今の結婚式の問題点とこれからの時代の結婚式とは? #結婚式に自由を

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結婚式に自由を

いい夫婦の日(11月22日)にキングコングの西野さんが書いていた結婚式についてのブログを読んで、あらためて「今の結婚式ってなんでこんな感じなのかなと」と考えてみました。今回はそんな雑記ブログです。

キングコング西野さんのブログ

#結婚式に自由を

私が読んだのはこの記事( ↑ )。簡単にまとめると、

  • 新郎新婦がボッタクられているのを見るのがつらいから結婚式(披露宴)が嫌い
  • 司会も料理も演出も引出物もテンプレで誰のためにやっているイベントなのか不明
  • さらに「祝いの場」であるがゆえに誰も不満が言えず、何年も変わらない
  • でも本当に幸せな結婚式を挙げる新郎新婦は増えていってほしい

こんな感じです(詳しくは元記事読んでください)。私としては、反論でもなく共感でもなく「なんでこうなったのか(こうなっているのか)?」と率直に思ったので、書いてみます。

結婚式はボッタくりなのか?

まずここ。よく言われていますよね。

ユーザーの感覚

ボッタくりかどうかは個人の感覚なので今のブライダル価格でも満足する人もいるだろうけど、「ブーケ1つで5万円とか高すぎ。。花屋だったら3千円ww」とか「ドレスの持ち込み料5万円とか謎。何のお金だよww」とか「結婚式たった3時間で400万、レクサス買えるわw」とか、いろんな口コミや書き込みがネットにたっっっっっくさんあるので、まぁボッタくりというか高いと感じてる人の方が多いんだろうなとは思います。

結婚式場側の感覚

結婚式場の見積りってだいたいこんな感じだと思います。

項目 金額 内容例
料理 1,404,000 コース料理、デザートビュッフェなど
ケーキ 78,000 ウェディングケーキ
ドリンク 354,000 フリードリンク、ウェルカムドリンク
会場 350,000 披露宴会場使用料
挙式 240,000 牧師、聖歌隊、チャペル使用料
装花 220,000 ブーケ、会場装花、フラワーアイテム
衣裳 502,800 ウェディングドレス、カラードレス、タキシード
美容 113,000 アテンド、リハーサルメイク
写真 385,000 記念写真、アルバム
映像演出 45,000 エンドロール、オープニング、プロフィール
引出物 413,000 引出物、引菓子、記念品
ペーパーアイテム 65,000 招待状、席札、席次表、地図
司会 70,000
音響 70,000
サービス料 218,600 (料理+飲料+会場費)×10%
値引額 -526,400 〇〇特典
総額 4,002,000 アイテム合計-値引き
  • 都内の結婚式場
  • ゲストハウス
  • 60名
  • オンシーズン

これくらいの条件だと、これくらいの金額になるんじゃないでしょうか。で、これがボッタくりと言われるわけですが、じゃあ結婚式場はボロ儲けかというとそうではありません。まず上の見積りに原価を足すとこうなります。

項目 金額 原価率 原価 粗利益
料理 1,404,000 30% 421,200 982,800
ケーキ 78,000 25% 19,500 58,500
ドリンク 354,000 25% 88,500 265,500
会場 350,000 0% 0 350,000
挙式 240,000 50% 120,000 120,000
装花 220,000 40% 88,000 132,000
衣裳 502,800 40% 201,120 301,680
美容 113,000 50% 56,500 56,500
写真 385,000 55% 211,750 173,250
映像演出 45,000 55% 24,750 20,250
引出物 413,000 55% 227,150 185,850
ペーパーアイテム 65,000 55% 35,750 29,250
司会 70,000 80% 56,000 14,000
音響 70,000 80% 56,000 14,000
サービス料 218,600 60% 131,160 87,440
値引額 -526,400
総額 4,002,000 70% 1,737,380 2,791,020

<想定条件>

  • 衣装、装花などアイテム部門を内製し、かかる人件費は販管費の給与手当として計算
  • 会場費は原価ではなく販管費の地代家賃・減価償却として計算

ベストブライダルのようにすべてを原価で計算している会社であればもっと違う数字になると思いますが、上記の条件で計算すると「売上高総利益率(いわゆる粗利)が70%」というのはまあこんな感じじゃないかと思います。ちなみに原価率の数値根拠は私個人の経験から書いています(世の中に公表されているデータがないので)。

西野さんのブログの中にも「ああ、このクオリティーだと費用は2分の1か、3分の1で済んだだろうなぁ」とあるのでだいたいいい線だなと思いますw。確かにここまでを見ると、ボッタくりと思われても仕方なさそうですねー。。。

次に、販売管理費を足します。

項目 金額
売上 4,002,000
原価 1,737,380
売上総利益 2,264,620
地代家賃・減価償却 800,400
人件費 400,200
広告宣伝費 440,220
その他販管費 229,715
営業利益 394,085
営業利益率 9.8%

<想定条件>

  • 総工費:10億円、家賃:1,500万円
  • ゼクシィなどいわゆるブライダル媒体で集客
  • 月間25組施行、年間300組
  • その他販管費は本社にかかる費用等の配賦

上記の数値を組み合わせて販管費のそれぞれの金額を計算しています。どういう会計基準でやっている会社でも、営業利益率までもっていくとだいたいこれくらいの数字に揃ってきます。ベストやアイケイケイはもう少し高く、T&Gはもう少し利益低いです。

ここまで見えるとどうでしょうか。結婚式で支払われる金額のうち結婚式場の利益は10%弱なのでそんなに儲かってないわけですが、これでもボッタくりと思われそうですかね?業界の中で仕事してた期間の方が長いので、正直もう感覚がマヒしてて世間一般の感覚がわからないですが、この数字見せても、ボッタくりだ!っていう人はいそうな気がします。

このように、会場としては利益10%も出ていないのに顧客からはボッタくりだ!と言われるのが今のブライダル業界の厳しいところだと思います。ちなみに、今の結婚式場のビジネスモデルのまま販売価格を15%下げると経営的にはほぼ間違いなく立ち行かなくなりますね。

 

結婚式はなぜアップデートしないのか?

結婚式の代表的なテンプレ

  • 料理はみんなで同じコース料理
  • 乾杯はシャンパン
  • ケーキカットはゲストみんなで集まって写真、からのファーストバイト
  • 2時間半の披露宴のうち40分はお色直しで主役不在
  • 両家両親がお酒をもって上司席へ挨拶まわり
  • 粗相なく、かつオンスケで回せる司会進行
  • 決まっている席次
  • 独身女子のため(?)のブーケトス
  • 花嫁からの手紙でみんな泣いておひらき

他にもいろいろありますが、テンプレ感ある演出として認識されているのはこのあたりでしょうか。さて、このテンプレ構成は何で10数年以上前から変化しないのでしょうか?

新郎新婦・列席者側の理由

Crazy Weddingが登場してから自由な結婚式も以前より増えたようには思いますが、まだマジョリティはいわゆる普通の結婚式です。

  • 結婚式は1回だけだから失敗したくない
  • 自由な結婚式にはあこがれるけど、自分で見たこともないし想像できないことはやれるかどうかわかんなくて怖い
  • 結婚式の内容に親や親族の意見が反映されやすく、その世代の人たちは時代まだ自分たちのころの結婚式が普通と思っている
  • マクロな話として、そんなにみんなマインド強くない(ゲスト側は誘われたら断りにくい、新郎新婦側は普通と違うことして迷惑と思われたくない)

新郎新婦や列席するゲストのマインドとして「とにかく失敗したくない」「普通と違うことしてはずしたくない」と考えている人が多いのだと思います。そうすると、テンプレで飽き飽きしていたり先の展開が読めるような進行になったとしても、悪い意味で期待を裏切ることはないので、一定の安心感があります。ユーザー側の理由としてはこんな感じだと思います。

結婚式場側の理由

先ほども書いたように、ボッタくりと言われようが組単価を維持しないと利益がなくなって運営続けられないので、とにかくまず売ることが必要になります。

  • みんなが知っている商品の方が新郎新婦がイメージしやすいので売りやすい
  • 「みなさんやられていますよ」という営業トークが使える
  • 商品構成を変える必要がなく管理コストを最適化できる
  • 少品種大量仕入れをした方が取引先に対してコストメリットを出しやすい
  • 取引先(商品の仕入れ先)のスイッチングコストが高い(新郎新婦から特定業者とだけ取引して「マージンが乗っているから高い」とかよく言われるやつです)
  • 全く新しいことをして集客にマイナスの影響が出たら即死するリスクが高い

結婚式場側で商品革命が起こらない理由としてはこんな感じだと思います。T&GのTRUNKとかは普通とは違う感じがしますが(詳しくは知らないです)、上記のリスクを冒してまで新しいことにチャレンジしようとする企業がないのも実情でしょう。

アップデートされない理由をまとめると…

  • 普通と違うことをして失敗したくないと考える新郎新婦
  • テンプレ以外のことを商品化するリスクが高い結婚式場

両者とも、型にはまらない結婚式への憧れや期待はあるはずです。Crazy Weddingのホームページ見たらワクワクするし(働いている人もね)、いいなぁとか素敵だなぁとか思うんですよね。私も思いますし。

でも、じゃあ自分もやりますか?と言われると、いや私は普通で…、となるし、自社で取り組みますか?と言われると普通に打った方が利益率高いからやらない、と判断されているので、既存の枠組みからはアップデートが起こらないし進まないのだと思います。

 

結婚式をアップデートするならどうしたらいいのか?

じゃあどうしたら変化していくのか?ってことですが、何も起きない・起こさないと結婚式が少しずつ変化していくのではなく、少しずつ上げる人がいなくなっていく、になると思います。

西野さんのブログにもあるように、目指すべきアップデートを「自由であり安い」とすると、次のことを起こすことが必要だと思います。

自由にするために必要なこと

会場起点の取引先縛りをなくす

今の結婚式で選べる商品が限定されていたり、持ち込みに料金がかかる理由は、結婚式準備が会場選びから始まるのが理由です。ひいては、ゼクシィが強すぎるっていうのが理由ですね。結婚式場は知らなくても新郎新婦のほとんどはゼクシィを知っているのでまずゼクシィを見る。ゼクシィを見ると結婚式場が載っているので、まず式場から探す。式場を先に決めてしまうから、そこに紐づくアイテムから選ばなくてはいけなくなる。こういう流れ。

プランナーから選ぼうと、料理から選ぼうと、ドレスから選ぼうと自由、そんなゼクシィに変わるプラットフォームができると変わりそうです。

自由な結婚式の事例を作る、増える

マーケットが移り変わっていくには一定時間がかかります。今の時代で自由な結婚式を挙げている人たちはアーリーアダプターと言えるでしょう。この潮流が続いていって自由な結婚式への列席経験なども増えてくれば、新郎新婦の心理的なハードルも少しずつ下がってくるので、徐々に移り変わっていくのではないかと思います。

ただ、価格の低下とセットでないと厳しいとは思いますが。Crazyが思ったより伸びてない理由はこれもあると思います。もしCrazyが200万円台とかでできたらもっと伸びていたと思いますが、オリジナル・完全オーダーメイドにこだわると結婚式場の結婚式と比べると原価率が半端じゃないのでやっぱり難しいのかもしれませんね。勝手に応援してます!

価格を下げるために必要なこと

原価を下げる

個人的には「結婚式のクオリティ」の定義を見直してもいいと思っています。ブライダル業界で働く方々のスキルは本当に高いですし、プランナーだけでなく、ドレススタイリスト、シェフ、フローリスト、カメラマン、司会などそれぞれが持つ職人技とも言える技術は確かなものであることが多いです。そういった方々が日々高いクオリティを提供すること追い求めて技術を磨いているわけですから、細かいこだわりも持っている方が多いです。

ただ、すべてのユーザーが本当にそこまで求めますか?今のマーケットのニーズに合っていますか?っていう話で、必ずしも高い技術力でサービスを提供することがすべてであると考える必要はないんじゃないかなと思います(もちろん求めている人はいるので、クオリティを下げるべき、っていう話ではないですよ)。

日本の電化製品の研究開発と似ていると思っていて、誰がその機能必要としているの?っていうやたら細かいボタンとか細かな機能がたくさんついていて価格は高い、海外製品はめちゃめちゃシンプルで安い、どっち買う?みたいなもんです。

すべてがハイクオリティな商品だけでパッケージ化されているから高品質です、でも高いです、よりカスタマイズできてこだわりたいところだけ金かけられる結婚式の選び方みたいなのができるといいなと。ハイコスト・ハイクオリティの商品開発だけでなく、ノーマルクオリティ・超ローコストの商品開発も必要だと思います。

地代家賃を下げる

そもそも、もう新しい結婚式場いらなくないですか?需給バランス考えたら現時点で圧倒的に供給過多、しかも今後逆転することはない、となるともう新たに作る必要はないと思います。先ほどの原価・販管費のところでも書きましたが、結婚式の価格に相当乗っかってくるので、もし結婚式場じゃないところで、建設費を価格に転嫁させる必要がないところで、結婚式をすれば、その分だけ相当価格下げることができると思います。

広告宣伝費を下げる

ゼクシィの掲載費が高すぎるんですけど、ゼクシィの出稿止めると本当に集客落ちるんですよね、悲しいほどに。ただ、これも新しいプラットフォーム作るで解決できます。

人件費を下げる

先ほどのクオリティの定義の話と関わりますが、こんなに人件費かけてクオリティ上げなくてもいいんじゃない?と思います。それが1点。

あと、現場のIT化が進んでいないのも1つの理由かと。いまだに紙やFAXを使っていたり、マンパワーに頼っているオペレーションが山ほどあります。経営者の皆さん、ITをきちんと導入すれば劇的に改善されますので、ぜひ投資の意思決定を!

 

こんなサービスあると変わると思うなっていうイメージ

最後に、こんなサービスあるとアップデートできるんじゃない?っていうのを簡単にまとめて終わりにします。

スペースマーケットと、ブライダル人材特化のクラウドワークスが合体したサービス

これを作れば、アップデートできると思います!イメージだと、「the knot」が近いですかね。

場所×スタッフ×アイテム、この3つを1つのプラットフォームで組み合わせて自分でオンラインで設計できる、そんなサービスのイメージ。もう少ししたらプランナーに限らずブライダル業界のフリーランスも増えてくる(はず)なので、そうなってくるとこういったサービスを作る会社も出てくるかなーとは思います。もうあったらリサーチ不足、すみません…。

 

まとめ

冠婚葬祭は文化にも深くかかわるので移り替わりに時間はかかると思いますが、社会的にも30年前の10年と今の10年はスピードも違いますし、移り変わりの波が始まったらそこから先は早いと思います。雑記ブログでした。

 

おわり

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