更新日 2018年09月24日

成約率を最大化するための新規プランナーのアサインルールとは?

新規プランナーのアサインルール

新郎新婦が来館した際に、どの新規プランナーがどのお客様の接客に出るかを決めることをアサインと言いますが、新規プランナーのアサインルールはどのように決めていますか?決め手としてはお客様の雰囲気との相性、成約率、一律に順番、など様々な方法がありますし、アサインを決めるタイミングも、前日までに決める、当日来館されてアンケートを書いてもらっているときに決める、など会場によって異なるようです。新規の目的とアサインルールが合致しているればいいのですが、あいまいなルールで運用してしまうと、スタッフごとの不満につながったり成約率に結びつかなかったりと、デメリットが多くなってしまいます。そこで、今回の記事では「成約率を最大化すること」を目的とした場合のアサインルールの基本的な考え方と方法についてまとめました。

新規プランナーのアサインとは?

アサインとは、会場に来館された新郎新婦の接客をどの新規プランナーが担当するかを決めること、です。毎回その場のノリで決めている、という会場はないと思うので何かしらの方針やルールに沿ってアサインを決めていると思います。
新規プランナーのアサインルールとは
アサインルールを設定し、新規プランナーをはじめ関係者に周知・浸透してくことは実は非常に重要で、適切なアサインルールが定まっていると以下のようなメリットがあります。

  • 会場全体の成約率が上がる、売上が伸びる
  • アサイン権を持った責任者の力量によって業績がぶれることが少なくなる
  • アサインの不公平感が減り、スタッフが納得感をもって業務にあたることができる
  • 評価制度と連動しているので評価の透明度が上がる

他にもたくさんありますが、大きく分けると上記4つが最大のメリットと言えるでしょう。では、これらのメリットを得るために必要なアサインルールとはどのようなものでしょうか?アサインルールを決定するうえで重要なのは、

  • どんな基準でアサインを決定するか
  • どのタイミングでアサインを決めるか

この2点。これを決めるために必要な情報と成約率を最大化することを目的とした場合の具体的なルール案について次に見ていきましょう。
 

アサインルールを決めるうえで必要な情報

来館前の新郎新婦の検討状況

アサインを決める基準を作るうえで、どんな情報を事前に確認できるかは非常に重要です。具体的には

  • 結婚式を検討している時期
  • 希望する曜日・時間帯・お日柄の条件
  • 招待予定の人数
  • 見学件数(初見か数件目の見学か)
  • 既に見学済みの他社会場、またはこれから見学予定の他社会場
  • 見学に来る人数(新郎新婦か、新婦のみか、など)
  • 見学可能な時間(3時間OKか1時間限定か)、など
  • 想定予算
  • こだわりたい結婚式の内容

といった点です。これらの条件をもとに、お客様ごとの期待成約率(どれくらい成約になりそうか)を想定し、それに合わせてアサインを決めていくことになるのでこれらの事前情報が必要です。例えば、

  • 来年の春~夏希望で曜日・時間帯・日柄のこだわり無し(今から9か月後で空いている枠が多数)
  • 80名程度を想定していて会場の平均人数以上
  • 初めての見学で他の会場の予約はなし、よければ決めたいと思っている
  • 新郎新婦の2名来館で3時間OK
  • 想定予算は400万くらい

こんな情報が事前にわかっていたら、どうやっても成約決めたいですし期待成約率も相当高いですよね。逆に1時間しかいられませんとか、すでに10件目の見学です、とか予算は70名で120万円で挙式と披露宴希望です、とかの場合はどんなにいい新規をしても期待成約率は低くなりそうです。アサインを決めるうえで、このお客様はどれくらい成約を取れそうか、これが事前にわかることはしつこいですが重要なので、来館予約確認電話やギリギリ来館時のアンケートシートなどで情報取得を目指しましょう。
こんなにたくさん情報を取れないよ…という場合、最近では来館前の顧客対応精度の向上や正確な情報取得を目的としてコールセンターを導入する式場も増えてきていますので、参考記事としてリンクをのせておきます。

結婚式場のコールセンター導入は何がメリットなのか?

業績達成に向けて必要な成約内容の優先順位

結婚式は成約から売上を計上するまで時間がかかります。平均すると半年~8か月程度、短くとも3か月、長いと1年以上先の申し込みの場合もあるでしょう。そのため、いつの売上をいくらにするかを考えるのであれば、その数か月前から営業戦略を緻密に立てていくことが必要です。特に上場企業の場合は四半期ごとの決算発表が必要ですし、公表予算と乖離が出てしまって修正を発表するのは避けたいわけです。
フラットな状況であれば、できるだけ単価の高いお客様(招待予定人数が多い、予算が大きい)を1組でも多く成約取りたい!と考えるのが普通ですが(それが一番売上最大化につながるので)、通期または四半期ごとの業績(売上)進捗次第では、特定の月の成約が必要となることもあるので、その進捗を正確に把握し「今月は何月の成約が必要で、その緊急度はどの程度か」を事前に共有しておくことが重要です。
例えば、

  1. 1年以上先のシーズンを検討していて、100名、予算400万円想定の新郎新婦来館3時間OKのお客様
  2. 2か月後にマタニティウエディングを希望、30名、予算100万円想定の新婦のみ来館のお客様

この2組よ来館予約が入ったときに、どちらの売上期待値が高いですかと言われれば間違いなく1のお客様ですが、どちらの緊急度が高いですかと言われれば、その時の進捗による、というのが回答になると思います。直近の売上進捗が良好であれば直近希望者の優先度は高くないので1のお客様の方が優先度は高くなると思いますが、直近進捗がビハインドしている状況であれば2のお客様の方が優先度が高くなるのです。
このように、そのタイミングごとにどういった内容(具体的には希望時期と想定予算)のお客様の重要度が高いのか、を常に把握してくことが必要です。

所属する新規プランナーの成約に関するデータ

会場のアサイン権をもつ責任者は、所属する新規プランナーごとの成約に関するデータはできるだけ細かく、正確に把握しておきましょう。単純な成約率だけではなく、

  • 全接客の成約率
  • 新婦のみの場合の成約率
  • 直近希望者の成約率
  • 1年以上先の希望者の成約率
  • 接客に出る曜日・時間帯ごとの成約率
  • 成約時の平均値引額
  • 成約時の平均申込人数

など、取得できるデータはできるだけ定量的に算出しておくことが望ましいです。顧客管理システムや接客データを格納しておけるデータベースを持っている会場や企業であれば、これらのデータを定型化していつでも見られるようにしておきましょう。そうでない場合でも、簡単なエクセルでもいいので日報フォーマットのようなものを作れば上記のデータくらいは集計可能なので、ここは手間を惜しまず準備するべきだと思います。
新規のアサインルールを決めるときに必要な情報
では、これらの情報を組み合わせて最適なアサインルールを組んでいきましょう。
 

成約率を最大化するためのアサインルール

アサインの基準

ベースとなる考え方は以下の通りです。
業績進捗において最も重要度が高い新郎新婦に、最も期待成約率のプランナーが当たるようにする
業績進捗における重要度の考え方は先ほど書いた通りで、フラットな進捗状態であれば売上期待値が高い順に重要、となりますし、特定の時期の受注進捗が遅れている場合はその時期を希望するお客様が最優先となります。
期待成約率は、プランナー別の成約に関するデータをもとに総合的に判断することになりますが、基本的には合計成約率の高さで判断するといいでしょう。ただ、男性プランナーで新婦のみの接客を苦手にしている方や、短時間接客を苦手としているプランナーなどもいるので、その辺りは臨機応変に期待値判断できるといいと思います。
成約率を最大化させるための新規のアサインルール
これとは逆に、成約取れそうなお客様に経験が浅いプランナーをアサインして逆に難しいお客様に熟練のプランナーをアサインし、全案件で成約を取りに行こうとするアサイン方法もありますが、ギャンブルアサインの要素が強くなり逆にすべての案件で成約を取れないリスクも上がります。どんなに頑張っても成約率は100%にならないですし、企業としては瞬間的な売上拡大よりも永続的な成長や維持を目的としているわけですから、リスクを最小限に減らすことが最終的に成約率や売上を最大化することにつながるのです。アウトコース低めギリギリの絶妙なスライダーは打てなくても、真ん中付近のストレートを確実に打てれば3割打てるのと同じです。成約取れそうなお客様に成約取れそうなプランナーをアサインしましょう。

アサイン決定タイミング

タイミングはできるだけギリギリのほうがいいでしょう。できれば来館後、アンケートを回収した後に決めるくらいでもいいと思います。理由は2つあります。

  • 事前にアサインを決めておくと、来館キャンセルがあったときに最も成約率が高いプランナーがアサインされない(接客に出られない)リスクがあるため
  • 少しでも多くの情報をもとにアサインを決定することができるため

これらを回避するために、来館後アサインがオススメです。来館予約時の情報をもとに前日などに接客シナリオを打合せすることなどもあると思いますが、実際の接客担当まで決めてシナリオ設計するのではなく、お客様ごとにシナリオ担当を決めてそれを事前に共有するフローの方がこのタイミングでアサインを決めるのであればあっていると思います。シナリオMTG用のフォーマットの統一、ドライブや共有フォルダなどでの共有フローの構築、運用が必要ですが、それほど大きな手間ではないと思いますので、ぜひ検討されてみてはいかがでしょうか。
 

成約率最大化アサインルールを実行したときの注意点

最後に子のアサインルールを実行しようとしたときに、注意すべき点も述べておきます。

アサインルールと合致した評価指標の設計

先ほど書いたようなルールにした場合、期待成約率の高い(=スキルの高い)プランナーに接客が偏ることになります。そのため、一律で決められた成約目標だと(リーダーは8件、メンバーは3件、など)、運用実態と目標の不整合が起こり評価が最適ではなくなってしまいます。
メンバーAは目標3件で15回も接客出て7成約で高い評価だった一方、メンバーBも目標3件なのに1回しか接客出られず低い評価だった、という感じです。メンバーAの方が期待成約率が高いのであれば売上最大化するためにはこれが最適なアサインなのですが、評価制度上、これではBはモチベーションも保てませんし最悪辞めてしまうかもしれません。
そのため、成約期待順(=アサインされるであろう順番)に目標件数を振り分け、想定される接客数と合致するような目標を組むようにしましょう。そうすると目標と整合性が取れます。ちなみに、そうすると高い目標を与えられたメンバーから不満が出やすくなりますが(メンバーAから私はこんなに成約取っているのに給与が変わらないのはなぜか?といった不満)、成約絶対数ごとにインセンティブを付けたり昇格条件に合計成約数を付けるなどして調整かけられるといいと思います。このあたりの新規プランナーの評価制度は別記事でいずれ書こうと思います。

一度決めたルールは何があっても徹底して運用する

実はこれが一番難しいと思います。先ほども書いたようにこのルールで運用をするとどうしても接客数に差が出ますし、新卒や中途で新たにジョインしたメンバーが接客に出るまで時間がかかります。そのため、同じ会場内で仕事をしていて来館数が厳しい場合などに、温情アサイン(ルールに反してスキルが低い、経験が浅いメンバーに成約取れそうなお客様をアサインすること)がされやすくなります。しかしながら、一度決めたルールがコロコロ変わる方がデメリットが多いので、アサイン権を持つ責任者は鉄の心で徹底することが重要です。アサインルールがブレないことがメンバーにとっても一番重要なのです。
 

まとめ

今回の記事では新規プランナーのアサインについてまとめました。ルールをどうやって組むかももちろん大事ですが、一度決めたルールの運用を徹底する、というのも同じように大切です。結婚式場の仕事では日々いろいろなことが起こりますが、ルールとして守るべきところと臨機応変に対応していくべきところをしっかりと判断しながら、業務を進めていきましょう。
 
おわり

市川 貴之

この記事を書いた人
市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル業界で働く人のよりどころに」をビジョンに掲げ、ブライダルコンサルティング、ブライダル業界専門の転職支援サービスを運営しています。お仕事の依頼は「お問合せ」、転職のご相談は「ブライダル専門の転職相談」からお受けしております。

CATEGORY同じカテゴリーの記事