで詳細確認
この導線変化が起こっているからじゃないかなと思います。ブライダル媒体で会場探しをする場合、雑誌にしろウェブにしろ、媒体内の式場情報が充実しているのでそれ以上改めて公式ホームページを見て確認することはありません。他の業界で言うなら「レストラン探しから予約までぐるなびで完結」と同じようなものです。
一方、SNSから式場探しを始める人の場合、SNSでわかる会場の情報は写真にしろそれ以外の情報にしろ断片的なので、それでは足りない分の情報を公式ページに確認に行っている、という行動導線なのでしょう。となると、SNS経由、またはSNS→Organic指名検索の流入が多い公式ホームページであれば、できるだけページ内の情報を充実させ、ユーザーが欲しい情報にアクセスしやすい構造を用意しておくことが必要になるでしょう。
maricuruの調査リリースについてまとめ
調査結果から考察までを簡単にまとめました。SNSマーケティングは素人同然で何も書けなくて申し訳ないですが、公式ホームページの位置づけと期待役割が変化してきていることについて考えるきっかけになったいいリリースでした。SNSは活用が難しくこれをやったら成功する!といったSEO的な必勝パターンがなく難しいのですが、試行錯誤しつつ取り組んでいってみてくださいね。
おわり