
前回「今のユーザーが求めているのは本当にオリジナルウエディングなのか?」という記事を書きました。ここ数年ほどでオリジナルウエディングができることを謳う会場やウエディングプロデュースが増えてきているけど検索状況やSNSでは実はそんなことはなくて、もっと深くまで考えてマーケティングしないと集客に効果はないと思いますよ、という内容の記事なのですが、書いている途中で、そもそもユーザーが求めているもの、今の結婚式で批判を受けていること、不満と思っていることは何なのかな?と思い、今回の記事ではそれをまとめてみます。
#結婚式に自由を、とは?
「#結婚式に自由を」とは、結婚式のプロデュースやコンサルティングを行うCRAZY(本社・東京都墨田区)が2018年11月22日に投稿したハッシュタグ。特設サイトも開いており、ハッシュタグをつけてのツイッター投稿を呼びかるなどの活動もなされています。
だから結婚式はいつまでたってもアップデートしていかない。いいかげん、やめてくれよ。新郎新婦を純粋に祝わせてくれよ。新郎新婦が気を使わない式にしてくれよ。
Twitterのハッシュタグ「 #結婚式に自由を 」に寄せられた既存の結婚式や披露宴への不満。少子化やナシ婚を選ぶカップルが増えるなど過渡期を迎えているウエディングの慣習に様々な意見が、「いい夫婦の日」に語られました。
「結婚式に明確なルールはないけど、暗黙知のしきたりがある。考えてみると、結婚式はとてつもなく不自由じゃないか。このプロジェクトは、みんなが感じている本音の声から、結婚式を、もっと自由で多様なものにしていく活動です」と趣旨を説明。具体的には、「#結婚式に自由を」のハッシュタグをつけてのツイッター投稿を呼びかけたり、結婚式について考えるイベントを表参道で実施したりしていく。
「友達どこまで呼ぶ」「引き出物袋大きすぎ」 いい夫婦の日に拡散した「#結婚式に自由を」…メッセージの意味は?|BIGLOBEニュース
あくどい結婚式場のみなさん。
儲けることは悪いことではないけど、あまりにもひどい高額な持ち込み料とか式場カメラマン以外撮影禁止エリアをつくるとか、撮影した写真をすぐにデータでもらえないとか、あまりにも新郎新婦を無視したあくどいサービス今すぐやめたらどうでしょう?
あくどい結婚式ビジネス。カメラマンの持込料とか撮影禁止とかどれだけあくどい?#結婚式に自由を
などなど。多くの記事やブログなどで取り上げられ、11月22日の午前から昼頃にかけては、ツイッターで「#結婚式に自由を」がトレンド入りするなど多くの反響を呼び、しかもその反響のほとんどが、共感や同意であり、現状の結婚式への不満や批判、疑問を感じていることなどが多数投稿されました。
トレンドから見て取れる今の結婚式への不満とは?
では、具体的にどんな内容が多かったのかを見てみましょう。
「#結婚式に自由を」twitterでの不満や批判
- 引出物が重いし、カタログもいいものない
- 着ていく衣装もみんな同じようなものでワクワクしない
- 男は黙ってスーツ、堅苦しさ感
- 恥ずかしいし興味がない
- 準備が面倒くさい
- 中間マージンで必要以上のお金がかかる
- ご祝儀でお金かかる
- 牧師じゃない外国人のおじさんがアルバイトして、それに永遠の愛を誓っている
- 自由じゃない、堅苦しい
- ブーケトスやファーストバイトの大きいスプーン、上司の有難い祝辞。新郎新婦が本当にやりたくて選択してやってるの?謎
- つまらんくだらん儀式満載
- 結婚式はたしかにアナログ
- まず招待状が未だに紙ベースなのがとても疑問
- 呼ばれる側からすると、「その日は都合が悪くて行きたくても行けない」「三連休の真ん中とか勘弁してくれ」なんてこともある
- 非日常の特別なパーティーも素敵だけど、日常の延長くらいの気楽なお祝いの形ももっと認められていいんじゃないかな
- 持ち込み料とか、提携先の引出物とか、映像が何種類も必要です!とか、ファーストバイトとかとか
自由婚のページにあるハッシュタグ
- どの式も流れが同じ
- ケーキ入刀はシャッターチャンス
- お化粧室行くタイミングがわからない
- 引出物いるいらない
- バウムクーヘン率の高さ
- 引出物袋大きすぎ
- ゲストだってドレス選び大変
- 同じドレス着れない
- 白ワンピはNG
- 肩出しはNG
- ミニスカートはNG
- ヘアセットめんどくさい
- 1日ヒールで足が痛い
- 電報手配がめんどくさい
- 子連れだと参加しにくい
- 2次会まで移動しにくい
- 2次会も高い
- 2次会までの時間の使い方
- 2次会の悪ノリのゲームが苦手
- 多様性がない
- 相手が乗り気でない
- 式場に行かないと予約ができない
- 大安意識しすぎ
- 大安だと高すぎ
- そもそも大安ってなんだ
- 目立ちたくない
- 恥ずかしい
- タイミング逃した
- セレモニーが嫌だ
- 持ち込み料って何
- ご祝儀は3万円
- なぜか料理はいつもフレンチ
- ピン札ってどこで手に入りますか
- コンビニのご祝儀袋でいいですか
- お偉いさんのスピーチ長い
- スピーチは代替提携
- 上司どこまで呼ぶ
- 同期どこまで呼ぶ
- 部下どこまで呼ぶ
- 友達どこまで呼ぶ
- 呼ばれたら断りにくい
- 呼ばなくても気まずい
- 再婚だと挙げにくい
- 変なしきたり多すぎ
挙げていくとキリがないですが、だいたいこのような内容のものが多かったです。
表面化している「結婚式の課題」を整理してみる
整理するときの軸は「誰の不満か(新郎新婦側と呼ばれる側の意見)」と「何に対する不満か(お金、進行・内容)」にしました。
新郎新婦側の不満はやはり金額に対することが大きく、かつ進行や演出もどうしても定型化する。ゲスト側の不満も同様にお金出ていく割に毎回同じで面白みがない、ということでしょう。
これらの不満や批判を解決するには?
これをやったら全部解決するよ!ってことはないと思います。と言うより、この課題に対する捉え方次第で考え出す解決策も変わっていくでしょう。そもそも、今の業界に課題は無いと思っている人はほとんどいないと思いますし。
- 株式会社CRAZYが考えたら「IWAI」というサービスができた
- 株式会社メイションが考えたら「スマ婚」というサービスができた
- 株式会社カーロカーラが考えたら「weco」というサービスができた
- 株式会社アールキューブが考えたら「会費婚」というサービスができた
- 株式会社リクシィが考えたら「Choole」というサービスができた
他にもたくさんありますが、課題を解決するために新たな事業やサービスをリリースしたり、既存事業の見直しを行っています。ただ、それを考えるときに大事なのは、「今の課題を解決する」ことと「ユーザーにとって価値がある」ことは違う、ということです。
たとえ結婚式の費用が今の半分になったとしても、そもそもやりたいと思えるコンテンツになっていないと誰も買わないのです。不満を解決することはとても大切、でも不満だけ解決しても結婚式は増えないと思います。
まとめ
今の結婚式の不満は、かかるお金の大きさと内容のテンプレート化、に集約されると思います。一方、テンプレート化した内容でやたら高い売上を得ている(新郎新婦やゲストがお金を払っている)にも関わらず、ブライダル業界の給与は全業種の中でも下位の方なので、退職や離職も多いのが現実です。つまり新郎新婦も、ゲストも、働いているスタッフも誰も幸せではないんですよね。この理由は私はビジネスモデルが時代遅れだから、だと思っていますが、それについてはまた別の機会に書こうと思います。
おわり