更新日 2021年11月16日

「初期見積りから金額が上がる」ことをどう表現すると新郎新婦に伝わるのか?

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アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。

※この記事は2019年4月に公開したものを一部加筆修正しています。

初期見積りから打合せをすると金額が上がるというのはブライダル業界で働く人にとってはもはや常識とも言えますが、新郎新婦の中には知らなかった、上がるとは聞いていたけど実際はこんなに上がって驚愕そして後悔した、という方も多いようです。これだ多くのサイトやブログなどで言われていて何年も変わっていない慣習なのに、なぜなかなか伝わらないのだろうか、疑問に思ったことはないでしょうか?

今回の記事ではいわゆる見積りアップ(プランナーからしたら単価アップ)がいろいろなサイトでどのように表現されているのか調べてみました。

 

見積りアップ(単価アップ)とは?

見積りアップとは、申し込み時点の初期見積りから、打合せを重ねるごとに商品のグレードアップやオプション追加のよって見積りが高くなることを言います。地域ごとの文化やご祝儀制かどうかにもよりますが、全国で平均すると70万円~100万円ほどの見積りが上がります。

こういった話はメディアにも、アフィリエイトサイトにも、先輩花嫁のブログやツイッターとかでもたくさん情報が出回っていますし、格安系のプロデュースサービスのサイトではそれを逆手にとって、以下に自社サービスがお得かを書いているものもあります。

スマホの普及率も上がり、こういった情報にアクセスできる機会が増えてきていますが、いまだにこの慣習自体もそうですし結果的に費用が高すぎていろいろ後悔したという方も多いのが事実です。

 

媒体やメディア、サービスサイトの表現

テキストや記事ではこれくらい上がるよ!とかこういう項目がよく上がるよ!と書いてあるページは多かったのですが、今回はそれ以外の画像や図でどのように表現されているのか、ざっと列挙します。

ゼクシィ

ゼクシィ見積りアップ解説
ブライダルを知っている人や実際に結婚式を挙げて見積りアップを経験した人ならわかると思いますが、断定的な表現ではない&確認してみましょう、で結ばれていることが多いので、初めての人がこれを読んで一発で理解するのは難しそう。

みんなのウェディング

みんなのウェディング見積りアップ解説
金額感をつかむにはわかりやすいのですが、何がどうなってこんなに上がるのかはこの前後の文章をしっかりと読み込まないといけなかったです。直感的に理解するにはちょっと厳しいかもしれません。

レイウェディング

3_レイウェディング見積り
レイウェディングのプランの特徴を表すために、一般的なプランとの比較で載せています。基本+オプション、成約後に上がる、というのは分かりますが、これだけだとどうかなぁ、わかるかなぁという感じです(もちろん、実際のサイトでは前後のテキストの説明もありますよ)。

スマ婚

4_スマ婚見積り
サービスの特徴を表しているだけなので、見積りが上がることについての説明は無しです。

楽婚

5_楽婚見積り
スマ婚と同じく、楽婚は安い!ということを伝えていますが、初期見積りから上がるかどうかは書かれていません。

gensen wedding

6_gensenwedding見積り
こちらもサービスの特徴を説明するページで書かれていましたが、先ほどのスマ婚や楽婚と比較すると、打合せを経てオプションが追加されることが書かれていますね。

T&GのIR資料

6_T&GIR資料見積り
非常にシンプルですが、要するにこういうことですよね。IRに掲載されていてユーザー向けの資料ではないので詳細は書いていないですが、これに情報を追加していくとわかりやすくなりそうな気がします。

ゼロ婚

8_ゼロ婚東京見積り
個人的にはこれが一番わかりやすいと思いました。打合せごとに上がっていく見積り、その理由、そしてトータルで上がる金額のインパクト、など必要な観点が盛り込まれていると思います。このサイトではサービスの特徴を紹介することがメインなので自社サービスとの比較になっていますが、これの下半分を見積り明細とかにすると、より具体的なイメージがわきそうだなと思います。

 

結婚式の単価が上がることの表現についてのまとめ

今回の記事で紹介したのは8個のサイトの表現ですが、他のサイトではテキストで説明していることが多かったですね。アフィリエイトサイトでは、広告主サイトの表現をほぼそのまま書いているだけなので対象から外しました。

見積りが上がることについて全く触れていない媒体やメディアはなく、どのサイトでもちゃんとコンテンツを読んでいけば比較的早い段階で見積りについての情報にたどり着くことができました。

ただ、見積りの構造も含めてやはりかなり複雑なので初見で仕組みを理解できるようなビジュアルはゼロ婚くらいかなぁと思いました。概要をイメージできる図があって、それの説明でテキストの方が文字だけで理解させるよりもハードルは低くなるので、そういった意味でもメディアとして正しく伝えきれているわけではないな、と。

またそれ以外にも、これらの情報を見て実際に会場に行ったとしても、その場のプランナーから「この見積りからそんなに変わらないですよ」と言われたときに、それを見破れるだけの知識を持つことはほぼ不可能なので、結局は営業の要素が強いから変わらないという側面もあるのなかと思いました。

業界全体で見れば悪しき習慣と言えるので見積りについてもフェアな情報開示をしていくべきですが、結婚式場の意識、メディアの伝え方、それでいてそれぞれのプレーヤーが生き残らなければいけない状況、これらを同時に解決していくことの難易度は高そうです。

この記事を書いた人

市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル3.0を実現する」をミッションに掲げ、ブライダル事業者向けマーケ支援、ブライダル特化の人材紹介、Leju(フリープランナープラットフォーム)を運営しています。マーケティング、事業企画が得意。

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