更新日 2018年09月16日

結婚式場の集客にオウンドメディアって意味あるの?メリットとデメリットとは?

結婚式場が運営するオウンドメディア

数年前からオウンドメディアの構築・コンテンツマーケティングに取り組む企業が増えてきています。これまでSEOコンサルティングを生業としていた会社を中心に、オウンドメディア構築の提案をするウェブサイト制作会社や広告代理店も増えてきていて、営業を受けたことのある集客担当者も多いのではないでしょうか。集客にお金がかからない、作ったコンテンツが会社としての資産になる、競合他社と差別化できる、など一見メリットしかないような施策にも思えますが、もし実行するとしてもその中身をしっかりと理解し、自社会場やブランドにフィットするかどうかを十分に検討すべきだと思っています。そこで、今回の記事では、オウンドメディアとは何か?結婚式場の集客にオウンドメディアマーケティングに取り組むべきなのか? について、説明します。

オウンドメディアとは?

オウンドメディア(Owned Media)とは、直訳するとOwned=自社が所有するMedia=メディアのことで、例えば、会場の公式HPやブランドサイト、プランナーブログ、SNSアカウントなどがそれにあたります。ただ一般的には、これらのうち企業が運営するコンテンツメディアやブログなど、自社で運営している記事コンテンツを量産しているメディア・サイトのことをオウンドメディアと呼んでいることが多いでしょう。
オウンドメディアはペイドメディア、アーンドメディアと合わせてに「トリプルメディア」と呼ばれ、意識して使い分けているかはさておき、結婚式場がユーザーを集客するために利用するメディアを分類して考えられています。それぞれの概要は以下の通りです。

  • オウンドメディア(Owned Meia):自社が所有するメディア→ブログや記事コンテンツなど
  • ペイドメディア(Paid Media):広告費を払って広告を掲載するメディア→ゼクシィやウエディングパークなど
  • アーンドメディア(Earned Media):SNSなど自然拡散するメディア→FacebookやInstagramアカウントなど

トリプルメディア、オウンドメディアとは
これまでの結婚式場の集客は、ゼクシィやウエディングパーク、みんなのウェディングなどのメディア(=ペイドメディア)に広告を掲載して集客する方法がほとんどでしたが、ここ数年ほどはFacebookや特にInstagramのアカウントを運用したり(=アーンドメディア)や、自社で運営するサイトのコンテンツを拡充したり(=オウンドメディア)など、複数のユーザー獲得導線を組み合わせて使うようになってきていると思います。
結婚式場集客におけるオウンドメディア施策では、結婚式に関する一般的なことやお客様の事例、Tipsなどの記事コンテンツを制作し、それを起点にオーガニックまたはSNSからユーザーを集め、最終的に自社会場の来館予約や資料請求に結びつける、という導線を引くのがスタンダードな方法だと言えるでしょう。
結婚式場のオウンドメディア施策全体像
理屈上はこのようなスキームで施策を設計していくことになりますが、ではこの施策は本当に効果があるのでしょうか?もちろん、やり方や予算のかけ方、目標とする数値によって実現の難易度や成果は変わってくるものの、この方法で実施する場合のメリット、デメリットについて次に書いていきます。
 

結婚式場がオウンドメディアを運営するメリット・デメリット

メリット

  • コンテンツ増強でサイトセッション増える、会社の資産が増える
  • ブライダル媒体以外の導線で来館予約が増えるので、経路の食い合いではなく純増が可能
  • 直接的な広告宣伝費がかからないので費用対効果を改善できる
  • メディアのブランディングがブランドや会社のブランディングにつながる

一般的な記事コンテンツを入れていくメディアを想定した場合、まずシンプルにサイトに集まるセッション数、ユーザー数が増えます。BSに計上するかどうかはさておき、安定的にセッションを獲得できるウェブサイトというのはある意味「無形資産」なので、それを持てるというのは一つのメリットでしょう。
オウンドメディアを無事にリリースし、安定して来館予約を獲得できるまで成長した場合、ここから集客できる顧客層はゼクシィやみんなのウェディングなどブライダル媒体の顧客層とはまったく別になるでしょう。サイトに至るまでのユーザー導線が全く別だからです。ペイドメディアのどこかを強化すると他の媒体からただ経路が変わっただけで総数は変わっていない、ということも起こり得ますが、この施策の場合はそのようなことが起こらず、来館が純増することが期待できる、というのもメリットと言えるでしょう。
さらに、安定した来館予約を獲得できるまで成長したとしても、直接的な広告宣伝費はかかりません。最初の接触は自然検索またはSNSからサイトにユーザーが来訪するところから始まるので、集客にお金がかからないのです。昨今では媒体の掲載費用も高くなってきており、広告宣伝費の抑制に苦慮している会場も多いと思いますが、きちんと成果を上げられるとどの方法よりも最も効率のよい集客経路になるのです。
また、メディアのブランディングに成功すると、メディアを運営している会社やサービス全体のブランディングにもつながりますので、集客はもちろん、採用などにもつながることが期待できます。

デメリット

  • ブライダルSEOは大手媒体を中心に競合が強いので検索結果画面の上位表示への難易度は高い
  • 自社メディアのセッション獲得から来館予約に結びつけるまでの導線が遠い
  • 施策に取り組んでから成果が出るまで時間がかかる(セッション獲得まで半年、CVを安定的に獲得できるまで1年は必須)
  • 運用にかかる工数が想像以上に大きい

まず前提として、ブライダル業界のSEOはすでに激戦区だと思って間違いないでしょう。みんなのウェディング、ウエディングパーク、ゼクシィなどのブライダル媒体が様々なコンテンツを作って幅広いキーワードを抑えてしまっています。そこに新たに踏み込んでいくので簡単ではないということは理解しましょう。もちろん、まったく抵抗不可能というわけではないですし、またスポットで空いている穴場のキーワードなどもあるので、自社のリソースで作れるコンテンツと競合の状況、ユーザーの検索ニーズを把握したうえで設計することが大事です。
次に、セッション獲得から来館予約までが遠いのもデメリットというか難しい点でしょう。上位表示を狙うキーワードにもよりますが、一般的には準顕在層が検索するようなゾーンを狙って設計していくことが多いと思うので、すぐ来館予約までのアクションを行う顕在層というわけではないでしょう。その場合、サイトのセッションは増えてきたけど来館予約に全然結びつかない…、ということが起こりやすくなります。
また、施策を開始してから成果が出るまでの時間はかなりかかると思います。コンテンツを作ってから上位表示されるまでの期間、SNSアカウントを運用してフォロワーを獲得するまでの期間、サイトセッションが増えてから来館予約に結びつくまでの施策を実施する期間、来館予約から売上につながるまでの期間…。通常の広告出稿は出稿したらすぐに結果になって返ってきますが、オウンドメディアの場合はその何倍もの時間がかかるので、そのリードタイムの設計と関係者の認識合わせは必須と言えるでしょう。
さらに、運用にかかる工数も意外と大きいのもデメリットです。コンテンツの制作体制をどのように設計するかにもよりますが、内部で制作する場合はその工数がかかりますし、外注を使ったとしても編集やサイト管理のための工数は絶対に必要になります。
結婚式場のオウンドメディア施策のメリット・デメリット
これらのメリットやデメリット、難しい点を実施前にきちんと理解したうえでしかるべき検討をし、そのうえで取り組むべきか、取り組まないべきかの意思決定をするようにしましょう。小綺麗なサイトを作ってそれっぽいコンテンツを作ったら集客できてウハウハ、みたいな話では絶対にないので、怪しいSEO会社の営業などに惑わされないように気を付けてくださいね。
 

オウンドメディアを運用すると決めたら大切なこと

さて、ここまで施策についての概要と実施する場合のメリット・デメリットについて書いてきましたが、最後に、実施すると決めた場合に取り組む際に重要だと思うポイントについてまとめたいと思います。

1.最初の設計が非常に大事、いきなり始めない

どうもSEO会社の営業を聞いていると、お金がかからず簡単に集客できる魔法の施策かと勘違いしてしまうような話も出ているようですが、オウンドメディアの構築はそんなに簡単ではありません。
どんなターゲットに、どんな情報を、どういうテイストで届けるのか、というマーケティングの上流設計はもちろん、サイトの構成、SEO対策、コンテンツ制作体制の安定稼働、コンテンツディレクションなどオペレーションの設計・運用レベルで決めていかなければいかないことが山ほどあります。
このコンセプトからオペレーションまでの設計が適当なまま始まってしまうと、メディアとしてもすぐにブレてしまいますし、担当者もやってもやっても成果が出ないのでモチベーションが続かなくなってしまいます。
オウンドメディア施策に取り組むと決めたのであれば、とにかくできる限りの準備をしっかり整えてから始めるほうがいいでしょう。特に初めての場合は想定外の出来事の連続だと思うので、専門家に相談して進めていくことをオススメします。

2.成果まで時間がかかることを経営レベルで認識する

担当者レベルだけではなく、経営の意思決定者レベルで「成果が出るまで時間がかかる」ということを認識しておく必要があります。成果が出るまで時間がかかるので、上層部の理解が甘いと、会社や会場の営業状態によって予算が減らされたり、人員リソースが減らされたり、最終的に企画自体がストップになったり、といったことが起こりがちです。そうするとせっかく進んでいた企画も止まってしまうので、念には念を押して確認しておくようにしましょう。最初の1年は定量目標に加えない、くらいでもいいかもしれません。

3.目に見えないコストがかかるので、必要な時間は先に必ず確保しておく

担当者レベルでは、先にこの施策にかかる時間を確保しておくようにしましょう。理想は専任で担当者を置ければいいですが、そんなに余裕のある会場や会社はほとんどないと思うので、多くの方がマーケティング業務やプランナー業務の片手間で担当することになると思います。
数字につながりにくい、工数掛かって大変、(でもきちんと成功したら大きなリターンがある)、というタスクを、本業を持っているスタッフが片手間でやったらほとんどの場合タスクが後回しになってしまいます。マネジメントをする立場の方や、オウンドメディア施策のプロジェクトマネージャはタスク設計時に先にこの施策の時間を割り当てるようにしましょう。
 

まとめ

「オウンドメディア」は最近ある種のマジックワードのように、お金のかからない有料集客施策としてもてはやされていますが、実際はしっかりとした準備と安定した運用を続けることで初めて成果につながる施策です。今回の記事では概要と注意点を簡単にまとめただけですが、もし実行する際は特にSEOの専門家などに確認しながらサイト制作を進めたほうがいいでしょう。
 
おわり

市川 貴之

この記事を書いた人
市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル業界で働く人のよりどころに」をビジョンに掲げ、ブライダルコンサルティング、ブライダル業界専門の転職支援サービスを運営しています。お仕事の依頼は「お問合せ」、転職のご相談は「ブライダル専門の転職相談」からお受けしております。

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