更新日 2019年03月27日

大手ブライダル媒体のプレゼントキャンペーンは一体いくら払っているのか試算してみた

ブライダル媒体のキャッシュバックキャンペーンについての考察

ここ数年、ブライダル媒体各社のキャンペーンが過熱しています。マイナビウェディングやハナユメ、ゼクシィなどの大手媒体でもそうですし、gensen weddingやプラコレなど、多くのサービスで実施されています。結婚式場探しをする新郎新婦にとってはもちろんありがたい話なのですが、その原資はどこから出てくるのか?なぜこんなに高額なキャンペーンになっているのか?など、疑問に思うことも少なくないと思います。そこで今回の記事では加熱するプレゼントキャンペーンについて、考察をまとめてみました。ライトなコラム記事として読んでもらえると嬉しいです。

大手ブライダル媒体のプレゼントキャンペーン状況

マイナビウエディング

マイナビウェディングのキャッシュバックキャンペーン
  • もらえるもの:60,000円分の選べる電子マネー
  • 条件:マイナビウエディングサイトまたはマイナビウェディングサロンから会場見学を予約して成約した人(見学件数問わず)

ハナユメ

ハナユメのキャッシュバックキャンペーン
  • もらえるもの:最大40,000円分の選べる電子マネーギフト券
  • 条件:ハナユメから会場見学予約、見学後に見学アンケートをすると、1会場回答で15,000円分、2会場回答で25,000円分、3会場回答で35,000円分、さらにウェディングデスクだと追加で5,000円分

ゼクシィ

ゼクシィのキャッシュバックキャンペーン
  • もらえるもの:最大40,000円分の選べるJCBギフトカード
  • 条件:キャンペーン期間中に、条件①②③④すべてを条件クリアされた方全員に、予約 1件で5,000円分、予約 2件で30,000円分 、予約3件以上で40,000円分のJCBギフトカードをプレゼント。
    • ①キャンペーンエントリー:「ゼクシィ 式場探しキャンペーン 4月度(首都圏・東海・関西・九州/沖縄)」のエントリーフォームよりキャンペーンエントリー
    • ②見学・ブライダルフェアの予約:該当エリア(※)に所在している挙式・披露宴会場の見学・ブライダルフェアをゼクシィのWebサイト・アプリよりWEB予約
    • ③②で予約いただいた挙式・披露宴会場の見学・ブライダルフェアに参加
    • ④③で参加した見学・ブライダルフェアの会場で撮影した写真を送付

まとめるとこうなります

マイナビウエディング 成約すると60,000円分の電子マネーギフト券
ハナユメ 予約、見学すると最大40,000円分の電子マネーギフト券
ゼクシィ 予約、見学すると最大40,000円分のJCBギフトカード

もし1組の新郎新婦が、ゼクシィで3会場予約・見学して決めない、そのあとにハナユメで予約・見学して決めない、最後にマイナビウエディングから予約して成約する、と合計で14万円分の電子マネーギフト件とJCBギフトカードがもらえることになります。
こういったキャンペーンが始まったころは(2013年くらいだったと記憶していますが…)、5,000円~10,000円くらいだったのですが、金額は年々上がってきており今ではここまで高額になってきています。
 

媒体各社はキャンペーンにいくら支払っているのか?

さて、これらのキャンペーンですが、媒体側の視点で見ると集客用の広告宣伝費または販売促進費などの位置づけになるでしょう。最近の金額高騰を見たときに、これって元取れてるのかな?と思ったので、どれくらいの支払いになっているのか試算してみました。
それぞれの媒体のKPIは私のイメージで書いていますので、実際と全然違う可能性もありますが、その点はご了承ください。

マイナビウエディング

試算するにあたって用いた計算式は以下の通りです。

  • 支払額=媒体利用者数×キャンペーン利用率×成約率×金額
  • 媒体利用者数=国内総来館者数×媒体シェア
  • 国内総来館者数=年間結婚式組数×2.5会場/組
  • 年間結婚式組数=年間婚姻組数×結婚式実施率

それぞれのKPIは以下のように置いてみました。

  • 年間婚姻組数:60万組
  • 結婚式実施率:60%
  • 媒体シェア:2%
  • 金額:60,000円
  • 成約率:60%
  • キャンペーン利用率:30%

これに沿って計算すると、194,400,000円(1.94億円)となりました。金額が大きい気がしますが…、媒体シェア、成約率はもう少し低いかもしれません。

ハナユメ

基本的には同じですが、見学会場数ごとに支払う金額が異なること、来館率になるところが先ほどと異なる点です。

  • 支払額=媒体利用者数×キャンペーン利用率×平均金額(来館分布予測から予想)
  • 媒体利用者数=国内総来館者数×媒体シェア
  • 国内総来館者数=年間結婚式組数×2.5会場/組
  • 年間結婚式組数=年間婚姻組数×結婚式実施率

それぞれのKPIは以下のように置いてみました。

  • 年間婚姻組数:60万組
  • 結婚式実施率:60%
  • 媒体シェア:3%
  • 平均金額:30,000円(ゼクシィブライダル総研によると平均見学件数は2.5会場なので平均を取って計算)
  • キャンペーン利用率:30%

これに沿って計算すると、243,000,000円(2.43億円)となりました。やはり金額が大きい気がします。プレゼント条件を成約ではなく来館条件にするとかなり支払い対象者数が多くなりますね。

ゼクシィ

最後にゼクシィで、計算式はハナユメと同じなので割愛します。
それぞれのKPIは以下のように置いてみました。

  • 年間婚姻組数:60万組
  • 結婚式実施率:60%
  • 媒体シェア:30%
  • 平均金額:30,000円(ゼクシィブライダル総研によると平均見学件数は2.5会場なので平均を取って計算)
  • キャンペーン利用率:20%

これに沿って計算すると、1,620,000,000円(16.2億円)となりました。ゼクシィの規模からするとまぁそんなものかって感じですかね。媒体シェアはゼクシィ全体では50%くらいありそうですが、キャンペーンはネット限定なので30%として計算しています。

まとめると…

  • マイナビウエディング:1.94億円
  • ハナユメ:2.43億円
  • ゼクシィ:16.2億円

結構な金額かけていそうだとわかりました。媒体利用者の獲得は媒体にとってもかなり競争が厳しい状況になっているようです。
 

なぜキャンペーンの金額が高騰してきているのか?

基本的な考え方

ブライダル媒体の収益モデルは

  • 売上=掲載会場数×掲載単価

なので、掲載会場数を増やすか掲載単価を上げることが必要です。一方、結婚式場の収益モデルを考えると、掲載単価をどうするかは

  • 費用対効果=掲載費用/媒体経由来館者数

この費用対効果がいいかどうかで判断するので、媒体が掲載単価を上げようとするなら「媒体からその会場への来館数が多い」という実績を作ることが必要になります。この「媒体からの会場への来館数が多い」がキモになります。

結婚式場は媒体別来館数をどのようにカウントしているのか?

多くの会場では「予約のアクションをしてきた媒体」で1来館をカウントすることがほとんどです。例えば、

  • ゼクシィを見て、みんなのウェディングで口コミをチェックして、ハナユメから予約した

という流れで予約をした場合、このお客様は「ハナユメからの来館予約者」としてカウントされていることがほとんどでしょう。間接効果の測定が技術的に難しいことや評価方法の複雑化を避けていることが理由です。

プレゼントキャンペーンの金額が高騰する理由

となると、媒体側からするとメディアパワーが上がって認知機能を持ったとしても最終的なアクション媒体にならないと、結婚式場に評価してもらえない、となり、ひいては掲載単価を上げてもらえない、最悪の場合には掲載を停止される可能性がある、となります。
つまり、ブライダル媒体として生き残るために必要なのは本質的なメディアパワーの向上だけでなく、ユーザーアクションを起こさせる機能強化も同時につけていかないといけないのです。
サイトを改善してユーザーアクションを起こさせるための施策はいろいろありますが、地道にA/Bテストを繰り返したり、改善を繰り返さなければいけないのでかなり体力と時間が必要です。そこで、プレゼント(ユーザーインセンティブ)を付けることで、認知や検索は他媒体でされたとしてもアクションだけは自社サイトで起こさせたい、となったのだと思います。
ブライダル業界全体で見ると結婚率の低下と結婚式実施率の低下のコンボで市場は縮小し続けていますので、媒体間競争もどんどん厳しくなってきています。プレゼントキャンペーンでユーザーを獲得するのは、結果的にそのコストが結婚式場側の広告費として返ってきてしまうのであまり本質的ではない気もしますが、生き残るためには必要な施策の1つかなと思います。
また、結婚式場の媒体評価に関しては、詳しくは以下の記事にまとめてありますのでご覧ください。

結婚式場集客の適切な広告評価の方法とは?アトリビューション分析は可能?


 

大手ブライダル媒体のプレゼントキャンペーンについての考察まとめ

プレゼントキャンペーンについてまとめました。気が付いたら60,000円まで上がってたの!?と思わず書いた記事ですが、やはりそれなりのコストになっているような気がします。結婚式場の来館単価が平均すると5万円~7万円くらいですから、そろそろキャンペーンと同額になってきます。どこまで高騰し続けるのかはわかりませんが(とはいえ、もうそろそろ限界だとも思いますが)、また動きがあったら記事にしてみようかと思います。
 
おわり

市川 貴之

この記事を書いた人
市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル業界で働く人のよりどころに」をビジョンに掲げ、ブライダルコンサルティング、ブライダル業界専門の転職支援サービスを運営しています。お仕事の依頼は「お問合せ」、転職のご相談は「ブライダル専門の転職相談」からお受けしております。

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