更新日 2020年05月28日

【プレスリリース考察】CRAZYがオンライン結婚式サービス「Congrats」β版を30組に提供

ブライダル業界で出たプレスリリースについて、概要と考察をまとめてみよう、という趣旨の記事です。今回は、5/20に出た「CRAZY WEDDINGが結婚式のあたらしい選択肢を開発オンライン結婚式サービス「Congrats」β版として、限定30組に提供」のリリースについて、内容の紹介と考察をまとめました。

プレスリリースの概要

発信者 CRAZY WEDDING
配信日時 2020年5月20日 11時00分
URL https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000030858.html
タイトル CRAZY WEDDINGが結婚式のあたらしい選択肢を開発オンライン結婚式サービス「Congrats」β版として、限定30組に提供

株式会社CRAZYは、結婚式に投資する時間やお金を減らしながらも、記憶に残るお祝いの機会を提供するオンライン結婚式サービス「Congrats」のβ版を、2020年5月20日(水)から2020年6月30日(火)までの期間中、30組限定で下記のとおりサービス提供いたします。
■ 新サービス「Congrats」β版とは
最短3日間で基本料金0円* から結婚式を挙げられるオンライン結婚式サービスです。8年間で、1,400組以上の完全オーダーメイドウェディングをプロデュースしたノウハウが詰まったガイダンス資料を無料で提供いたします。そのため、結婚式に投資する時間やお金を減らしながらも、新郎新婦とゲストの関係性がさらに深まり、記憶に残るお祝いを行うことができます。
基本料金0円* で結婚式を挙げられるスタンダードプランでは、システム上で全てのサービスを提供いたしますが、β版では担当のコーディネーターがご質問に応じてメールでご対応いたします。
* :別途、お祝い金から決済手数料の10%を差し引かせていただきます。
■ 新サービスの背景
新型コロナウイルスの影響により、これまで対面で実施することに価値をおいてきた結婚式を延期せざるを得ない状況が続いております。そのような状況の中、私たちは何ができるかと考えた際に、これまでの結婚式のあり方について振り返り、結婚式の本来あるべき姿や、お客様にとって本当に必要なものは何かを見つめ直すことができました。
当社は2018年11月22日から11月23日に、「#結婚式に自由を」というTwitter上のハッシュタグを通して10,000ツイートを超える世の中の結婚式に対する声を集めました。Twitter上には、「結婚式を行いたいが、百万円単位でコストがかかる」、「しきたりにより必要以上に準備に時間がかかる」という新郎新婦の声や、「ふたりをお祝いしたいが、ご祝儀として3万円かかることは正直負担」というゲストの声があがりました。
このように、従来の結婚式では、新郎新婦の希望を叶えるために新郎新婦、参加するゲストの時間とお金の投資が必要でした。当社としてもCRAZY WEDDINGというブランドを通して、時間とお金を投資して、新郎新婦の人生を表現する結婚式をつくることに挑戦してきました。当然ですが、当社がサービスを提供しているような、しっかり時間とお金を投資するサービスを求めているお客様も、多数いらっしゃいます。
「#結婚式に自由を」をはじめ、世の中の結婚式に対する声に向き合ってきた私たちが、今できることは「時間やお金を必要以上に投資せずとも、新郎新婦、ゲストの記憶に残る結婚式を実現すること」だと考えました。そのため、全ての準備がオンライン上で完結できるあたらしい結婚式の選択肢「Congrats」を、無料で誰でも簡単にネットショップが開設できるサービス「BASE(ベイス)」のサポートによりオープンいたしました。
■ 新サービスの特徴
1)最短3日間で、基本料金0円*から結婚式を挙げられる
通常では結婚式場選びから結婚式当日まで、半年以上の時間がかかります。「Congrats」のスタンダードプランでは、大変そうと思われる結婚式の準備を全て無くし、ネット環境さえあれば最短3日間で結婚式当日を迎えることができます。申込金や、持ち込み料金等はいただかないため、基本料金0円*から結婚式を挙げることができます。
* :別途、お祝い金から決済手数料の10%を差し引かせていただきます。
2)オリジナルの結婚式専用チケットサイトが最短1日で完成
結婚式専用チケットサイトとは、ご祝儀の代わりに新郎新婦が設定したお祝い金を決済できる専用サイトです。サイトをゲストに共有いただくだけで、結婚式の案内はもちろん、新郎新婦のプロフィールの紹介、お祝い金の決済まで完結することができます。
また、サイトの準備に時間はかかりません。15分の登録手続きだけで、最短1日で新郎新婦オリジナルの結婚式専用チケットサイトがお手元に届きます。
3)ゲストも参加しやすいメリットがたくさん
これまではゲストが結婚式に参加するまでに、ピン札・ご祝儀袋のご用意、ヘアセットのご予約、結婚式場への移動等、様々な準備が必要でした。「Congrats」では、必要以上の時間とお金の投資を減らし、ゲストが心から結婚式を楽しめる仕組みを開発いたしました。ご祝儀制は廃止し、新郎新婦が設定した参加費を簡単にネット決済することができます。またオンライン上で結婚式を実施するため、移動に関わる時間や費用は必要ございません。お子様がいらっしゃる方や、お身体が不自由な方でもご自宅からご参加いただくことができます。
4)記憶に残る時間をゲストと一緒につくることができる
お申し込み後、無料のオンラインガイダンス、ガイダンス資料を通して、全ての準備方法をお伝えいたします。ガイダンス資料には、8年間で完全オーダーメイドの結婚式を1,400組以上のお客様へ届けてきたからこそお伝えできる、準備でつまずくポイントや、おすすめの進行、実際のオンライン上でゲストとお話する際のポイントなどを記載しています。そのため、ガイダンス資料を確認するだけで、結婚式当日にはゲストに届けたい想いを伝えることができます。また、新郎新婦の時間とお金の投資を減らすだけでなく、こだわりたいことが実現できる様々な選べるオプションをご用意しています。
■ サービスの基本フロー
1)お申込み・結婚式専用チケットサイトの自動開設
お申し込み後、新郎新婦オリジナルの結婚式専用チケットサイトが自動作成され、新郎新婦の手元へお届けいたします。
2)プランとオプションの選択
無料のオンラインガイダンスにて、スタッフが準備から当日の流れを細かくお伝えいたします。またプラン、オプションの詳細をお伝えいたしますので、新郎新婦のご希望に合わせて選択いただくことができます。
3)結婚式専用チケットサイトの準備
プランの内容に合わせて結婚式専用チケットサイトの編集を行っていただきます。
4)ゲストにサイトを公開
普段ご利用されているコミュニケーションツールにて、ご自身でゲストに結婚式専用チケットサイトをお送りし、ゲストを招待していただきます。ご案内方法は、無料でお渡しするガイダンス資料に記載しておりますのでスムーズに実施いただけます。
5)結婚式当日
ガイダンス資料の案内に沿ってご準備いただき、ZOOMなどの配信ツールを利用し配信いただきます。(スタジオプランの場合はスタッフが行います。)
挙式をはじめ、どのような進行を実施するかはプラン・オプションの選択をいただく際に事例の中から自由にお選びいただけます。
<結婚式当日の事例>
「これまでの人生に関わってきた人に感謝を伝えたい」というご希望をお持ちのお客様の場合
家族・友人・会社の同僚等にコミュニティを分けて、30分ごとに食事会を行う時間を提供いたしました。また食事は、「IWAIのお祝いごはん便」という当社の商品をご利用いただき、コース料理をゲストの自宅に送り、同じ料理を囲みながら会話をお楽しみいただきました。
6)お祝い金の受け取り
結婚式後は、結婚式専用チケットサイトにてゲストが購入されたチケットの金額分をお受け取りいただきます。
※別途、お祝い金から決済手数料の10%を差し引かせていただきます。
■ プラン詳細
1)スタンダードプラン
オンラインウエディングのノウハウが詰まったガイダンス資料に沿って、自由に結婚式をつくっていただけるサービスです。自分たちでつくり上げてみたい。できるかぎり出費を抑えたい、という方におすすめのプランです。β版では担当のコーディネーターがご質問に応じてメールにてご対応いたします。
基本料金:0円
※別途、お祝い金から決済手数料の10%を差し引かせていただきます。
【プランに含まれる内容】
・結婚式専用チケットサイトの制作
・準備から結婚式当日までのガイダンス資料
・メール上での相談サービス(β版限定)
※結婚式当日のプロデューサーの立ち会いは含まないプランとなります。
※β版ではガイダンス資料をExcel及び、Google Spreadsheetにてお渡しいたします。
2)プロデュースプラン
オーダーメイドウエディングをつくってきたCRAZY WEDDINGのプロデューサーが新郎新婦のご希望を伺いながら、ご準備をサポートさせていただくプランです。
基本料金:11万円(税込)
※別途、お祝い金から決済手数料の10%を差し引かせていただきます。
【プランに含まれる内容】
・「スタンダードプラン」に含まれる内容
・新郎新婦のご希望をお伺いし、アドバイスを行う面会1回
※結婚式当日のプロデューサーの立ち会いは含まないプランとなります。
3)スタジオプラン
プロデューサーによる結婚式当日の運営サポート、配信機材、場所の提供が全て含まれたプランです。
基本料金:38万5千円(税込)
※別途、お祝い金から決済手数料の10%を差し引かせていただきます。
【プランに含まれる内容】
・「プロデュースプラン」に含まれる内容
・配信機材、配信チームの手配
・結婚式当日の運営サポート
・配信会場の利用
(場所は「IWAI OMOTESANDO アニバーサリールーム」となります。)
■ β版提供期間
予約開始:2020年5月20日(水)
提供期間:2020年5月23日(土)から2020年6月30日(火)
※スタンダードプランはご予約から最短3日後、プロデュースプラン、スタジオプランはご予約から最短で約3週間後に実施が可能です。
■ β版提供組数
先着30組
■ 公式サイト
https://congrats.crazy.co.jp
—ここまでリリースから抜粋—
会社概要については、詳しくはリリースをご覧ください。
 

CRAZYのオンライン結婚式サービス「Congrats」のリリースについて考察

と、上記のようなサービスをスタートします、というリリースですね。では、このリリースからどんなことが考えられるのか、まとめてみます。

Congratsの概要と目的

おおまかなサービス概要や背景はリリースに詳しく書かれているのでそちらを読んでもらうのが早いかと思います。最初パッと読んだときは「お祝い金」とあったので、この短期間で投げ銭機能実装したのかすごいな、と思ったのですが、お金の流れとしては「オンライン結婚式参加チケットを販売する」というECと同じ仕組みなんですね。おそらくですがお金の流れは

  • お客様から申し込み
  • CRAZY側でそのお客様専用のウェディングサイトをBASEで立上げ
  • お客様が自分で決めた金額のウェディング参加チケットを商品登録
  • ゲストがそれを購入し、BASEの手数料(決済手数料3.6%+40円、サービス利用料3%)を差し引いた金額がCRAZYに入金
  • 手数料を差し引いた分を「お祝い金」としてお客様に送金

こんな感じでしょうか。
Congratsの手数料が10%とあるので、スタンダードプランの実質的なCRAZYの売上は「ゲストからのお祝い金額合計×3.4%-40円」となるのだと思います(3.4%は10%-3.6%-3%、で計算)。例えば100名参加、5,000円のお祝い金設定のスタンダードプランを実施した場合、100名×5,000円×3.4%-40円=16,960円、となります。スタンダードプランとて完全に無人というわけではないでしょうから、現実的に事業として成り立たせるのは難しいのではないかと思います…。となると、一定割合でプロデュースプランとスタジオプランを受注し、そこで売上のアップサイドを取っていくのがスケールさせる方法となるのでしょう。
と、少し斜めな見方をしましたが、今回のリリースではβ版と明記していますので、このプライスや提供サービス内容のまま進めるかどうかを判断するテストマーケティング的な意味合いの方が強いのかなと思います。自社でサービスサイトを作るわけではないので、大きな初期コストもかからないですし、小さく始めてユーザーの反応をまずは見て、次のプロダクト改善を高速で進めていくのではないかと思います。

オンラインウェディングサービスの違いと強み

この1週間だけでオンラインウェディングに関するリリースが4本出ているように、続々とサービスリリースされています。この記事を書いている時点では「リアルな結婚式かオンラインか」という軸で語られることが多いですが、今後はどのオンラインサービスがよいか、というように変わっていくと思います。
その際の比較検討軸は、価格、ブランド、プロダクト、などかなと思っていて、Congratsで言えばブランドが強みとなるでしょう。お祝い金のシステムは斬新ではあるもののBASEを使っているので言ってしまえばどの事業者でもできます。数あるオンラインウェディングサービスの中でCongratsだから作れる価値で言えば、これまでのCRAZY WEDDINGで培ってきたノウハウを活用していること=ブランド、となると思うからです。
また、個人的に今回のCRAZYやHAKUなどオフラインプロデュース企業がオンラインも実施する、となった場合の社内認識ってどうなるんだろうなというのは興味あるところです。対お客様の観点で言えば「多様化していくお客様ニーズに対して自分たちだから作れる価値を提供する」という点でコンセンサスは取りやすいと思うものの、実際に事業化するとなるとプロダクト開発に必要な技術やビジネスとしての利益率の違いが事業運営に大きく影響しそうだなと思っています。

  • ブランド指名して来てくれた人に利益率の違うオンライン/オフラインどちらを提案するか?=事業ごとのカニバリ
  • 社内リソースをどちらの事業にどのようにアサインすることが最適と考えるか?=組織設計
  • 中長期的な投資をどういった配分で行うか?=事業戦略(オンラインを作りこむならそれなりに投資掛かりそう)

など、想定できる課題はたくさんありそうです。分社化する、自社で持たない技術やリソースを持つパートナーと組む、などいくつか方法はありそうなので、プロダクトそのものもそうですが運営体制や企業の枠を超えたチームビルディングなども含めて今後も事例見ていきたいなと思います。
 

CRAZYのオンライン結婚式サービス「Congrats」のリリースについてまとめ

CRAZYもそうですが、比較的ゆっくりだったブライダル業界の動きが今年に入ってから一気に加速してきた感じがしますね。感じじゃなくて事実だと思いますが…。最近はオンライン関連が多いですが、緊急事態宣言が解除されて今までの結婚式もこれから増えてくるとどのように変わっていくか(少人数婚が増える、はよく言われていますね)も注目です。
 
おわり
 

市川 貴之

この記事を書いた人
市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル業界で働く人のよりどころに」をビジョンに掲げ、ブライダルコンサルティング、ブライダル業界専門の転職支援サービスを運営しています。お仕事の依頼は「お問合せ」、転職のご相談は「ブライダル専門の転職相談」からお受けしております。

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