会費婚の特徴とは?ビジネスモデルを図解してみた

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会費婚のビジネスモデル図解サムネイル

事業のビジネスモデルを理解することは、その事業やサービスがなぜつくられたのか、どんなことを強みとしているのかを体系的に理解でき、事業開発や個人の知識習得でとても勉強になります。ブライダル業界の中でも様々な特徴的なサービスがあり、その仕組みや違いを知ることで見えてくることも多いと思います。そこで、今回は「結婚式にかかる費用をはじめからオープンにした会費制のプロデュースサービス」会費婚のビジネスモデルを図解してみました。


会費婚とは?

株式会社アールキューブが運営する、会費制結婚式のプロデュースサービスです。ブライダル業界で初めて結婚式にかかる費用をはじめからオープンにした明朗会計方式、結婚式後の支払いがOK(当日の会費を支払いに充てることができる)、持込料が無料など、これまでの常識を壊す新しいスタイルのプロデュースを提供しています。

会費婚

Webサイト https://www.kaihikon.com/
運営会社 株式会社アールキューブ

では、このサービスのビジネスモデルを図解してみます。

 

会費婚のビジネスモデル

会費婚のビジネスモデル図解

2011年の参入以降、着実に伸ばして会費婚。低価格系のウェディングプロデュースサービスは数多くありますが、会費制でゲストの負担も小さくて済むというところが、他のご祝儀前提のサービスとは違うところ。1.5次会・会費制トレンドもあり、特にここ数年の伸びは大きいと思います。

北海道と青森県を除き、今の日本の結婚式はほとんどがご祝儀制です。ゲストからもらうご祝儀約3万円/人と、新郎新婦の持ち出し100万円を合わせて300万円以上の支払いをするというのが、結婚式費用の一般的な相場だと言えるでしょう。ゲストにとって3万円(女性の場合は+α)の出費は負担が大きく、結婚式が続くと「ご祝儀貧乏」とも言われこともありますね。新郎新婦にとっても結婚式の単価は年々上昇傾向にあり、かつ前払いが一般的なので(ご祝儀を費用の支払いに充てることができない)、予算が理由で結婚式を挙げないという「なし婚層」も増えてきていました。

そこで会費婚は、①後から値段が釣り上がらないようにわかりやすく明確に、必要なアイテムをあらかじめパッケージ化、②ゲストは会費制、③支払いは後払い、この3つの特徴を取り入れた新しいプロデュースサービスを提供するようになりました。費用が押さえて結婚式を挙げたいというニーズだけでなく、ゲストに金銭的な負担をかけさせたくない、というユーザーニーズにも対応しているので、これまでの低価格系プロデュースとの棲み分けもできています。

  • 新郎新婦の金銭的負担が小さい(自己負担なし&後払い)
  • ゲストの金銭的負担が小さい(会費)
  • それでいてクオリティは通常のご祝儀結婚式と変わらない

このように、いいことづくめのようなサービスにも見えますが、この記事執筆時点で提供可能な会場数が130と、スマ婚(1,000会場)や楽婚(500会場)と比べるとやや少ないのがウィークポイントかと思います。130の中でもレストランに偏っていますし、地域も東京など大都市圏に集中していますので、大都市に絞って攻めていくのか地域を広げていくのか、今後の戦略が気になるところです。

1.5次会や会費制の認知度は徐々に上がってきているので、そういったマーケットトレンドの変化に合わせて、どこまで成長していくのか楽しみですね。

 

今後の展開の予想

最後に、これから先に会費婚がどのようになっていくのかについて予想してみます。

結婚式ニーズの全体感で見ると結婚組数の減少と婚礼実施率の低下から今後も減少していくと思いますが、結婚式ニーズにおける「会費制や1.5次会など低価格ウェディング」ニーズは増えてくると思います。そのため、現状の会費婚の事業規模とマーケットサイズを考えると、業界全体のシュリンクが著しく影響することはないのではないかと思います。

会費婚の事業KPIは以下のようになっているはずです。

  • 売上=施行組数×組単価
  • 施行組数=集客数×成約率
  • 利益=売上-原価(会場やアイテム業者への支払い)

キャッシュの流れが外からは分からないので、お客様→会費婚→提携業者となっている前提ですが、場所を提供する会場もそれなりの金額で提供しないと利益にならないので、会費婚側の利益率は正直高くはないと思います。また、組単価はほぼ固定の会費制なので、ここを高くして業績を伸ばすのはコンセプトからずれてくるでしょう。

また、集客はウェブマーケティングが中心ですが、オウンドメディアの「ハナコレ」の集客力が恐ろしく強いので、現時点で正直そんなに困っていることはないだろうと予想されます。ちなみに、以前のハナコレはmarryのような記事メディアで会費婚への送客装置として使っていたと思いますが、メディアパワーがついたからか今は他社の結婚式場への送客導線がメインの結婚式場媒体になっています。コンテンツから始めてここまで成長させられるのは純粋にすごいと思います。

さて、このように集客が課題にはならなそうですが、以下の点は事業成長の課題になるだろうと思います。

  1. 提携会場を開拓するための法人営業力
  2. あふれる集客と施行をきちんと運営するだけの人的リソースの確保

1つ目の法人営業力ですが、残念ながら全国で提携130会場は多いとは言えないでしょう。オリジナリティとか自分たちらしさとか自由さとかなど、結婚式を決める判断軸は多様化してきているものの、なんだかんだで会場が気に入るかどうか、はまだまだ大きな要素の1つです。会場側からすると、会費制かつ外部のプロデュースを入れる、となると会費婚1組を受け入れて得られる利益は非常に小さくなるので、そこをビジョンまたは合理的な判断軸でどう突破していくのか、その営業シナリオの構築と実行がキモになると思います。

2つ目の人的リソースの確保ですが、プロデュースは会費婚側で行うので(結婚式場側のリソースは使わない)ので、そのプランナーはアールキューブで用意することが必要になります。プランナーがいないと受注できないので。普通に採用できれば特に問題ないようにも思えるのですが、利益率が高い事業モデルではないのですべて正社員採用で固定費として抱えるのは、通常の結婚式場よりもリスクが高くなります。そのため、フリープランナーのネットワークとかを作ってしまって、受注があったときに変動費化できると事業運営が安定してくると思いますね。

 

まとめ

会費婚のビジネスモデルについて、簡単にまとめました。今後どのような事業成長の予想をまとめると、ニーズは増えていってそれに対応する集客経路も強いので集客はOKだから、受け皿の会場開拓とプランニングリソースの確保、強化していきましょう、です。会費制結婚式に特化したプロデュースサービスは今かなり増えてきているので、その中での競争にどうやって勝ち残るか、会費制ニーズ以外のところにどうやって広げていくのか、そのあたりの事業展開が楽しみです。

 

【参考書籍】

今回の記事で書いたビジネスモデルは「ビジネスモデル2.0図鑑」を参考にして作成しています。ビジネスモデルを体系的に理解するのでとても勉強になりますし、ブライダル業界以外の様々なサービスの仕組みや特徴を知ることができるのでオススメです。

ビジネスモデル2.0図鑑

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