更新日 2019年02月24日

gensen weddingの特徴とは?ビジネスモデルを図解してみた

gensenweddingのビジネスモデル図解サムネイル

事業のビジネスモデルを理解することは、その事業やサービスがなぜつくられたのか、どんなことを強みとしているのかを体系的に理解でき、事業開発や個人の知識習得でとても勉強になります。ブライダル業界の中でも様々な特徴的なサービスがあり、その仕組みや違いを知ることで見えてくることも多いと思います。そこで、今回は「本当に満足できる結婚式場を、元プランナーが厳選して紹介する」のgensen weddingのビジネスモデルを図解してみました。

gensen weddingとは?

株式会社リクシィが運営する、独自の品質基準をクリアした結婚式場だけを厳選して紹介してくれるサービスです。現在は東京都横浜の2つのサロンを運営しており、紹介している式場も東京エリアと横浜エリアのみとなっています。ブライダル業界に限らず「情報を網羅すること」から「信頼できる情報だけを届けるおと」にニーズがシフトしてきている昨今のトレンドにおいて、これまでの結婚式場紹介サービスとは異なるアプローチで挑む注目サービスです。
gensenwedding

Webサイト https://gensenwedding.jp/
運営会社 株式会社リクシィ

では、このサービスのビジネスモデルを図解してみます。
 

gensen weddingのビジネスモデル

gensenweddingのビジネスモデル図解
2016年のサービス開始以降、順調に掲載会場数を伸ばしてきている新興サービスです。基本的なユーザー導線はゼクシィなびなどのカウンターと大きくは変わらないですが、紹介する式場が厳選されている、具体的なプランまで含めてトータルで提案してくれる、といった点が特徴、違いです。
結婚式場探しに関する情報はインターネット上にあふれています。ゼクシィやみんなのウェディングなどの結婚式場探し媒体もそうですし、アフィリエイトサイトや卒花嫁ブログなど、少し検索すればたくさん出てくるでしょう。ただ、一般的に結婚式場探しは初めての人がほとんどであり、自分たちに合った結婚式場を適切に選ぶのに必要な知識を持っている新郎新婦はほとんどいません。膨大な情報の中から必要な情報だけを取捨選択し、それをもとに最適な結婚式場を探すのは、情報が多すぎるがゆえに非常に難しいことなのです。
そこでgensen weddingは①結婚式のクオリティに直結する項目に独自の基準を設定し、それをクリアする式場だけを紹介する②結婚式の内容や費用も含めたトータルプランで結婚式場を紹介する、という2つの特徴を備えた式場紹介カウンターを提供しています。ユーザーの結婚式場探しの一次フィルタ(膨大な情報の中からクオリティの高い情報だけをフィルタリングする、という意味)の役割も担っていると言えるでしょう。また、式場契約前にトータルプランニングができるので、「契約してから100万円も費用が上がる問題」も解決しています。
この2つの特徴を実現するためには、結婚式場の現場のオペレーションを深く理解していることが必須です。独自の基準が具体的にどのような内容かはわかりませんが、サイトに出ている「調理場の衛生管理について」や「衣装のクリーニングのサイクルについて」などはほとんど表には出てこないもので非ブライダル業界の人は絶対に気が付かないポイントだと思うので、元プランナーだけで構成されているからこそ実現できている特徴だと思います。
結婚式の需要に対してそもそも結婚式場が多すぎる、情報は多いけどそれを正確に取捨選択できるリテラシーをユーザー側に持たせるのは難しい、という業界全体の課題を解決できるサービスとなるか、今後に期待ですね。
 

今後の展開の予想

最後に、これから先にgensen weddingがどのようになっていくのかについて予想してみます。
ゼクシィなどの一般的な結婚式場情報サイトやカウンターとコンセプトに明確な違いはあるものの、基本的なユーザーフローやマネタイズの方法はほぼ同じなので、その領域で今後どうやって伸ばしていくかを考えなければいけません。サロン来店→結婚式場送客、というフローなのでおそらく成功報酬型のモデルだと思います。

  • 売上=成約数×成功報酬料率
  • 成約数=サロン来店数×成約率

そのため、売上を伸ばしていくためには、

  • ウェブサイトからウェディングサロンへの来店数を伸ばすためのメディアパワーの向上が必要
  • 来店者を結婚式場で成約してもらうための対ユーザー営業力(マッチング力)が必要
  • 掲載会場数を増やすための法人営業力が必要

となるはずです。
まずメディアパワーを増やすためには、SEO、SNS、広告運用の最適化などの手段を徹底的に突き詰めていくのが基本戦術となりますが、

  • SEOは花嫁のための結婚準備マガジン(/articleのディレクトリ)でセッションを稼いで、サイト内で回遊させCVに持っていくのが基本導線になっていると思います。会場を厳選していることはユーザーメリットになりますが、SEOではサイトコンテンツがどうしても少なくなるので、そこを他の方法でカバーしていく必要があります。このKW領域は競合が強いので、コンテンツ制作力とサイト内の回遊導線設計がカギですね。
  • ウェブ広告は、リスティングはたまに見かける程度で、他は分かりません。一般的なブライダルフェアや地域+結婚式場などの競合性の高いKWを避け、サービスコンセプトに合致するKWに絞って運用しているものと思います。
  • SNSはFacebook、instagram、twitterのアカウントがありますが、いずれも同業他社のアカウントに比べるとフォロワー数も少ない状態です。逆に言えば伸びしろでもありますが、これらのSNSのフォロワー増加バブルはある程度一服していてこれまでと同じように増やすのは難易度高いかもしれません。TikTokはコンセプトとずれそうですし。

となると思います。とはいえ、現状のシェアは小さいので拡大余地はまだまだあると思いますし、コンセプトがとがっているのでプロモーションだけでなく広報施策とうまくからませていければ、相乗効果あると思います。
次に、マッチング力ですが、一般的に結婚式場紹介系のカウンターの成約率(ユーザー単位で最終的にどこかの会場に申し込む確率)は60%程度と言われているので、そのあたりのラインなら問題ないと思いますし、逆にそれを大幅に高くするのは難しいと思います。あとは店舗展開したときのこのサービスクオリティを維持するためのスタッフ確保がキーになるでしょう。
最後に、法人営業についてですが、会場側からするとどこも集客できればうれしいし、送客ユーザーの温度感が高ければ高いほどうれしい(会場成約率が上がるから)状態なので、サービス送客力が高まればある程度自然に引き合いも増えていくのではないかと思います。事業展開をどのくらいのスピードで、どのようなエリア進出をしていくか次第かなと。
既存の結婚式場情報サービスの業界規模はもうこれ以上伸びることはありませんが、これまでのビジネスモデルの限界にあたってきているのも事実なので、新しいスタンダードの先駆けとして、サービス成長していけるか今後が楽しみです。
 

gensen weddingのビジネスモデルについてまとめ

gensen weddingのビジネスモデルについて、簡単にまとめました。情報の網羅性から必要なものだけを選択までを対象とするサービス、これまでありそうでなかったサービスなので、次はどんなことを仕掛けてくるのか、業界全体にどんなインパクトをもたらしてくれるのか楽しみです。
 

【参考書籍】

今回の記事で書いたビジネスモデルは「ビジネスモデル2.0図鑑」を参考にして作成しています。ビジネスモデルを体系的に理解するのでとても勉強になりますし、ブライダル業界以外の様々なサービスの仕組みや特徴を知ることができるのでオススメです。
ビジネスモデル2.0図鑑

市川 貴之

この記事を書いた人
市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル業界で働く人のよりどころに」をビジョンに掲げ、ブライダルコンサルティング、ブライダル業界専門の転職支援サービスを運営しています。お仕事の依頼は「お問合せ」、転職のご相談は「ブライダル専門の転職相談」からお受けしております。

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