
ブライダル業界で出たプレスリリースについて、概要と考察をまとめてみよう、という趣旨の記事です。今回は、11/20に出た「エスクリ フォトウエディング「LUMINOUS」と業務提携 ~withコロナ時代のウエディングスタイルを強化~」のリリースについて、内容の紹介と考察をまとめました。
プレスリリースの概要
発信者 | 株式会社エスクリ |
配信日時 | 2020年11月20日 11時30分 |
URL | https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000103.000025398.html |
タイトル | エスクリ フォトウエディング「LUMINOUS」と業務提携 ~withコロナ時代のウエディングスタイルを強化~ |
挙式・披露宴の企画・運営を主たる事業として展開する株式会社エスクリは、ウエディングフォトスタジオを運営するタメニーアートワークス株式会社のフォトウエディングブランド「LUMINOUS(ルミナス)」と業務提携契約を締結したことをお知らせいたします。
- 業務提携の背景
当社グループは、施設のスタイルにこだわらず、東京23区および政令指定都市を中心とした利便性の高い場所で挙式披露宴施設を展開しております。また当社とともに、地方などの新たな地域でブライダル事業を運営する株式会社エスクリマネジメントパートナーズ、並びに店舗・オフィスの設計施工、オーダーメイドの建築用コンテナの企画・販売・施工、世界各地の建材・古材の販売など建築不動産に関するソリューションを提供し、またグループ内施設の内装工事、施設管理を担う株式会社渋谷を主軸としてグループ経営を推進する体制を強化し、連結業績の最大化に向け継続して取り組んでおります。
2020年3月以降、新型コロナウイルスの感染リスクを考慮し、非常に多くのカップルが結婚式を延期・中止することになりました。一方で、現在結婚式の代替案として、フォトウエディングを検討される新郎新婦様が増えています。TAWのお台場スタジオでも、フォトウエディングを希望される新郎新婦様が増え、9月の問い合わせ数は前年比221%となり、フォトウエディングがwithコロナ時代の結婚式スタイルとして注目を集めています。
TAWは結婚式という特別な体験を、写真を通して残すことをコンセプトに、結婚式同様の満足感、高揚感を体験できるフォトウエディング「LUMINOUS」を展開しています。
結婚式場を全国展開するエスクリと「LUMINOUS」を展開するTAWとが、コロナ禍においても、せめて結婚の記念に写真を残したい、結婚式のような写真を撮りたい、体験がしたい、という新郎新婦様の期待に応えるべく協議した結果、業務提携が締結されました。
- 業務提携の内容
本格的なチャペルや華麗な結婚式場でロケーション撮影を行うサービス「LUMINOUS La Maison(ルミナス ラ・メゾン)」の撮影会場に、この度の業務提携により、エスクリのチャペルや会場が加わります。
- 業務提携のメリット
本提携により、エスクリとしては、平常時からの懸案だった、施設の非稼働時間帯の有効活用が可能となり、売上・利益において、改善効果が期待できます。また、フォトウエディングは結婚式と比べると、新郎新婦様の意思決定から実行までのリードタイムが短く、そうした意味でも、直近の非稼働時間の有効活用につながると判断しました。その結果、減少し続ける婚礼のマーケットにおいて、新たな収益を得ることが実現できます。
また、TAWとしては、これまで、首都圏のみで提供していたロケーション撮影のルミナス ラ・メゾンを、一気に全国に展開することが可能となります。
- 今後の見通し
今後は、全国でのロケーション撮影の展開を加速し、結婚式を挙げなくても、格式の高い、優雅で特別な空間で、 新郎新婦の想いをカタチに残すことを目指します。
また、本提携をベースに、今後は、様々な分野において協議連携して、新郎新婦にお喜びいただけるサービス開発も行ってまいります。
—ここまでリリースから抜粋—
会社概要については、詳しくはリリースをご覧ください。
エスクリとフォトウエディング「LUMINOUS」の業務提携のリリースについて考察
と、上記のようなキャンペーンを実施します、というリリースですね。では、このリリースからどんなことが考えられるのか、まとめてみます。
業務提携の概要と目的
タメニーアートワークス(TAW)が運営するフォトウェディングブランド「LUMINOUS(ルミナス)」の撮影会場にエスクリの会場が加わる、という内容。おそらくエスクリの会場で撮影をした場合にフィーがエスクリに入るというスキームだろうと思います。
エスクリ側の狙いは空き枠の稼働。特に平日はほとんど空いているでしょうし、土日祝日でも会場によっては稼働率は高くはないのだと思います(特に最近は)。その場合、何もなくても家賃や人件費はかかってしまうので、少しでも稼働を埋めて売上や利益を確保したいというのが狙いでしょう。
一方でTAW側の狙いは商品力の強化が狙いで、提供できる撮影場所を増やすことで集客や成約率を強化していくことを目指していると思います。
ブランド影響力の変化
今回の提携は「フォトブランド」の提供場所の中に「結婚式場」が加わる、という内容です。つまり、世の中に出るのはフォトブランドが前面になります。これって今まであまりなかったスキームの提携だと思うんですよね。
これまでの日本の結婚式は結婚式場から選ぶことがスタンダードだったので業界内の力関係も「結婚式場が上」というのが暗黙の了解になっていたと思います。それが昨今のニーズの変化や多様なサービス事業者が出てきたことで少しずつですが変わってきたように感じています。
業界全体でみれば供給過多の状態はしばらく続くので「集客できるサービス(企業)が偉い」という状況が変わることはなさそうですが、集客できるのが式場からサービスブランドに変わっていくのだろうと思います。
エスクリとフォトウエディング「LUMINOUS」の業務提携のリリースについてまとめ
けっこう大手どうしの業務提携だったので意外でした。現時点だとラヴィファクトリーやデコルテのほうが規模的には大きいかなぁとは思いますが、今後フォトウェディングの勢力図も変わっていきそうですね。