更新日 2019年01月27日

営業とマーケティングの連携が取れていないと何が起こるのか?

営業対マーケあるある

ブライダルに限らず、営業部門とマーケティング部門が仲良くやっている会社ってあまりないのではないでしょうか。私の経験でも仲が悪く連携が取れていない会社も多かったのですが、連携がうまく取れないと業績的にも組織運営的にも多大な悪影響が出てしまいます。そこで今回の記事では、営業部門とマーケティング部門間の仲が悪いときによく起こる事例や解決策についてまとめました(ゆるめのコラム記事です)。部署間の連携がうまくいかない、とか、どちらか一方の声が大きすぎて困っているなど、組織レベルでの課題を感じている方に参考になれば(共感していただけると)嬉しいです。

営業とマーケティングの関係

ブライダル業界に限らず、日本の企業では営業とマーケティングの仲が良くないという会社は多いと思います。特にマーケティング部門が見込み客(ブライダルなら結婚式場を検討している新郎新婦)を獲得し、営業がセールスと行うタイミングでズレが生じることが多いでしょう。
仲が良くない、連携が取れていない状態とは、例えば営業担当者はマーケティング担当者に対して、

  • 会社の売上獲得に貢献していない
  • 必要なな数の見込み客を獲得していない
  • 見込み客の質が悪い
  • お客様と直接会わずにオフィスで仕事をしているから楽だ
  • 営業の現場の声を反映させない
  • コストばかり使っている

このような感情を抱く一方で、マーケティング担当者は営業担当者に対して、

  • せっかく見込み客を獲得したのに無駄にしている
  • ただ待っているだけで勝手に来館してくれるのだから営業は楽だ
  • グレーな営業トークをしてお客様からマイナスな口コミを書かれてしまって迷惑だ
  • 会社の成長より自分の成績しか考えていない
  • 自分の努力不足を棚に上げてすぐ質が悪いと言う

と思っている状態が挙げられます。
このようにマーケティングと営業の連携が取れていないと組織間の雰囲気が悪くなるばかりではなく、お互いがお互いの組織を言い訳にしがちになるので、業績にも悪影響が出やすいです。「営業対マーケティング」に関しては、以下のような記事でもまとめられていますので、興味があればご覧ください(外部リンクです)。

ブライダルも同じような会社は多いのではないでしょうか?

ブライダル業界だと、営業は新規プランナー、マーケティング担当者は媒体運用をメインとした集客業務を担っている人(狭義のマーケティング)という場合が多いかと思います。小さい会社だと同じ式場内のスタッフが業務分担をしている場合もありますが、複数店舗を運営するくらいの規模の会社だと、現場の新規プランナーと本社のマーケ部門、というように部門が分かれていることの方が多いと思います。

  • 今月の営業目標を達成できなかったのは客層が悪かったからだと営業が振り返る
  • 営業が文句ばかり言うから広告文を変えたら全然集客できなくなったとマーケが振り返る
  • せっかく集客目標を達成したのに営業が悪いせいで連帯責任で評価されないとマーケがぼやく
  • 成約率は高く保っているのに集客が全然ダメだから評価されないと営業が嘆く

もし2つの組織間でこんなことが起こっているのであれば、すでに「営業対マーケの溝」症状は始まっていると言えます。ちなみに、個人的な話を前置きしておくと、私はマーケ出身で営業はしたことがありません。BtoCはもちろん、BtoBもないです。なので思考としてはマーケ寄りですが、営業企画・営業推進部門も兼務していたので営業の人たちの思考もある程度理解しているつもりです。
 

営業対マーケティングの連携が悪くなるとどんなことが起こる?

マーケティング部門の意見が強いと起こること

相対的にマーケティングの声が大きい組織で起こりやすいですが、リードの獲得が会社の最優先事項として認識されると、それに伴って営業オペレーションコストが高くなります。ブライダル業界の具体的な事例で言えば、以下のような事例が挙げれれます。

  • EFOで会場ホームページの来館予約やブライダルフェア予約フォームの項目をメールアドレスと名前だけに変更した。そうするとサイトCVRは上がるのでリードは増えるが、CV後のメール送信のタイミングで電話番号や来店希望日を聞かなければいけないので、オペレーション負荷も増すし来館率も下がった。
  • 同エリアの競合会場と合わせるために、実際の会場にはないガーデンのイメージ写真をゼクシィに掲載したところ、来館は増えたが新規接客時のクレームが増えた。
  • とにかく来館数を増やさなければいけないので、大小関わらず出稿するウェブ系媒体を大幅に増やした。結果的にわずかに来館予約数は増えたものの、ブライダルフェアやプランの更新、ブログの更新業務が大幅に増えたため現場の営業が疲弊した。

マーケティング施策としてこのような施策を実行していくと、リード(来館予約や資料請求など)は間違いなく増えるのですが、その先の営業のKPIが落ちたり負担が増すので最終的な売上まで伸びるのかと言われると必ずしもそうなるとは限らない、といったところです。また、経営層がそういったマーケティング施策の背景と変更点を理解していないと、単に数字が落ちている営業が頑張っていない!となりやすく、営業が一方的に激ヅメされるので不満がたまりやすくなります。

営業の意見が強いと起こること

今度は逆に営業側の意見が強い会社で起こりそうなこととしては、以下のような例が挙げられます。

  • ゼクシィや他媒体の出稿内容の打合せで現場スタッフの意見が優先されるため集客最適化にならない。ゼクシィに出稿している会場なら毎月ゼク打ちやっていると思いますが、マーケ部門は競合の出稿内容や出稿量など相対的な観点から、営業は実際の接客の時にお客様との会話の内容から意見を出し合うことが多いですが、営業の意見が強すぎると議論にならないこともよく起こります。
  • 来館の定義がコロコロ変わる。例えば、1時間しかないお客様、新婦のみでの来館、希望予算が100万円未満、特定の競合会場を見学済み、などの条件が当てはまると成約率が低くなるのはデータを出してなくても営業であれば感覚的にわかると思います。営業の成約率が未達だった理由を「来館者の質」にし始めると、そういうお客様は来館とはみなさない、みたいな独自ルールが生まれてきます。
  • その結果、フォームに取得情報を追加しすぎたりするので来館が減る。これまでは社内的に来館とみなされていたものが急にそうではないとされるので、当然ですが来館数は減ります。新たな定義の来館を獲得しようとすると広告で打ち出す内容も限定的なものになりやすいので、さらに問合せすら減っていくことになりがちです。

このように営業の意見が色濃くルールや集客施策に反映されていくと、ネガティブなループに陥っていくことが多い印象です。もちろん、お客様と直接会っているのは営業なので参考にすべき意見を吸い上げてマーケティング施策に活かすという発想はとても大切なのですが、成約率が低かった言い訳から施策に展開してくことがないように注意が必要です。
 

営業とマーケティングが連携するためには何が必要か?

業績やKPIの定義を絶対に変えない

両部門で会話をする際の共通言語を明確にしておく、というのが大事です。例えば、

  • 「来館」はどんな条件がそろっていたらカウントするのか(新婦のみは?2年先希望は?、など)
  • 来館前に絶対に取得しておかなければいけない情報は何なのか(見学済み会場、希望時期、来館人数、など)

などの点は、今すぐにでも意思統一すべき内容です。部門単位はもちろん、個人レベルでも浸透している状態にしておく必要があります。来館者の質が~、といった話は抽象的でよく会話の中に出てきやすいので注意しておくといいでしょう。

目標や予算数値を決める時に全て決め切る

例えば、新婦のみも1時間のみの来館もすべて「来館数」としてカウントする、と決めたのであれば、当然成約率はこれまでよりも計算上低くなることが予想されます。次の期から定義は変更するがKPIの数値目標は据え置き、ということをすると部門間の評価や成績で必ずもめます。そのため、目標や予算数値を決める時に定義を変更するのであれば、それを踏まえた目標数値を作らなければいけません。
来館の定義を広げるなら、来館目標を少し高くして成約率を低く設定する、などです。そのため、目標や予算は営業とマーケティングの両方を理解している人が作るべきです。

相互に相互の目標を一定割合で持たせる

会場によってそれぞれの部門の担当者がどこまでの業務を持っているかによりますが、例えば営業に来館数目標、マーケティングに成約数目標を持たせるのも一つの方法です。評価に占めるウェイトは少なくていいと思いますが、意識付けの観点でも項目として入れておくとマネジメントしやすくなります。

定期的にコミュニケーションを取る

ゼク打ちなど業務的に必要なタイミングだけではなく、1か月~3か月に1回くらいの頻度でもいいので、情報交換の機会は意図的に作ってもいいでしょう。もし働く場所も違うのであればメールのやり取りしかしない人が勝手に決めていること、くらいにしかお互いに感じ取れないので、物理的な制約があったとしても実施したほうが良いかと思います。

お互いの業務を知るためのジョブローテを実施する

とはいえ、お互いに自分が経験したことのない仕事について理解するというのはなかなか難しい話です。もしそれなりに規模の大きな会社であれば、半年~1年程度のジョブローテ枠を設けてもいいと思います。短い期間であっても、その部門の人がどういう思いでどういう仕事をしているのかを理解することで、業務への理解も深まりますし、コミュニケーションも取りやすくなります。

両方を理解している責任者を立てる

組織論の話になりますが、営業とマーケティングのトップはお互いの業務を理解している人が担うといいでしょう。営業トップは現場たたき上げバリバリの人、マーケは外部の広告代理店から鳴り物入りできた転職者、でお互いに自分の成果を上げるために必死、みたいな状況だと、そもそもそこのコミュニケーションを円滑にすることが難しいと思います。
 

まとめ

結論としては、対等な力関係で円滑なコミュニケーションを取れるとベストです、って感じです。ただ、これまで私が見てきた経験からすると、結局は最終意思決定者(多くの場合社長)がどういう経験をしてきたのか、によるなぁという印象です。社長が営業出身ならどうしても営業寄りの意思決定になりがちですし、企画部門系だとマーケティングなどの意見を重視しやすいです。どちらが正かという話ではなくバランスの問題なので、もし今の会社や組織に課題を感じているのであれば、改善の切り口として参考になってもらえると嬉しいです。
 
おわり

市川 貴之

この記事を書いた人
市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル業界で働く人のよりどころに」をビジョンに掲げ、ブライダルコンサルティング、ブライダル業界専門の転職支援サービスを運営しています。お仕事の依頼は「お問合せ」、転職のご相談は「ブライダル専門の転職相談」からお受けしております。

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