更新日 2020年02月23日

結婚式場の新型コロナウイルス対応策について考えてみる

世界中に広がる新型コロナウイルス。日々報道される日本での感染者は、多方面に影響が広がっています。感染しても多くの場合は重症にいたらないとも言われていますが、現時点で2%程度と見られている致死率は決して低いとはいえません。東京マラソンのような不特定多数の参加者が集まるイベントは自主的に延期・中止となったり、企業の営業活動にも影響が出始めている状況です。これまで、結婚式場ではノロウィルスやインフルエンザといった通年で危機管理を行っているものから、最近は地震や台風・豪雨災害など突発的な対応と対策を求められるケースもありましたが、今回は厚生労働省から「不要不急な集まりの自粛」の呼びかけもあり、結婚式を控えた新郎新婦の不安感も増していると思います。現時点で各会場がどのような対応を行っているか、ノロウィルスやインフルエンザの時の事例から今回はどのような対策をすることが良いのか簡単ですがまとめてみました。

新型コロナウイルスによる影響はどのくらいある?

今まさに、各会場で新郎新婦やゲストの対応をしている方であれば、既に新型コロナウイルスによる影響を感じている方ものではないでしょうか。インターネット上で、この記事執筆時点でどのような事例が起こっているのか簡単にまとめます。

新郎新婦への影響

新郎新婦の口コミサイトには以下のような投稿がありました。

結婚式予定していますが、コロナウイルスが発生しており、挙式の延期や、ゲストへの配慮について悩んでます。

  • ニュースを見て決める
  • 延期した
  • 中止した
  • 再度ゲストに出欠の確認を取って決める

等、考えられますが、高齢のゲストや遠方からのゲストがいる為、延期した方が良いのではという気持ちになりました。約1ヵ月前に差し迫っているので時間もないため焦っています。

その回答には、

  • 感染者が出た県での結婚式で、遠方のゲストから欠席したいと連絡があったため延期した(結婚式予定の新婦)

  • 東京で3月に結婚式に招待されているが出席する予定(参列予定ゲスト)

  • 予定通り実施する予定(結婚式予定の新婦)

  • 両家の親を含めて相談中(結婚式予定の新婦)

というものがありました。また、同様の悩みの投稿は口コミサイトだけではなくツイッターなどのSNSなどでも多く見かけられます。

各会場への影響

それでは、各会場は新型コロナウイルスによる対応はどのようなことを行っているのでしょうか。
各会場のHPを見ると、多くの会場が「スタッフのマスク着用」の対応をとっているようです。それ以外には、スタッフの定期的な手洗い/うがい/アルコール除菌を実施、披露宴前後の室内の換気、お化粧室/扉/ドアノブ/冊子の取っ手部分や共用アイテムの定期的な殺菌とふき取り、手指消毒剤の用意等がありましたが、このような対応は会場や会社にによって大きな違いはないように思います。

ブライダル媒体への影響

日本各地が自粛ムードとなる中、現時点で最も影響が出ているのが媒体主催のブライダルイベントです。

こちらのリリースにもあるようにゼクシィフェスタは中止となりました。結婚式と比較しても1,000人以上が集まるブライダルイベントは、アイテムなどに触れる機会も多いですし「不特定多数が集まる屋内イベント」という最も注意すべき事項に該当しています。媒体以外にも開催が予定されているイベントは多いですが、会場の準備などもあるので延期という措置は取りにくく中止と判断せざるを得ないケースも増えてくるでしょう。
となると間接的に打撃を受けるのが式場の集客です。今やイベントは集客ルートの1つとして確立したと言ってもいいほどの力を持っていますので、これからイベント中止ラッシュとなったときに2020年施行の集客が落ち込む可能性があります。
 

新型コロナウイルスへの対応方法は?

現時点でコロナウィルスについて明確なことは分かっていませんので、参考になるかどうかはわからないですがノロウィルスやインフルエンザが発生・流行した場合の事例を元に対応策案をまとめます。

接客中に気を付けること

連日かなりの情報量の報道がされていることもあり、結婚式を控えた新郎新婦やゲストは大きな不安を感じている場合が多いです。最終的に延期or中止の判断をするかどうかにかかわらず、会場運営や営業活動への影響を最小限にする、顧客に対して真摯に対応する為にも下記のことを行うことが必要だと考えます。
1.新郎新婦にヒアリングする

  • 新型コロナウイルスによる結婚式への不安感の有無
  • 親御様への相談の有無 (相談していれば親御様の不安感、まだであれば相談するように促す)
  • ゲストから結婚式開催の問合せの有無

2.会場が行っている感染防止策を説明し、安心して結婚式を開催できる準備をしていることを伝える
3.招待客リストを見ながら、遠方からのゲスト、高齢のゲスト、ご懐妊中のゲストといった配慮が必要なゲストをピックアップする
4.ゲストへの出欠確認の際に、会場が行っている感染拡散の防止策の説明を加えることを提案する(返信ハガキの到着の期日が過ぎていれば、改めて出欠の確認を行う)
このような内容です。当会場は万全の体制ですので絶対に大丈夫です!結婚式は予定通りに行いましょう!といった感じで強気で押し切りましょう、みたいな話ではありません。会社としての方針、実施していること、現時点での感染症に関する状況などをきちんと整理して伝えることで、新郎新婦が後悔のない判断をするために必要な情報をきちんと提供することが重要だと思います。

キャンセルや延期要望に対しての会社としての方針決定

もしキャンセルや延期の問合せやお申し出があった場合は、まずは基本的に規約通りのキャンセル料を案内する会場が多いと思います。というのも、今回のケースは、過去にあった地震や台風・豪雨災害といった結婚式を行うことが物理的に困難という理由ではなく、「何かあるかもしれない」という不確定なリスクを避けるために新郎新婦が自主的に延期を希望している、と考えることが多いからです。
ただ、ではキャンセル料150万円頂戴します、のような案内をしたてこの会社は社会的に大丈夫なのか?という懸念は残ります。昨年の大型台風の際の対応が悪くツイッターで炎上した会場があったように、規約通りに対応するのか、特別対応とするのか、会社としてもう方針を決めなければいけないフェーズになっていると思います。
まず担当プランナーが全ての新郎新婦に上記のヒアリングを行い、結婚式のキャンセル/延期の可能性とゲスト人数の増減を把握することが重要ですが、その際に相談された内容に対して誰もが同じ対応をできるようにしておくことが必要です。特に3月末決算の会社ではこの時期での婚礼延期は今期業績にとって致命傷になりかねないですが、キャンセル料なしで延期を認めるのも個人的には致し方ないのではないかと思います。

施行当日に気を付けること

まずは、施行前に必ず全スタッフの体調チェックを行うことが必要です。ノロウィルスなどの対策とも同様ですが、少しでも体調不良のスタッフがいた場合は施行当日の会場内への立ち入りをさせてはいけません。また、同様に新郎新婦・ゲストの体調チェックも大切です。事前に、新郎新婦へ少しでも体調が悪い方がいれば、参列をお断りする許可を得ておきましょう(出なければ他の婚礼のゲストの方へ感染を広げてしまうリスクを式場が負うことになります)。
そして、結婚式当日は、ゲスト・スタッフの接触、ゲスト同士の接触を出来るだけ減らすことが大切です。例えば、ゲストのスマートフォンを預かっての写真撮影、ゲストへの一言インタビューでのマイクの受渡し、挙式で共有して使用する式次第等です。参列しているゲストの中には、接触に敏感になっている方もいるかもしれません。こういったゲストへの配慮も必要です。それ以外には、先ほどにも書いたスタッフのマスク着用等の充分な対策を行っている旨を司会者からアナウンスすることも必要になるでしょう。
 

結婚式場の新型コロナウィルス対策についてまとめ

簡単なまとめですみませんが、現時点でわかっている情報からの新型コロナウイルスの対応策として考えられるのは、

  • 打合せ中の新郎新婦へは、新型コロナウイルスによる結婚式への不安感の有無、親御様への相談の有無 (相談していれば親御様の不安感、まだであれば相談するように促す)、ゲストから結婚式開催の問合せの有無をヒアリングし、会場が行っている感染拡散の防止策を説明する
  • 会社としてこの事態に対してどのようにするのかの方針を明確にして社員全員に伝達する
  • ゲストへの出欠確認の際に、会場が行っている感染拡散の防止策の説明を加えることを提案する(返信ハガキの到着の期日が過ぎていれば、改めて出欠の確認を行う)
  • 全スタッフと新郎新婦・ゲストの体調確認を行い、体調不良の方がいれば退館を促す

この4点です。皆さんご存知の通り、結婚式の準備期間、新郎新婦や親御様は非常にナーバスです。それに加えて日々加熱していく新型コロナウイルスの報道で更に不安感は増していると思いますので、いつも以上に新郎新婦に寄添うことが大切です。
結婚式場で働く方自身も自分が感染するのではないかという不安がある中での業務となり、精神的にもハードな状況となりますが、くれぐれも無理はせず、また今回の内容が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。
 
おわり
 

市川 貴之

この記事を書いた人
市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル業界で働く人のよりどころに」をビジョンに掲げ、ブライダルコンサルティング、ブライダル業界専門の転職支援サービスを運営しています。お仕事の依頼は「お問合せ」、転職のご相談は「ブライダル専門の転職相談」からお受けしております。

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