更新日 2019年09月24日

2019年12月期第2四半期のツカダ・グローバルホールディングの決算について考察してみた

2019年12月期第2四半期のツカダ・グローバルホールディング

アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。

企業のIR情報を見て会社の状況や方針を理解できるのは、社会人としての重要なスキルの1つです。そこで、今回の記事では、ツカダ・グローバルホールディング(以下、ツカダ)の2019年12月期第2四半期の決算説明資料をもとに、その内容について考察してみようと思います。(注)本記事の内容はあくまで個人的な見解であり、投資向けに書いているわけではありません。この記事の内容をご覧になられて投資判断をされても一切の責任を負えませんのでご了承ください。

 

今回の第2四半期決算の概要

元となるツカダ・グローバルホールディングの2019年12月期第2四半期の決算説明資料は下記URLで見ることができます。
https://pdf.irpocket.com/C2418/hUeO/PUwy/v0su.pdf

決算概要

ツカダグローバルホールディングの2019年度第2四半期の決算分析_連結決算概要
数字がたくさんあるのでざっと見るべきポイントをまとめると

  • 売上高:前年比11億円アップ、計画やや下振れ
  • 売上総利益:前年比15億円アップ、計画比やや下振れ
  • 営業利益:前年比12億円アップ、計画比大幅上振れ
  • 当期純利益:前年比7億円アップ、計画比大幅上振れ
  • → 大きく上振れ、特に利益率が前期比でも計画比でも大幅に改善。増収増益。

とみてよいと思います。国内婚礼を主要事業として運営している企業の第2四半期までの決算はあまりズレることはないのですが、

  • 婚礼事業が上振れているので直近の受注が好調だった
  • 売上高総利益率が改善しているので原価率を想定以上に抑制できた
  • 売上が伸びているにもかかわらず販売管理費及び一般管理費をほぼ計画通りで進められた

こういった要因でこのような好調決算になったのだと思います。
また、事業別の概要を見てみると、下記の通りです。

  • 婚礼事業:海外施行の件数は減るも国内婚礼は100組強のアップで売り上げ増。また内製化が拡充したことでコストコントロールを実現→原価率の改善
  • ホテル事業:昨年対比横ばい
  • ウェルネス&リラクゼーション事業:通期稼働で売上増(ただし、金額的には大きくはない)

ツカダグローバルホールディングの2019年度第2四半期の決算分析_連結業績予想
通期の業績予測は上記の通りです。総じて、前期比で増収増益の決算予想となっていますね。
では次に事業ごとについても見てみましょう。数字はこちらで書いた通りなので、トピックについて簡単に触れていきます。

婚礼事業の今後の戦略

ツカダグローバルホールディングの2019年度第2四半期の決算分析_婚礼事業の今後の戦略
色々とこれから実施していく予定の施策について書いてあるのですが、抑えておいた方がいいポイントは下記の3つ。

  1. ブランド構築による販売強化
  2. ブライダルコンテンツの内製化の推進
  3. 海外での邸宅ウェディングの開発

1つ目のブランド構築は、ホテル、ストリングス、ゲストハウス、楽婚、家族挙式、この5つのブランドをマーケットフィットさせて販売強化を図る、というものです。対象となるユーザー属性ごとにブランドやサービスを分ける戦略をここまで取っているのはツカダとエスクリ(ルクリアモーレ、ブライディール、得ナビウェディング)くらいで、個人的には明確にサービスごとの違いを出せるのであればこのような戦略の方が推進しやすいのではないかと思っています(以下、参考記事)。

一方、こういった戦略を取るときに難しくなるのが社内の組織設計とオペレーション設計です。会場に紐づく同じ施行枠を異なる組織で同時に販売していくことになるので、評価上の利害関係が一致せず(会場所属のプランナーは自分たちで売りたいのに楽婚で勝手に売られて困る、という内容)、うまく運営が行かなくなることが往々にして起こります。そのあたりとセットで書くブランドの販売強化を進めていければ強いのではないかと思います。

2つ目のコンテンツ内製化は、内製化したコンテンツを外販することまで視野に入れているかどうかがキーかなと思います。内製化のメリットはコスト抑制と品質の安定化ですが、デメリットは業績が悪化した(受注が減った)時に内製化した部門が固定費としてコストに乗ってくるのでハイリスクハイリターンな経営になりやすいことです。そうなったときに外販にリソースを割けるという選択肢を取れるとリスクをヘッジできるからです。今回のリリースからは分からないですが、内製化したコンテンツ部門を今後会社としてどのように運用していくかは注目です。

3つ目は個人的に気になったポイントです。単純に、売れるのかな?と。海外ウェディングは列席人数が少ないので邸宅がいい!というニーズがあるかが自分の中でイメージがないので、今後この事業がどうなるのかは見ていきたいと思います。

フォト事業の今後の戦略

ツカダグローバルホールディングの2019年度第2四半期の決算分析_フォト事業の戦略
ツカダがフォト事業をしていることを知らなかったんですが(すみません)、フォト事業も今後強化していくようです。フォトウェディングに限らず、アニバーサリーフォトBtoB事業もスタートします。

ホテル事業の今後の戦略

ツカダグローバルホールディングの2019年度第2四半期の決算分析_ホテル事業の今後の戦略
今運営しているホテルをリニューアルしますよ、という話と、KIMPTON新宿ホテルが開業予定、という内容です。

どんなリニューアルをするかは書いていますが、なんでリニューアルをするのかは書いていないので背景は不明です。老朽化の修繕ついでのリニューアルなのか、業績的に厳しいからなのかはわからないですが、規模も大きくけっこう投資掛かると思うので、効果が出るかどうかはポイントになると思います。

W&R事業

ここについては特に詳しい記述はありませんでした。もしこれまでのユーザーデータを保持していてCRM施策を実行できると、こういったマネタイズコンテンツを運営していると施策との相性いいと思うんですけどね…。どうなんでしょう。

リラクゼーション事業

ツカダグローバルホールディングの2019年度第2四半期の決算分析_リラクゼーション事業

ウェルネス事業

ツカダグローバルホールディングの2019年度第2四半期の決算分析_ウェルネス事業

ツカダ・グローバルホールディングの2019年12月度第2四半期決算についてまとめ

ほんとに簡単にですが、決算説明資料をもとに考察を書いてみました。ブライダルの現場で働いていると企業のIR情報を見ることはほとんどないとは思いますが、他の会社でどんなことをやっているのか、起こっているか、ブライダルマーケット全体をどのように捉えて動いているのかなどがわかると意外と楽しいと思うので、この記事をきっかけにIR資料も見るきっかけになってくれればうれしいです。

この記事を書いた人

市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル3.0を実現する」をミッションに掲げ、ブライダル事業者向けマーケ支援、ブライダル特化の人材紹介、Leju(フリープランナープラットフォーム)を運営しています。マーケティング、事業企画が得意。

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