更新日 2020年02月16日

2020年3月期第2四半期のエスクリの決算について考察してみた

エスクリの2020年度第2四半期の決算分析_サムネイル

企業のIR情報を見て会社の状況や方針を理解できるのは、社会人としての重要なスキルの1つです。そこで、今回の記事では、エスクリの2020年3月期第2四半期の決算説明資料をもとに、その内容について考察してみようと思います。(注)本記事の内容はあくまで個人的な見解であり、投資向けに書いているわけではありません。この記事の内容をご覧になられて投資判断をされても一切の責任を負えませんのでご了承ください。

今回の第2四半期決算の概要

元となるエスクリの2020年3月期第2四半期の決算説明資料は下記URLで見ることができます。
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/21960/f4384ea0/1f06/4da0/ba84/9244cb763593/140120191112424678.pdf

決算概要

エスクリの2020年度第2四半期の決算分析_決算概要
数字がたくさんあるのでざっと見るべきポイントをまとめると

  • 売上高:前年比3.5億円アップ
  • 売上総利益:前年比6億円アップ
  • 営業利益:前年比6億円アップ
  • 当期純利益:前年比0.7億円アップ

となっていて、1Q終了時の決算状況からの変化を見ると、特に2Qの施行が多かったのでしょう(ちなみに、第2四半期終了時点の計画比は不明)。売上総利益は伸びていますが販管費は前年と変わっていませんので、その分ダイレクトに営業利益が伸びている、という構図になっています。また、事業別に見ると不動産事業がマイナス、ブライダルはプラスとなっているようです。
 

ブライダル関連事業の状況

エスクリの2020年度第2四半期の決算分析_ブライダル関連事業
国内結婚式場運営企業の決算で見るべきポイントは下記の3つです。

  • 新規受注組数
  • 受注残組数
  • 組単価

この数値を正しく見ることで、本業のブライダル事業の状態を外部からでもある程度把握することができます。

新規受注組数

2019年7月~9月末までの期間内の成約組数は前年比微減です。基本的に新規受注組数の結果は同じ期間中の施行件数や売上に数字として返ってくることはほぼありません、同期間内に結婚式を挙げる人がほぼいないからです(7月に申し込んで9月に挙げる人がいるかどうか、くらい)。そのため、この数値は未来の売上を予測するときの参考指標となります。
今回の決算では前年対比98.7%で前年割れしています。新規受注が落ち込むのは来館が少ないか成約率が低いかのいずれかが要因ですから、その要因分析と対策がどこまで取り組めているかが今後のカギになりそうです。

受注残組数

受注残組数は「受注済みかつ未施行の組数」なので新規受注が増えると増えますし、受注残組数×組単価予想が未来の売上になります。今回の発表では前年対比104.9%で伸びています。
あれ?新規受注は減っているのに?と思う方もいるかもしれませんが、2Q終了時点の受注残は2Q以前の成約実績にも影響されますし、それ以前に成約したお客様の施行月分布が遠目に偏っていると受注残は多くなりやすい構造になります(そのかわり当該期間の売上はへこむ)。それを考えると、1Q終了時点の受注残が前年比114%だったのが10%減っているので、2Qの施行が多かったがその間の新規受注が伸び悩んだため1Qまでに作った貯金をかなり使ってしまった、と読むのが妥当かと思います。

組単価

ほぼ横ばいですね。結婚式場運営企業は施行組数×組単価=売上、となるので、組単価が横ばいの場合はほぼ施行組数の増減がそのまま将来の売上に反映されていきます。
 

建築不動産関連事業

エスクリの2020年度第2四半期の決算分析_建築不動産事業
前期比で見ると売上、利益ともに大幅に落ちていますが、かつ計画通りとあるので特に問題であると言ったことはないでしょう。
 

その他の取り組み

プレスリリースに出ている内容はこのブログでもたびたび取り上げていますが、今回の決算説明資料で触れられている施策についても少しご紹介します。

海外直営施設の出店

エスクリの2020年度第2四半期の決算分析_海外直営施設
現時点のエスクリの事業規模を考えるとこの海外進出が売上面で影響を与えることは今のところほぼないでしょう(コスト面は知りませんが…)。海外事業もいいのですが、日本人向けリゾ婚でワタベやアールイズに続くポジションまで成長させることを狙うのか、海外to海外などの新しい路線を狙うのか、将来的にどのような絵を描いているのかなーっていうのは気になりますね。

医療ツーリズム事業への参入

エスクリの2020年度第2四半期の決算分析_医療ツーリズム事業
こちらも同じく当該期の決算に影響を与えることはほぼないと思います(同じくコスト面ではわかりませんが…)。どのブライダル企業も「結婚式を販売する」という事業一本でやっていくには頭打ちになりつつあるので、こういった他の切り口からの取り組みがどのように結びついていくのか、特に規模の大きい会社の取り組みは興味ありますね。
 

エスクリの2020年3月度第2四半期決算についてまとめ

ほんとに簡単にですが、決算説明資料をもとに考察を書いてみました。ブライダルの現場で働いていると企業のIR情報を見ることはほとんどないとは思いますが、他の会社でどんなことをやっているのか、起こっているか、ブライダルマーケット全体をどのように捉えて動いているのかなどがわかると意外と楽しいと思うので、この記事をきっかけにIR資料も見るきっかけになってくれればうれしいです。
 
おわり
 

市川 貴之

この記事を書いた人
市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル業界で働く人のよりどころに」をビジョンに掲げ、ブライダルコンサルティング、ブライダル業界専門の転職支援サービスを運営しています。お仕事の依頼は「お問合せ」、転職のご相談は「ブライダル専門の転職相談」からお受けしております。

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