結婚式場のコールセンター導入は何がメリットなのか?

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【ブライダル】コールセンター導入のメリット

マーケティング、新規営業、打合せはどの会社や式場でも重要度高めで取り組んでいると思いますが、マーケティングと新規営業の中間地点=来館予約プロセスはどうでしょう?意外な盲点なのですが、反響問合せ~来館までのフェーズは業績観点でも顧客満足度の観点でも非常に重要度の高いプロセスです。それにもかかわらず、冒頭の3つのフェーズには力を入れているものの来館予約対応は特に何もしていないという会社が多いように思います。そこで今回の記事では、ブライダル専門のコールセンターの責任者をしていたときの経験をもとに、来館予約業務を最適化させるためのソリューションとしての「コールセンターの導入の是非」について書いてみます。

コールセンターの担当業務と位置づけ

結婚式場のコールセンターが担う来店予約業務

「来店予約業務」の対象範囲と担う責任

上の図にあるように、業務範囲は問合せが入ってからお客様が実際に来館するまでの対応になります。この間の実績値やKPIを定期的に計測している会社がどれくらいあるかはわからないですが、担う数値責任は「アポ数(来館予約確定数)」「来館数」「アポ率(来館予約確定率)」「来館率(来館キャンセル率も同義)」あたりが一般的だと思います。もし行動量評価を取り入れている会社であれば「架電数」や「受電数」、「資料発送数」なども含まれるでしょう。

コールセンターが担う来店予約業務の概要

お客様対応業務

  • インバウンド対応:会場の電話番号にかかってきた電話の対応(結婚式場検討者だけではなく列席者なども含む)
  • 来館予約対応:ウェブ媒体や会場ホームページから入った来館予約に対してお客様に架電する対応
  • お問合せ対応:会場ホームページからのお問合せの対応
  • 資料請求対応:資料の発送業務
  • 来館予約確定後のフォロー:来館日の前日または数日前にリマインドの架電
  • 再来や打合せの予約対応:架電またはメール・受電での対応(会社・会場によっては会場のプランナーが担っている場合もあり)

内部処理や情報共有

  • 顧客データベースへの情報入力
  • 来店予約情報のスケジューラ・台帳への登録
  • 会場のプランナーへの情報共有(メールまたは電話、チャットツールなど)
  • エージェントとの情報共有・打合せ

細かく分けるとまだまだあるのですが、コールセンターではおおまかに上記のような業務を行います。コールセンターを設けていない会社では会場のプランナーが上記業務を行うことが一般的だと思いますが、これらの業務を切り出して専門的に行う部署になります。

業績観点でのコールセンターの位置づけ

業績観点では、会場が来館予約対応業務を行うよりもコールセンターがあることによってアポ率と来館率が向上すること、が付加価値となります。

コールセンター導入の業績インパクト

例えば上記のようなシミュレートの場合、同じ成約率・単価でも約1.7億円(18%)も業績を伸ばすことができます。後述するコストがデメリットではありますが、それでもこんなにかかることはないのでメリットのほうが大きいはずです。また、これは単店でのシミュレートなので、複数店舗を運営している会社は上記×運営店舗分の業績改善が見込まれます。ちなみに、これは成約率が8%向上するのと同じインパクトです、大きいですよね。

この来館に関わるKPIを伸ばすというのがコールセンターが担う業績観点での責任となり、本記事冒頭で「反響問合せ~来館までのフェーズは業績観点で非常に重要だ」と述べた根拠になります。

 

コールセンター導入のメリット・デメリット

コールセンター導入のメリットデメリット

コールセンター導入のメリット

大きく分けると以下の3つが大きなメリットです。

  1. 来館予約業務の精度が向上するのでアポ率・来館率が上がる
  2. これまで来館予約業務にかかっていた会場プランナーの工数が空くので接客業務に集中できる、業務負荷分散を図ることができる
  3. 来館前のヒアリングレベルが向上するので成約率が上がる

①アポ率・来館率の向上

コールセンターを導入すると、オペレーションをしっかり組めればまず間違いなくアポ率・来館率は向上すると思います。根拠は以下のようなことですが、この業績改善が導入の一番のメリットだと思います。

  • 来館予約や問合せが来てから架電までの時間や対応までのスピードが上がるので通電率(電話がかかる率)が上がる→アポ率が上がる
  • 資料請求の送付までの時間が早くなるので最初に届く→第一候補会場になりやすい→アポ率が上がる
  • 中間フォローでリマインドの架電をするのでうっかり忘れてこない可能性が減る→来館率が上がる(キャンセル率が下がる)
  • 来館確認電話をするのでもしキャンセルの場合は早い時点でわかる→接客枠を再活用することができるので受け入れ可能接客枠が増える→アポ率が上がる
  • 細かく上げれば他にもたくさんいいこと起こりやすくなる

②業務負荷分散

来館予約業務を会場から切り離すことができるので、その分の工数を確保することができます。

来館予約や資料請求は土日祝日のほうが多いので、施行や新規が多く入っていてただでさえ忙しい日にさらに来館予約対応業務まで、となりやすく、バタバタした週末の中での優先順位は低くなりがちなところが多いと思います。この業務がなくなることでプランナーは新規や施行に集中することができますし、事務スタッフや手が空いているスタッフでチャペル見学後のフラワーシャワーや拍手体験を演出することもできるようになったりするので、全体での成約率や顧客満足にもいい影響を与えることもできます。

③成約率の向上

これは事前のオペレーション設計とヒアリング項目が精査されていることが前提ですが、来館予約時、中間フォロー時、来店日前日にお客様ときちんとコミュニケーションが取れると、他会場の検討状況や予算感などを来館前に把握することができるので、新規の接客シナリオをより精緻に事前に立てることができます。

新規の成約率は事前のシナリオ組みが非常に重要ですから(稀に全く関係ない天才プランナーもいますが…)、来館前に得ることができるお客様情報が質・量ともに上がって成約率も上がる、いうのは大きなメリットでしょう。

コールセンター導入のデメリット

一方、コールセンターの導入はデメリットもあります。

  1. 導入に初期費用が掛かる・固定費が増える
  2. 勤務場所が別々になるのでコミュニケーションロスが起きやすくなる、組織間の情報連携が分断されやすい
  3. 一人のお客様に対する人数が増えるので、たまに不審がられることがある

①費用が掛かる

導入の検討をする際にこれが一番のネックになると思います。

内部で組織化する場合、導入時にシステム導入・構築費とメンバーの採用費(異動の場合でも補填人員を採用しなければいけません)がかかります、少なくても数百万~1千数百万円くらいはかかるでしょう(すでに相応のシステムが入っている場合はもう少し抑えられます)。さらに、導入後もコールセンターメンバーの人件費、地代家賃が固定費として乗ってくるので、規模にもよりますが毎月百万円~数百万円が増えることになります。

外注する場合は、外注先によりますが初期費用と固定費がかかります(ほんとにピンキリなので一概には言えませんが、固定の場合と従量課金制の場合があります)。

②コミュニケーションロスが起きやすい

基本的にコールセンターとプランナーは勤務する場所が別々になります。これまではお客様の来館予約対応を電話しながら隣のマネージャに聞く、といったこともできましたが、コールセンター導入後はそれができません。都度電話またはメール・チャットツールで確認しながら進めていくので、どうしても社内コミュニケーションにかかるコストは大きくなります。そうすると情報の伝達ミスや糸の鳥違いなどの可能性はどうしても増えてしまいます。

また、組織が大きくなってくるとお互いにあったことがないメンバーがいる、会場を見たことがないスタッフが電話を受ける、というケースも増えてくるので、そこをギャップを埋めるための取り組みは必須であると言えるでしょう。

③1人のお客様に対する対応車の人数が増える

1人のお客様が初めて問合せをしてから挙式を迎えるまで、コールセンターの担当者、新規プランナー、打合せプランナーと3人のリレーになります。特に来館するまでと来館時に対応するスタッフが別になるので、来館予約時に話した内容が新規プランナーにしっかり伝わっていないと不信感につながってしまうリスクが増えます。

また、お客様がどこに連絡すればいいのかわからなくなってしまわないように、何を聞きたいときは誰に連絡をすればいいのか(フェーズ別の対応領域)をしっかりお客様に伝えることも重要です。例えば、来館するまではコールセンターに、来館後は担当した新規プランナーに、といった感じですね。

 

社内で組織化するか、外注するかの判断

ブライダルのコールセンターは内製か外注か

コールセンター内製化(社内で組織化する)のメリット

  • 同じ会社のメンバーなので比較的情報連携がしやすい
  • メンバーが社員なので固定費のコントロールがしやすい
  • ノウハウが蓄積していくので改善サイクルを回りやすい
  • ブライダルに詳しい人が多い

コールセンター外注のメリット

  • コストを変動費化できる
  • コールセンターのオペレーションのプロなのでノウハウに期待できる
  • コールセンター人員の採用や育成、マネジメントコストが掛からない

デメリットはそれぞれの裏返し、という感じです。どちらもいいところもあれば悪いところもあるので一概にどちらがオススメということはないですが、個人的な意見としては、ある程度の規模がある会社なら内製、そうでない会社は外注、という事業規模基準で判断するのがいいかなと思います。5店舗以上運営しているなら内部で、それ未満なら外注を検討、くらいが目安でしょうか、社内リソースとの兼ね合いもありますが…。

規模を基準としている理由は、組織化するためにはある程度の人数でコールセンターを構成する必要があるためです。少なくとも4~5名程度はコールセンタースタッフがいたほうがいいと思います。そうすると、この人数で1店舗を対応するとなる非効率すぎるので、店舗数が5店舗くらい(1名1店舗くらいの計算でしょうか)あったほうがうまく回ると思います。

 

コールセンターを最大限活用するために必要なこと

コールセンターを導入したのはいいが期待した成果が得られないので撤退した、というケースも少なくありません。ここまでメリットについて主に書いてきましたが、このメリットと最大限生かすためには「徹底したオペレーション管理」と「顧客DBやスケジューラなどのインフラ整備」を行うことが絶対に必要です。逆にこの2つがないのに導入しても期待効果は得られないでしょう。

徹底したオペレーション管理とは?

問合せケースごとに、誰が、いつまでに、どんな対応を行うのかが全て決められている状態、かつそれ通りに動いているかを確認できる状態になっていることです。●●迎賓館の来店予約が入ってきたらどうするのか、資料請求と同時の場合の業務の割り振りの優先順位は、会場までの道順を聞かれた場合にどう伝えるのか、などなど、本当に細かいことまでマニュアル化してあり、困ったらそれを見れば大丈夫という状態を作り切れるまで徹底しましょう。

顧客DBやスケジューラなどのインフラ整備とは?

コールセンター導入のメリットを得るためには、関係部署間のシステムを介した情報連携が必須で、顧客情報を蓄積していてスタッフがアクセスできるDB、会場ごとのスケジュールを確認できるスケジューラ・台帳、などはなければいけないものでしょう。外注の場合はすでにコールセンター側で持っていることもありますが、会場スタッフ側もそれを使えるようになるまで訓練が必要ですし、業務オペレーションに組み込むことになるので、できれば内部で持っておいたほうがいいでしょう。

「コールセンターに必要な事前準備」とかのテーマでいつかまた詳しく書こうとは思いますが、とにかく情報をスムーズにストレスなく連携することが重要で、そのためにオペレーションとシステムを整えましょう。

 

まとめ

ブライダル業界でのコールセンター導入のメリットは、いろいろ書きましたがまとめると「業績改善」と「業務工数の最適化」です。ただ、このメリットを受けるためにはそれなりにコストもかかるので、掛かる想定コストに対してリターンがどれだけ得られそうかをできだけ精緻に分析・予測をした上で検討、判断されてみてはいかがでしょうか。

最後に個人的な意見ではありますが、それなりの規模以上の会社は、コールセンター導入したほうがいいと思います。メリットほんとに大きいですし数億円単位の業績改善の切り札にもなりうるからです。

 

おわり

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