更新日 2020年04月26日

「結婚式場から探す」以外の選択肢の可能性を考える

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今のウェディング業界では結婚することが決まったら「結婚式場探しから始める」のが一般的です。ちょっと前までの「プロポーズされたらゼクシィ」が広く世の中に浸透したことも大きな要因の1つだと思っていますが、これが始まったときからサービスのラインナップも増えたしユーザーニーズも多様化してきたし、これからの時代はもっと他の選択肢もあっていいと思っています。そこで、今回の記事では「結婚式場から探す」以外の選択肢について考えてみました。

ブライダル業界に存在する人気ランキング​

ブライダル業界におけるランキングのほとんどは「結婚式場の」ランキングで

  • みんなのウェディングやウエディングパーク内の式場口コミランキング
  • オリコンなどが行っているランキング

などがあります。これらのランキングは飲食店(食べログやRetty)など他業界のランキングと比べて

  • リピートせず評価の再現性が低い
  • 新郎新婦が選択したメニューによって評価が異なるし明かされない(特に料理など)

という点で透明性の高いは言い難く、各媒体やサイトによってランキング結果も全然違います。
で、もし「結婚式場から探す」以外の選択肢が今後ブライダル業界に出てくるとしたら、例えば「ウェディングプランナー」の人気ランキングのようなものが考えられるわけですが、仮に式場やプロデュース所属するプランナーの人気ランキングのようなものができたとして、

  • そのランキングを見たユーザーは何を考えて同アクションするんだろう?

と思うんですよね。今のままだと結局そのプランナーが所属する式場の見学予約をするというこれまでと変わらないフローにしかならなくない?と。
先に個人的な意見を書いておくと、私は「プランナーから選ぶ」などこれまでとは違う選択肢をもっと普及させたい派ですが、現状のビジネスモデルだと困難なことが多いので、どうしたらもっと広く浸透するだろうか、というを今回は書いていこうと思います。
 

「プランナーから選ぶ」という選択肢は価値あるの?

もし将来、「プランナーから選ぶ」というのが一般的になったとしたときの新郎新婦側・プランナー側のメリットは次のような点だと考えています。
【新郎新婦側】

  • 自分たちのイメージする結婚式を実現できる確率が上がる
  • 価格の透明性が上がる

【プランナー側】

  • 会場と対等な関係で仕事ができる
  • 自分の成果次第で給料上げられる

これらはいずれも今の業界の課題だと思っていることの裏返しなのですが、今の日本の式場から探すスタイルの場合、ほとんどの会場はプランナーを指名できませんので、新郎新婦側は会場のハード要素以外はふたを開けてみないとどんなものになるかわからないですし、プランナーも雇用されている企業や提携している会場に対してどうしても弱い立場になりがちです。
このような課題を解決し利用者と供給者の相互にメリットがあると思うから実現してほしいなぁ、と思っているわけです。
ちなみに、これもっというとプランナーだけでなくスタイリストやヘアメイク、フォトグラファーなども自分で選べるとよりよいのではないかと思っています。「私たちだけのウェディングプロデュースチームを組もう」のようなイメージですね。
まぁ実際は事前準備も当日のオペレーションもチーム内の普段からのコミュニケーションや連携経験がモノを言うことが多いので、そんなに簡単ではないんですし、実際はプランナーを先に決めてから一緒にチーム組から始めるという流れになるんでしょうかね。
サービスで言えば「the knot」のような感じです。
 

「プランナーから選ぶ」を実現するためには何が必要か?​

このようにメリットは大きいと思っているのですが、どうやったら実現できるかを考えてもなかなか難しい。まずプランナーから選ぶためには、新郎新婦がプランナーから「選べる」環境が整っていることが必要です。

  1. プランナーの情報が公開されていること
  2. 公開情報からプランナーの違いや特徴・こだわりがわかること
  3. 希望する(選んだ)プランナーに担当を必ず依頼できること

まず1。比較検討する際の要素は究極的には「プロデュース実績」と「価格」に集約されると思っていて、新しく引っ越した先で美容師探すのと似ているのかなぁとも思ってます。で、プロデュース実績を公開するのであればパーティレポートがメインになるので、そうするとどうしても写真素材か動画が最も効果的、という結論になるのだろうと。まぁ最近はインスタで探している人も増えているので可能ではある。
次に2。新郎新婦が適切に比較検討するために実は重要なのが「プランナーが同じ情報を公開していること」です。プランナーAさんは●●と▼▼を公開しているけど、プランナーBさんは■■しか公開していない、などでは結局比較できないので全員に話を聞いてみないとしっかりとした比較は難しいと言えます。また無理やり1つの基準で比較検討できるようにする、例えば食べログのようにダイレクトに点数化して

  • プランナーAさん: 3.3 ★★★☆☆
  • プランナーBさん :4.2 ★★★★☆
  • プランナーAさん :3.7 ★★★★☆

のようにする方法もありますが、店舗やサービスではなく実在する個人の比較なので、あまりなじまなそうな気がします。
そして最後に3。もし希望するプランナーが見つかったとしてその人にお願いしたいわけですから、この条件が入った時点で今式場に所属しているプランナーの方は参加不可能になります。式場の見学予約をしてもプランナー指名できないし(公式HPの希望ランなどに書けば考慮はしてくれるかもしれませんが)、特に分業の会場であればさらにそこから担当変わるので難しいですよね。
これらの条件をまとめると、

  • 会場に所属していないプランナーが
  • ユーザーが比較検討するに十分な情報を
  • 同じ粒度で公開すること

実現にはこういった条件が満たされることが必要になると思います。
または、会場に所属しているけど指名できるように式場側がオペレーションやコンセプトを変える、というのも1つの方法ですが、式場側の負担が想像以上に大きいですし、けっこう勇気いいるので、大手系企業くらいしか難しいかなと思います。
 

プランナーにとって実は大きい意味

ここまでプランナーから選ぶことについて書いてきましたが、もしこれができるといいなと思っているのは、ウェディングプランナーの職種地位も今より上がるだろうな、という点です。年収が最もわかりやすいですが、式場勤務のエースクラスであってもせいぜい400万円~450万円ほど、支配人クラスでも600万円にも満たない方も多いでしょう。
担当している業務内容と提供している付加価値を考えればもっとリターンあってもいいですし、社会的に注目されてもいいと思うんですよ。

  • カリスマ美容師がいるようにカリスマプランナーがいてもいいと思うし、
  • ●●さんが手掛けた▼▼なウェディング、のような取材がもっとあってもいいと思うし、
  • カリスマと呼ばれる人たちは年収1,000万は軽く超えてますよね、となってもいいと思う。

既存プランナーの年収が全員一律100万上がったらいいなというより、本当によいサービス・プロダクトを提供している人がもっと突き抜けられているような世界観にならないかなと思っています。
もちろん、そうならない理由はビジネス構造によるところが大きく変化を起こすには相応の(というか膨大な)パワーが必要なので簡単なことではありません。また、直近は緊急事態宣言もありそんな長期的な視野で考えている場合ではないかもしれませんが、ユーザーにとっても働く人にとってもメリットはあると思っているので実現に向買っていくといいなと思っています。
 

それ以外の選択肢は?

今の自分の中で考えているのはここまで書いてきた「プランナーから選ぶ」という選択肢がメインですが、他にも、結婚式場やサービスを「目的から選ぶ」という選択肢はできないかなと考えてはいます。

  • 家族との絆を深めたい
  • けじめとして挙げたい
  • 映える写真を残したい
  • お互いのパートナーを紹介したい

など、結婚式をする目的から選ぶというイメージです。今のハード要素より開催の目的が上位概念になれば、先の「プランナーから探す」や「プロデュースから探す」という考え方とも相性いいと思うんですよね。
ただ、目的から探した時にその目的を満たすのにはこのサービスやプランナーがオススメ!という合理的な理由付けが、難しいなとは思っています。
例えば、家族との絆を深める結婚式を挙げるなら「●●さん」がオススメです、なぜなら…の先に続くことが難しいなという感じです。平易な言葉を使えば誰でも言えるし、結局写真素材勝負になってしまうと本末転倒だなって。なのでまだ具体的なイメージはできてないですが、作れたらおもしろそうというくらいですね。
 

「結婚式場から選ぶ」以外の選択肢についてまとめ

主に「プランナーから選ぶ」という選択肢の可能性についての内容でしたが、いかがでしたか?もし今回書いたようなことが実現するとなると、ゼクシィの牙城が崩れることと同義なのでそんな理屈だけで簡単にできる話ではないと思っています。ただ、時代の変化する菜スピードはどんどん速くなってきていますし、これまでの常識を疑ってよりよい付加価値を作る、と考え続けることは大事だと思いますので、少しでも考えるきっかけや参考になってもらえると嬉しいです。
 
おわり
 

市川 貴之

この記事を書いた人
市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル業界で働く人のよりどころに」をビジョンに掲げ、ブライダルコンサルティング、ブライダル業界専門の転職支援サービスを運営しています。お仕事の依頼は「お問合せ」、転職のご相談は「ブライダル専門の転職相談」からお受けしております。

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