更新日 2021年08月19日

ブライダル業界における結婚式場の集客・マーケティング戦略の考え方

0004_ブライダル業界における結婚式場の集客・マーケティング戦略の考え方

アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。

2020年代に入ってからの結婚式場の一番の課題は集客と言っていいでしょう。人口減少、婚礼組数の増加など様々な要因から集客が難しくなってきている会場がほとんどです。

今回の記事ではブライダル業界における結婚式場の集客・マーケティング戦略の基本的な考え方を書きます。

 

結婚式場集客の全体像を理解しよう

04_結婚式場集客の全体像

大きく分けると以下の2つの導線があり、それぞれにどういった手法があるのかを知ることが必要です。

  1. ブライダル媒体から直接CV(フェア予約や資料請求など)を獲得する
  2. 結婚式場HPから予約を獲得する

1.ブライダル媒体の種類と概要

04_ブライダル媒体の種類

雑誌/ネット媒体/エージェント(カウンター)/イベント/その他、この5つで、体感ですがネット媒体が4割、エージェントが4割、その他全部合わせて2割くらいかなと思います。

ブライダル媒体運用について詳しく知りたい方はお役立ち資料をぜひダウンロードしてご覧ください。

初めてのブライダル媒体運用 入門ガイド

2.結婚式場HPの集客概要

04_結婚式場HPからの集客

式場HPからの集客を考えるときは次の2つを考えることが必要です。

  • 認知・流入施策:どうやってHPへの流入を増やすか
  • サイト改善施策:サイト流入者をどのように問合せまでつなげるか

具体的な施策は上図の通りですが、主にウェブ広告運用、SEO、SNS、などを駆使して流入を増やし、ウェブサイトを継続改善することでCVを増やしていきます。

ウェブマーケティングについて詳しく知りたい方はお役立ち資料をぜひダウンロードしてご覧ください。

結婚式場集客アップにつながるウェブマーケティング

それぞれの施策の具体的な内容はこの記事では割愛しますが、まずは集客の全体像と手段を知識として持っておくとよいでしょう。

 

結婚式場の集客・マーケティング戦略を考えていこう

04_結婚式場の集客・マーケティング戦略の考え方
  1. 大枠の目標数値を決める
  2. ターゲットを明確にする
  3. 具体的な予算配分を決める
  4. 期待効果のシミュレート
  5. 効果検証できる環境を整える
  6. 実行

大まかな流れはこのようになっています。

1.大枠の目標数値を決める

いくらの広告宣伝費を投資して何組の来館を獲得するかを数字として可視化します。

項目 現在
来館 50
成約 20
広告費 400万円

例えば現在の数値が上記の表のような数値だった場合に、どれくらいの数字を目標とするのかによって対策が変わります。

項目 現在 目標案① 目標案② 目標案③
来館 50 60 60 70
成約 20 24 24 28
広告費 400万円 400万円 500万円 600万円

案①は、広告費ステイで来館数を増やしたい。利益がぎりぎりもしくはすでに赤字となっている式場であれば今以上に広告費を使うことができないのでこのような目標数値になることが多いですね。

案②は、追加広告費ありで来館数を増やしたい。まだ広告投資できる体力がある場合か、まだ赤字にはなっていないが先に投資をしてでも対策をしたいと考えている式場がこういった目標になると思います。

案③は②と方針は同じですが目標数値がより高くなるので、投資できる施策の幅も広がります。

この目標数値の設定がなく漠然と増やしたい!と考えても最適な施策を打つことはできませんので、まずはここから始めていきましょう。

2.ターゲットを明確にする

ペルソナを作るが一般的な手法ですが、結婚式場集客の場合はゼクシィクラスタを利用すると便利です。

04_ターゲット設定にはゼクシィクラスタが便利

クラスタに関する詳しい内容は割愛しますが、もし興味あればこちらをご覧ください。

ゼクシィのクラスタとは?

3.予算配分を決める

どのような対象に集客施策を実行するかを決めたら、次は予算配分を決めていきます。

04_結婚式場集客の予算配分の考え方

おおまかな配分は上記のようになりますが、まず大枠でいくらくらい使うのかをカテゴリ別に決めます。次にゼクシィにいくら、など細かなメディア別の予算、最終的に月別の予算配分を決めていきます。

おそらく多くの企業では社内稟議申請などが必要になるでしょうが、全体感から細部を組んでいく方が認識のずれが起こりにくいので私はオススメです。

4.期待効果のシミュレート

予算配分まで決まったら、次は具体的にどんなことを実行するのかを決めます。例えば、

  • 撮影をしてゼクシィの写真を変える
  • ゼクシィの出稿ページ数を増やす
  • ネット媒体の特集枠に出稿する
  • フェアの文言を変えてみる
  • 掲載見積りを下げる
  • エージェントの訪問回数を増やす
  • お得な限定プランを増やす
  • フェイスブック広告、ツイッター広告を出す
  • marryに記事広告を出す
  • など

そして1つ1つの施策の期待効果を予測し、その合計で最上段の来館目標まで届くのかをシミュレートします。

数字と施策のつながりをこのタイミングで仮説ベースであっても持っておくことによって、効果検証するときに役立ちます。

5.効果検証できる環境を整える

ブライダル媒体の場合は基本的にどの媒体にも営業担当者がいると思うので、媒体側からの成果報告がどのような形式(頻度、内容)で行われるのかは施策実施前に必ず確認しておきましょう。媒体内のゴール地点が来館予約完了までなのか、自社サイトへの誘導までなのかによっても多少は異なりますが、何もレポートなしということがないようにしておいてください。

式場HP集客でリスティング広告、Facebook広告、twitter広告であれば、管理画面上で数値を見ることができますし、GAでも見れるので、目標の設定、タグの設置など基本的な準備は必ずやっておきましょう。特に来館予約、資料請求、空き状況問合せなど、CVとなるポイントが複数ある場合は、何を持ってCVとするのかは関係者できちんと認識をそろえておきましょう。

そして共通して言えることですが、顧客情報の管理環境も整えておきましょう。どの媒体、どの広告から来館予約がきたのか、正確に把握できることが重要です。システム導入している企業はシステムで、未導入の企業でもエクセルで管理はかのうなので、施策のやりっぱなしにならないようにデータを蓄積できる環境を整えましょう。

6.実行

結果が出るかどうかに関わらず、早く正確に実行する意識を持ちましょう。これをやったら必ず成功する!という集客施策はありません。施策の数を打ちながら精度を高めていけばいいのです。

 

結婚式場の集客・マーケティング戦略の考え方まとめ

  • 集客に困ったからといって手当たり次第に施策を実施することは非効率
  • 施策を実行する前に必ず数値の目標を決める(特に来館数と広告費は必須)
  • 施策を実行する前に、各施策はどのKPIに寄与して最終的に来館向上につながるのかを共通認識として持つ
  • あとはとにかく実行して施策精度を高めていく

ポイントをまとめるとこの4つです。

集客施策は思いつきで実行するだけでは意味がありません。目標を決め、仮説を立て、実行し、結果を検証する、このサイクルをきちんとまわすことが改善活動につながります。結婚式場で集客の実務を担当されている方、マーケティングに興味がある方の少しでも参考になっていれば嬉しいです。

 

この記事を書いた人

市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル3.0を実現する」をミッションに掲げ、ブライダル事業者向けマーケ支援、ブライダル特化の人材紹介、Leju(フリープランナープラットフォーム)を運営しています。マーケティング、事業企画が得意。

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