更新日 2019年02月24日

Choole(現:トキハナ)の特徴とは?ビジネスモデルを図解してみた

事業のビジネスモデルを理解することは、その事業やサービスがなぜつくられたのか、どんなことを強みとしているのかを体系的に理解でき、事業開発や個人の知識習得でとても勉強になります。ブライダル業界の中でも様々な特徴的なサービスがあり、その仕組みや違いを知ることで見えてくることも多いと思います。そこで、今回は「ドレス・結婚式アイテム・結婚式場をオンラインで自由にアレンジして試着も見学もできる結婚式準備サービス」のChoole(現:トキハナ)のビジネスモデルを図解してみました。※2020年4月30日にChooleからトキハナにリブランドしました。

Chooleとは?

株式会社リクシィが運営する、結婚式場やドレスなどのアイテムを自由に選べる結婚式準備サイトです。サービス開始からまだ1年たっていませんが、都内の結婚式場で行われたリリースイベントには多くのブライダル業界関係者が集まるなど注目を浴びており、特にユーザーが、ドレスやフラワー、ヘアメイク、フォトグラファー、ビデオグラファーなどの各アイテムを、インターネット上で自由に選び、その上で結婚式場を決められるという点が特徴です。
choole

Webサイト https://tokihana.net/
運営会社 株式会社リクシィ

では、このサービスのビジネスモデルを図解してみます。
 

Chooleのビジネスモデル

chooleのビジネスモデル図解v3.0
gensen weddingを運営するリクシィが手掛けるサービス第二段。業界の暗黙の了解ともいえる結婚式場と特定アイテム業者の提携を自由化することをコンセプトにし、サービスリリース以降、掲載結婚式場やアイテムブランドを伸ばしてきています。
結婚式までの一般的な流れは、まず結婚式場に申し込み、それから具体的な内容の打合せを開始します。打合せの時にドレスや装花、引出物、写真などを細かく決めていくのですが、その際はその結婚式場と提携している業者の商品からしか選ぶことができず、もしそれ以外から選ぶと持込料を取られてしまうことがほとんどです。
一方ユーザー側のトレンドとしては、結婚式への価値観の多様化や費用の問題で、これまでの画一的な結婚式にはやる意味を見出せない人が増えてきており、結婚式を挙げるなら自分たちらしい結婚式にしたいというニーズが増えてきています。そのため、これまでの「結婚式場が提携するアイテムから選ばなければいけない」という点に疑問を持つ人が増え、最近ではInstagramなどで自分の好きなものを見つけて、結婚式場に持込みを交渉する人も増えてきているようです。
そこでリクシィは、自分たちの好きなものだけで、適正な価格で、持込料もかからず、自由に結婚式を挙げられるサービスとしてChooleをリリースしました。このサービスによって、ユーザーの価値観の多様化や費用の問題を解消し、結婚式自体を増やすことを目指しています。ちなみに、Chooleは「Choose+Style」の造語が由来だそうです。
Chooleを利用する際の流れは、まずサイト内のマイページで自分の気に入ったアイテムや式場を探すことができます(Chooleと提携している業者のみ)。次にLINEやチャット、メールで試着・見学をし(この点もユーザーは手軽で便利)、実際に見学や試着後に申し込み、となります。これによって、アイテム選びが自由になるだけでなく申し込み前にある程度のアイテム構成がクリアになることから「申し込み後に見積り100万円上がる問題」も同時に解決することができます。
まだリリースから間もないので、現時点で実績などはわかりませんが、業界構造的な課題解決にチャレンジしているサービスですし、参画している企業も増えてきているので、今後に期待ですね。
 

今後の展開の予想

サービスを利用する際のユーザーフローが一般的な媒体やカウンターと異なりますが、結婚式場やアイテム業者にユーザーを送客し、発注や申込が発生すると成功報酬として売上が立つ、というモデルだと思います。CVポイントが試着や見学予約なのか申込なのかはわかりませんが、とすると、

  • 売上=成約数×成功報酬料率
  • 成約数=サイト登録者数×サイト内CVR

そのため、売上を伸ばしていくためには、

  • サイト登録者数を増やすためのメディアパワーの向上が必要
  • サイト内で登録や予約を促すために高いユーザビリティの実現が必要
  • 掲載会場やアイテムを増やすための法人営業力が必要

となるはずです。
まずメディアパワーを増やすためには、SEO、SNS、広告運用の最適化などの手段を徹底的に突き詰めていくのが基本戦術となりますが、

  • SEOは、サイトコンテンツ量は提携先が増えてくれば自然とかなり増えてくるはずなので、ECサイトのようにサイトの内部設計が重要になるはずです。特にウェディングドレスなどアイテム系のキーワードは検索ボリュームが大きいですから、/itemsのディレクトリ以下の構成をきちんと設計し、アイテム系テールワードでセッション取れるようになるとかなり強くなれるのでは?と思います。また、MAGAZINE(/articleのディレクトリ)にも力を入れているようなので、ここの成果もキーになるでしょうか。
  • ウェブ広告は、リスティングはたまに見かける程度で、他は分かりません。一般的なブライダルフェアや地域+結婚式場などの競合性の高いKWを避け、サービスコンセプトに合致するKWに絞って運用しているものと思います。
  • SNSはFacebook、Instagramのアカウントがあり、Instagramに特に力を入れているようです。まだ同業他社のアカウントに比べるとフォロワー数も少ない状態ですが、今後どこまで伸ばせるか、卒花とのコネクションを活かしていければ、といったところでしょうか。

このような点がポイントにとなると思います。これまでのサービスとユーザー側のフローが大きく違う上に、ユーザー側からは見えにくい(パッと見で理解されにくい)ところが特徴のサービスなので、ブランド認知されるまでは地道に取り組みを続けていくことが必要になりそうです。ただ、特にSEOは後述する法人営業で提携先が増えてくれば並行して伸びる仕組みになっていると思うので、そこもポイントになると思います。
また、ユーザービリティの点では、「どのように使えばいいのか」をまずユーザーに分かってもらう、ことが一番大事かなと思います。今あるサービスと似てるけど全然違うサービスなので、何ができてどんなメリットがあって、どう使えばいいか、これをスッと理解させられてかつ導線にストレートな設計ができるといいと思います。
最後に、法人営業についてですが、会場側からするとどこも究極的にはChooleと提携して売上が伸びればいいわけなので、サイトパワーの増強とこちらもリンクしてくるはずです。「提携してくれれば月間10組来館増えますよ」と言えれば強いですよね(当たり前ですが…)。普通に考えると結婚式場側からするとこれまでの取引モデルを根底から変えなければいけないのでアレルギーは大きいはずです。現時点で掲載されている会場を見ると、クリエイティブ系のプロデュースサービスでよく使われている会場が多いのはそういった理由からでしょう(HOTEL EMANONやLOVE KINGDOMなど)。大手系の会社を攻めていないのか攻めにくいのかまでは分からないですが、今後ホテルや大手系ゲストハウスなどが載ってくるようになると選び方の多様性も上がるので、より強くなりますね。
これから先どのくらいのスピードの事業展開を想定しているのか、どのようなエリア進出をしていくか次第ですが、業界の構造的な課題を経穴できるサービスだと思いますので、今後が楽しみです。
 

Chooleのビジネスモデルについてまとめ

Chooleのビジネスモデルについて、簡単にまとめました。結婚式場と提携するアイテム業者の関係が変わると、各企業の利益構造も大きく変わりますし、アレルギー反応を示す企業も多いのではないかと思います。ただ、ブライダル業界全体で見るとジリ貧になってきていますし、構造的な課題はいつか誰かが解決に向けて動かなければいけないとも覆います。今後はどんなことを仕掛けてくるのか、業界全体にどんなインパクトをもたらしてくれるのか楽しみです。
 

【参考書籍】

今回の記事で書いたビジネスモデルは「ビジネスモデル2.0図鑑」を参考にして作成しています。ビジネスモデルを体系的に理解するのでとても勉強になりますし、ブライダル業界以外の様々なサービスの仕組みや特徴を知ることができるのでオススメです。
ビジネスモデル2.0図鑑

市川 貴之

この記事を書いた人
市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル業界で働く人のよりどころに」をビジョンに掲げ、ブライダルコンサルティング、ブライダル業界専門の転職支援サービスを運営しています。お仕事の依頼は「お問合せ」、転職のご相談は「ブライダル専門の転職相談」からお受けしております。

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