更新日 2019年02月08日

CRAZY WEDDINGの特徴とは?ビジネスモデルを図解してみた

CrazyWeddingのビジネスモデル図解サムネイル

事業のビジネスモデルを理解することは、その事業やサービスがなぜつくられたのか、どんなことを強みとしているのかを体系的に理解でき、事業開発や個人の知識習得でとても勉強になります。ブライダル業界の中でも様々な特徴的なサービスがあり、その仕組みや違いを知ることで見えてくることも多いと思います。そこで、今回は「人生が変わるほどの結婚式を作るウェディングプロデュース集団」として有名なCRAZY WEDDINGのビジネスモデルを図解してみました。

CRAZY WEDDINGとは?

株式会社CRAZYが運営する、他にはないオリジナルウエディングを提供するプロデュースサービスです。プロデューサー、アートディレクターをはじめ6名からなる専任のクリエイティブチームを編成し、コンセプトメイキングからそれを余すことなく表現した空間装飾、演出プログラムなどが特徴。2012年創業以来、これまで累計1,000組以上の結婚式をプロデュースしてきた有名サービスです。
CrazyWedding-WebSite

Webサイト https://www.crazywedding.jp/
運営会社 株式会社CRAZY

では、このサービスのビジネスモデルを図解してみます。
 

CRAZY WEDDINGのビジネスモデル

CrazyWeddingのビジネスモデル図解v1.0
2012年のサービス開始以来、SNSでの口コミの広がりを中心に事業を大きく伸ばしてきたCRAZY WEDDING。ここ数年のオリジナルウエディングトレンドのきっかけとなったと言っても過言ではなく、個人的にも応援しているサービス。
結婚式は会場をまず決めてその会場が用意する商品を選んで決める、というのが今でも一般的。「結婚式といえばゼクシィ、の知名度が圧倒的」という業界構造に起因する側面もあるものの、長くそれが普通だと思っている人がほとんどでした。この方法だと契約後に打合せが始まるのでせっかく気に入った会場を決めても、衣装の持ち込みができない、希望する演出ができない、一つ一つの単価が高く予算的にあきらめざるを得ないなど、様々の制約の中で結婚式をつくっていかなければならず、本当の二人らしい結婚式をつくることは難しかったと言えます。
そこでCRAZY WEDDINGは、①結婚式のコンセプトから決めるプロデューススタイル、②プロデューサーとアートディレクターなど計6名からなる専属のクリエイティブチームが担当する、この2つの方法を取り入れ、これまでの結婚式とは一線を画す、洗練されたコンセプチュアルな結婚式を提供できるようにしました。結婚式場でケーキ入刀から中座、余興、花嫁の手紙、という「お決まり」の流れで行うのではなく、時間も、場所も、コンテンツも、空間装飾も、すべて二人次第にオーダーメイドで作り上げていくスタイルです。
せっかく一生に一度の結婚式をするのにみんなと同じことはしたくない、個性や自分たちらしさをみんなに伝えたい、というユーザーニーズをとらえたサービスコンセプトと、圧倒的なビジュアル(結婚式の様子をおさめた動画や写真は、これまでのゼクシィや結婚式場HPでは見たことのないようなものばかりだった)が瞬く間に人気を呼び、FacebookやInstagramなどのSNSで多くのフォロワーを獲得。結婚式を作る→SNSで紹介する→それを見た人が次のお客様になる、という好循環となり急速に成長してきました。実際、CRAZY WEDDINGで結婚式を挙げたカップルが式後にそのままCRAZYで働くようになった事例もあるようで、単に素敵な結婚式を提供するサービスというだけでなく、会社や働く人の持つビジョンも魅力の1つのようです。
ちなみに、ブランドマネージャの山川咲さんをはじめ創業時のメンバーはもともと異業種の出身者で、今でもブライダル業界の出身者は2名らしいです(何かの記事で見ました)。こういったメンバー構成も業界の常識にとらわれることないサービス開発ができた一つの理由なのかもしれませんね。CRAZY(創業時はUNITED STYLE)の創業時の話や山川さんの生い立ちなどがまとめられた書籍も販売されているので、興味あれば読んでみてください。
幸せをつくるシゴト 完全オーダーメイドのウェディングビジネスを成功させた私の方法

 

今後の展開の予想

最後に、これから先にCRAZY WEDDINGがどのようになっていくのかについて予想してみます。
自分たちらしい結婚式を挙げたい、というニーズは今後も大きくなっていくと思いますが、結婚式を挙げたい、というニーズ自体は縮小していくと思うので(参考記事)、爆発的な成長余地が市場に残されているかというとそこまでではないと思います。
事業のマネタイズポイントはお客様から頂く代金のみだと思います。つまり

  • 売上=施行組数×組単価
  • 施行組数=集客数×成約率

となるので、売上を伸ばすためには施行組数を増やすか、組単価を上げることが必要、施行組数を伸ばすためには集客数か成約率を伸ばすことが必要です。組単価と成約率はある程度成長してきた現在からさらに伸ばすのは難しいと思うので、現実的には「集客数をどこまで伸ばせるか」「集客を受け入れられるための受け皿(スタッフとサロン)をどこまで確保していけるか」この2点がポイントになると思います。
ここまでの成長を支えてきたSNSを中心とした集客はコストがかからないという強みがある一方、自分たちでコントロールしきれるものではなく、集客力の限界もあります(フォロワー数も最近は伸びが止まっているように見えます)。事業が成長して固定の人件費が大きくなってくるとそれを支えるための一定組数の施行を安定して行うことが必要になるので、そういった背景からか最近ではCRAZY WEDDINGのリスティング広告ややFacebook広告もよく見かけます。
創業3年くらいまではSNSで集客している→だから広告宣伝費が掛からない→だから適正価格で提供できる、というのもサービスコンセプトの1つになっていましたが、今はホームページから記載がなくなっています。このあたりの施策まで実行しているということは、投資してでも集客を取りにいっているということなので、安定した集客数をどこまで伸ばしていけるか、が今後の成長のキーになるでしょう。
また、組単価が高いというのも成長のネックの1つになるでしょう。中間マージンがない分アイテム単価は安いかもしれませんが、1組かかる人件費が通常の結婚式場とは比較にならないほど高いはずなので、組単価は平均すると700万~800万円程度になるんじゃないかなと予想しています。そうすると、「結婚式を挙げたい人」かつ「格式や伝統より個性を大切にしたい人」かつ「それだけのお金を払える人」だけがターゲットになるので、どうしてもターゲットとなるユーザー層は小さくなります。
これだけコストをかけて結婚式をつくるから圧倒的なクオリティを実現している、というのは事業の強みでもあるので、このモデルで事業を続ける以上この単価は仕方がないとして、このブランドをフックに他ブランドのサービスへの展開していく、というのも方法かと思います。
 

まとめ

CRAZY WEDDINGのビジネスモデルについて、簡単にまとめました。今後どのような事業成長を目指しているのかは私にはわかりませんが、先日の「#結婚式に自由を」をはじめ、想像を超える様々な取り組みを実行している会社なので、次はどんなことを仕掛けてくるのか、業界全体にどんなインパクトをもたらしてくれるのか楽しみです。
 

【参考書籍】

今回の記事で書いたビジネスモデルは「ビジネスモデル2.0図鑑」を参考にして作成しています。ビジネスモデルを体系的に理解するのでとても勉強になりますし、ブライダル業界以外の様々なサービスの仕組みや特徴を知ることができるのでオススメです。
ビジネスモデル2.0図鑑

市川 貴之

この記事を書いた人
市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル業界で働く人のよりどころに」をビジョンに掲げ、ブライダルコンサルティング、ブライダル業界専門の転職支援サービスを運営しています。お仕事の依頼は「お問合せ」、転職のご相談は「ブライダル専門の転職相談」からお受けしております。

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