【ブライダル】新規接客時の値引きロジックの作り方

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【ブライダル】新規接客時の値引きロジック

結婚式場で新規接客しているときの値引きってどうやっていつも決めていますか?一定のルールに沿って決めている、その場の成約取れそうかの雰囲気で決めている、承認制にして都度申請している、月末の目標達成間近になってくると少しずつ値引増える、などなど、その決定や管理の方法は会場によって様々なのではないかと思います。一般的に「値引きが増えると成約率が上がって単価が下がる」、逆に「値引きを絞ると成約率は下がるが単価は上がる」傾向にありますが、いくらの値引きにすると結局売上が最大になるのか、という問いに対して自信を持って答えられるブライダル責任者は少ないのではないでしょうか?そこで、今回の記事では、売上最大化を目的とした際の、値引きを決めるロジックについてまとめてみようと思います。

結婚式場の売上を最大化するための基本的なロジック

結婚式場の売上=施行組数×組単価

いきなり結論から書きますが、この計算式で売上を計算する、というのはブライダル業界で働いている方であれば何の違和感もないと思います。続いて、

施行組数=来館数×成約率

これも違和感ないかと思います。ただ、これは「営業目線」の分解で来館月ベースで語るときに用いる分解方法なので、「売上目線(施行月ベース)」で考えるときは、

施行組数=販売可能施行枠数×施行枠稼働率

このように考えた方が実態に沿った考え方ができると思います。この施行枠稼働率に間接的に聞いてくるのが来館数と成約率、となります。というのも、来館と成約率は接客可能数の上限を超えなければ青天井でどこまでも計算できてしまいますが、実際は婚礼のほとんどが土日祝日稼働なので、施行枠がなくなると成約が取れなくなるためです。計算上は来館増やして成約率を上げればどんどん売上が伸びていきそうにも見えるのですが、実際はどこかのタイミングで施行を受けられなくなるタイミングが訪れるので、計算通りに行かなくなってしまうのです。

一方、組単価は次のように分解できます。

組単価=値引き前組単価-値引額

これは、ある程度パッケージ化された商材を売っている結婚式場であれば、ある程度顧客ごとの「値引き前」の単価は一定になる(もちろん申込人数などの制約条件によって差はある)という考え方に基づいています(なんだそれは?という方は、参考記事「打合せ担当のウェディングプランナーは、どんな基準で評価を行うべきか?」の売上予測達成率の話をご覧ください)。

これらを組み合わせてみると、

結婚式場の売上=施行組数×組単価

結婚式場の売上=(販売可能施行枠数×施行枠稼働率)×(値引き前組単価-値引額)

となり、

  • 販売可能施行枠数は会場によって決まっている
  • 値引き前組単価はロジックに従って計算するので一定

となるので、変数は施行枠稼働率と値引額になります。この施行枠稼働率(間接的に成約率が関係している)と値引額の関係性を見て、最大になるポイントはどこかをシミュレートし、「どんな成約条件の時にいくらの値引きをすると売上が最大化するか」これをどのように管理したらいいか、が今回の記事のテーマです。

 

販売可能施行枠数と施行枠稼働率

結婚式場の売上の仕組み:組数

販売可能施行枠数は、1か月間の土日祝日の日数×1日当たりの受注可能な施行上限数、で計算できます。施行のオペレーションはどの会場でも決まっていると思いますので、これはすぐに計算できると思います。

上の図は、1日2回転できる2バンケットの会場を例にしていますが、例えば月間休日が8日間だとすると、月間32組が販売可能施行枠数、となり、実際の運営では、このうちの何枠か(または満枠)を販売・受注して結婚式を提供することで売上となるわけです。

結婚式場の売上の仕組み:単価

上の図では、受注状況を適当に入れてみましたが(よく考えると8月だとこんなに埋まらないかもしれませんが…)、既に埋まっている施行枠はこれ以上受注できないので、売上を最大化させるためには、

  1. 施行枠の稼働率を最大化する
  2. 1組当たりの単価を最大化する

この2点を同時に達成して必要があります。そして、そのためには人気の高い枠はより高く売る(値引きを少なく売る)、そうでもない枠は安くてもいいから埋める(施行枠の稼働率を上げる)、この営業指針を臨機応変に使い分けていくことが重要です。

 

値引額と成約率の関係

続いて、値引きと成約率の関係について見ていきましょう。

値引きと組単価、成約率と施行数の関係性

値引き、組単価、成約率、施行数と売上は単純化すると、上記の図のような関係性になります。実際のところはこんなにはっきりと比例するわけではないですし、値引きがいくらのときに成約率が〇%になる、と数式で表すのは事実上不可能ではありますが、過去の実績をプロットして関係性を割り出すと、おおむね相関関係にあるはのではないかと思います。

上記の図の下段のシミュレートでは「値引きが80万円の時に売上が最大化する」としていますが、これはすべてのお客様が80万円値引きというわけではなく、20万円引きのお客様もいれば、100万円引きのお客様もいて、平均すると80万円になっている、という状態を想定しています。つまり、メリハリをつけた値引き戦略を実行した結果、平均80万円程度の値引きをした時が最も売上が高くなるだろうと予測している、ということです。

では、この値引きのメリハリはどんな要素を基準に設定するとよいでしょうか?

 

値引き率を決める要素

値引き率を決める要素

値引き率を決める要素は以下の4つがメインだと思います。

  • 挙式までの期間
  • 日柄
  • 施行枠の曜日・時間帯
  • シーズン

上記の表の数値は適当に入れたものですが、これらの要素が組み合わさったときにいくらまでの値引きになるのかを自動的に計算できるようになります。

ブライダルの値引額のシミュレート

例えば上記のような場合、この条件を希望するお客様に提示してOKな値引き額は48万円になります。

<希望条件>
8か月後挙式、大安、土曜日午前、オンシーズン、80名

<値引き前予想単価>
400万円(※売上予測ロジックから算出したと仮定)

<値引き率>

  • 時期値引き:7%
  • 日柄値引き:0%
  • 曜日・時間値引き:5%
  • シーズン値引き:0%
  • 合計値引率:12%

<提示値引き額>
400万円×12%=48万円

 

値引き率をルール化しておくメリット

ここまで書いてきたようなロジックを組んでおくと、どういう条件の時にいくらの値引きをしていいか、が属人的な運用にならずにルールとして定めておくことができます。また、この記事の前半で書いたような売上が最大化する成約率と値引額に合うように値引率を調整すると、常に目標に向かって正しい運用がされているのかをチェックすることもできます。

値引きと成約率、売上は複数の変動要素が複雑に絡みあうので画一的なルールを作ることがなかなか難しいですが、運用ルールを決めずに営業をするとどうしても目先の成約に意識が向かってしまいがちで、気づいたら売上が足りないがもう施行枠が残っていない、ということも起こってしまう可能性があります。

  • 属人的な値引きルールから脱却できる
  • 成約を取るためではなく、売上を達成するための値引きをきちんと設定できる
  • 値引きの多い少ないの実績と成約率についての振り返りができる
  • 新規と打合せの評価をするときの両方で使える基準を作ることができる

簡単にメリットをまとめるとこんな感じですが、特に最近の新規接客での値引額は以前に比べてかなり金額も大きくなってきているので、しっかりロジックと運用ルールを決めて営業することのメリットは大きいと思います。

 

まとめ

新規接客時に使う値引額のロジックとルール化のメリットについてまとめました。具体的な事例というよりは、基礎的な考え方に重点を置いて書きましたが、実際の運用のフェーズでは条件ごとの値引き率のチューニングと、新規接客にメンバーにオペレーションを徹底していくことが重要になってきます。これまでどんぶり勘定でやっていたところから精緻なルール運用へと変更になると少なからずアレルギー反応を示すメンバーもいますが、根本的なところは「施行枠の稼働率を最大化し、かつ単価も上げることを目標にした適切なプライシングをするための値引きルール」なので根気強く浸透させていきましょう。

 

おわり

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