結婚式場運営のKPI設定をミスると起こりがちな悪循環事例

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KPI設定をミスると起こる事例

結婚式場運営をしているどの会社も業績に関する数値やKPIなどを設定し、定期的にレポートとして確認していることでしょう。会場の責任者が実務として行っていることもあれば、経営企画などの部門が会場横断的に取りまとめて管理している場合もあると思います。業績管理の運用が安定して回っていると意思疎通の効率化や意思決定のスピードアップにつながるので非常に良い環境で運営を進められるのですが、設定そのものをミスると数字を出すための作業に追われてしまったり意思決定までの時間もかかり、さらにその精度も低く業績が改善しない…という悪循環に陥ってしまいがちです。そこで、今回の記事では、KPI設定をミスると起こりがちな悪い事例についてご紹介します、最後にそうならないためのポイントもまとめていますので、ぜひご覧ください。

KGI、KPIとは?

KGIとはKey Goal Indicatorの略で、KPIとはKey Performance Indicatorの略です。それぞれ日本語に訳すとKGIは「重要目標達成指標」、KPIは「重要業績評価指標」という意味になります。これだけだとちょっと小難しくてよくわからないと思いますので簡単に書くと

  • KGIは事業運営で達成したい目標のこと
  • KPIはその目標を達成する上で、達成度合いをはかるために使う定量的な指標のこと。

ブライダル業界、特に結婚式場運営の場合だと

  • KGI=売上
  • KPI=来館数、成約率、組単価

などを設定している場合が多いと思います。式場運営の最大の目標は売上達成で、売上の構成要素は来館数や成約率、組単価などのKPIに分解することでき、それらのKPI目標を達成するとおのずと売上という個人や組織の目標を達成できる、という構造になっていることが理想です。

さて、そんなことはわかっているよ!という方も多いと思いますが、意外とここの設計・設定・社内理解が要因でうまく回っていない会社や事業部も多いので、次からいくつか事例を紹介していきます。

 

KPI設定があいまいだと起こりがちな事例

反響の定義の認識が人によって違う

ここでいう反響とは「お客様から問合せがあった数」のことを指します。ブライダルフェア予約数、会場HPからの来館予約数などですね。この数値を計測している会社は多くないかもしれませんが、もし設定している場合は以下のような点でもめる場合があります。

  • 取得すべき個人情報を定義していない(名前は必要?電話番号は必要?メールアドレスは?来館日は?)
  • 問合せ種別の定義がなされていない(ブライダルフェア予約、来館予約、空き状況問合せ、資料請求など、全部反響?それとも資料請求は除く?)
  • フォーム入力された電話番号やメールアドレスがつながらなかった場合は反響としてカウントする?
  • デジマをしている場合は管理画面上のCV定義とユーザーデータDBの定義が異なるケースが多い(30日以内のクリックスルーCVのことが多いので)

上記のような定義があいまいだと

  • 新規集客施策を実行したときにメールアドレスだけを取得することにしたものも反響としてカウントしてまい、広告投下配分を見誤った
  • 資料請求がたくさん増えて効果が良くなったように見えたが来館数が全然増えてなくてむしろ費用対効果は悪化していた
  • デジマの効果検証をするときに広告代理店とマーケティング担当者の間で認識がずれて話がかみ合わない(無駄な工数がかかる)

といったリスクがあります。なので、こうならないためにも、

  • どんな個人情報を取得したら1反響とするのか
  • どのような問合せ経路から問合せが来たら1反響とするのか
  • 反響数をカウントするときのDBはどこのデータを使うのか

少なくともこのあたりは明確にしておいた方があれれ?といったことが起こらないのでいいと思います。

来館の定義の認識が人によって違う

次は来館の定義が違うケースです。何を持って来館とするかをどこまでしっかりと定義できているか、ですが、例えば以下のケースの場合あなたの会場では来館となりますか?

  1. お客様が来たけど「雰囲気違ったのでもういいです」と言ってアンケートも書かずに5分で帰った
  2. 2人で来館すると言っていたのに新郎が仕事がこれなくなり新婦のみで来館して1時間で帰った
  3. 何か怪しいと思って問い詰めたら隣の会場の新卒プランナーの競合見学だった
  4. すでに他の会場を20件以上見てきている新郎新婦カップルだった
  5. お出迎えからサロンに連れていくタイミングで「今日は決める気はない」と言われた

特にマーケティング部門が来館数目標を持ち、新規営業部門が成約率目標を持っているときなどはもめやすいポイントなのですが、上記1~5は来館となるでしょうか?

新規プランナー目線だと「成約率=成約数÷来館数(接客数)」となるので、成約率を高くするためには成約数を増やすか接客数を減らすかすることが必要になります(倫理的にその発想はどうなんだ、という話はさておき)。上の1~5のケースは通常の来館者と比較して明らかに成約にならなそうですから、これを自分の接客としてカウントされたくないという心理が働きます。一方、マーケティング部門からすると会場に来ていることには変わらないので、質はともかく来館カウントしてほしいのが本音でしょう(でないと自分の評価が下がるから)。

このように相互の利害が反する目標設定と事象が起こった場合、双方に言い分があるのでもめやすく、最悪のケースだと新規プランナーが来なかったことにしてデータ入力してしまうとか(ステータス=来館キャンセル)といったことも起こります。そこまでいってしまうと集客施策の正しい効果検証もできなくなりますし、新規プランナーの成約率評価も個人の倫理観によって決まる、など訳の分からない状態に陥っていきます。

さらに、ハナユメのように来館フィーの媒体で同様のことが起こると、媒体側は来館と認識しているのに社内DBでは来館していないことになっていて販売手数料の支払いで会社間でもめる、といったことも起こってしまうリスクがあります。

このようなことが起こらないように、「どういう条件が整ったら1来館とカウントするのか」の定義は営業だけでなくマーケや企画部門の関係者間でも認識を揃えておくようにしましょう。

成約の定義の認識が人によって違う

同じく何を持って成約とするか、です。ここはあまりずれていることはないと思いますが、仮予約の同業他社から即決型の会社へ転職してきた人とかは最初戸惑うこともあるかもしれません。成約とカウントするための定義としては

  1. 契約する意思表示
  2. 約款の説明
  3. 申込書への署名
  4. 申込金の入金
  5. 申し込み後の打合せ担当者挨拶

こういったことが条件となることが多いでしょう。成約とするかどうかの観点で一番重要になるのは施行枠のブロックする基準が人によってばらばらであることです。ある人は1の段階で施行枠を押さえていました、ある人は4まで完了して施行枠を押さえていました、ということになると(さすがに5はないと思いますが…)、例えば本来は4なのに1で押さえてしまうと販売する機会損失が起こってしまうリスクがありますし、5だと思っているとダブルブッキングになってしまうリスクがあります。

このように、何を持って成約とするかの定義はその業務に携わる人は新規プランナー以外の人もすべて正しく認識しておくことが必要です。

日付の定義の有無

業績管理において意外と盲点となるのが日付の定義です。ブライダルの場合、問合せ(反響日)から来館(来館日)までは1週間ほど時間がかかりますし、来館から成約(成約日)までも即決会場でも1週間くらいかかることもあります。

例えば以下のケース。反響数、来館数、成約数、成約率の集計はどのように行うのか、認識は揃っていますか?

  • 会場へのブライダルフェア予約が入った日:4/24
  • 会場に来館した日:4/28
  • 申込をした日:5/3

さて、この場合の4月の成約率に対してはどのようにカウントするでしょうか?

基準日の考え方はこれまで多くの企業のコンサルティングをしてきましたが、大きく2つに分けられます。

  1. 問合せベースですべてカウントする
  2. それぞれのアクションが起こった日付ベースでカウントする

1.のルールであれば最初の問合せが起こったのは4月なので、4月反響=1、4月来館=1、4月成約=1、となります。一方、2.のルールであればそれぞれのアクションが起こった日をベースに考えるので、4月反響=1、4月来館=1、5月成約=1、となります。こうすると4月の成約率が一時的に低く見えますが、トータルで見ると変わらないので大勢に影響は出ません。ただし、評価期間をまたぐ場合やあと1組成約で目標達成だったのに!という場合はどうしても4月の成約にしたい、という心理が働きますので、意外ともめたりします。最悪は成約日を勝手に書き換えてしまう人とか出ますが、そうすると後々キャンセルが起こったときに基準日が変わるので絶対にやってはいけないですね。

個人的には2.で統一したほうが占めた後すぐ集計できてアクションまでのスピードが速くなるのでオススメですが、重要なのは全員の認識が共通していること、なので、もしこのあたりがあいまいだと思われる方は、早々にスタッフに確認してみるといいでしょう。

 

KPI設定をするときに気を付けること

さて、これまで4つ事例を書いてきましたが、このようなことが起こらないためにKPI設定をするときに注意すべきことを最後にまとめます。

ポイントは2つ。

  1. KPIの定義は可能な限り広く取り、定義を変えないこと
  2. KPIの目標数値を決める時はそれらをすべて盛り込んだ数値とする前提で決めること

先ほどの反響や来館の定義は、すべて反響とする、来館とすると決めて周知徹底することが重要だと考えます。もちろん、同じ1来館でも会場にぞっこんで案内するだけで成約を取れるお客様の場合と、まったく決める気のない冷やかしのようなお客様の場合もあると思いますが、トータルで見ればある程度ばらつきは抑えられる、という考え方に基づいて広めにとるべきです。都度細かな条件が出てきたときに定義をコロコロ変えてしまうと

  • 時系列で数字を見たときに微妙な定義の違いから正しい効果検証が行えなくなる
  • 営業やマーケなど声の大きい部門が正義となり、コミュニケーションバランスが崩れる

といった弊害が起きてしまいます。

一方、広く定義を取ると当然それを前提としたKPI目標を設定することが必要になります。定義は変えたけど基準値は変えないとすると、ただ達成難易度が高くなったり低くなったりして担当者のモチベーションにも大きく影響するので、例えば来館の定義を広く変更するのであれば来館目標を高くして成約率目標は下げるべきです。

KPIの定義と基準値はセットで設定する、というのが重要なのです。

 

結婚式場運営のKPI設定についてまとめ

KPI設定について、よくある事例とともに重要なポイントをまとめました。何も数字を見ていないという会社は現代ではほぼないと思いますが、うまく機能しますよ、と言い切れる会社は多くないと思います。ほんとに細かなところですが、定義と基準値設定の2つを整合性を持って行うことで格段に管理運用しやすくなりますので、この記事をきっかけに見直してみてはいかがでしょうか。

 

おわり

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