更新日 2018年09月08日

【ブライダル】エージェント(カウンター)からの集客を最大化するためのポイント

【ブライダル】エージェント集客の攻略

ゼクシィなびやハナユメ、マイナビウエディングなど大手結婚式場紹介サイトのエージェント事業に加え、小さな相談所まで含めれば数多くの結婚式場を紹介するカウンターがあります。結婚式場の集客経路としては雑誌やウェブ媒体と並んで大きな割合を占めていることが多く、ここの集客力を伸ばすことのインパクトはかなり大きいと言えるでしょう。一方、広告出稿モデルではなく成功報酬モデルのエージェントがほとんどなので、広告費をかければ集客できるというわけでもなく、集客を伸ばしたいけど日々の訪問活動以外にどうしたらいいのかわからない、と悩む経営者や会場責任者の方も多いのではないでしょうか。そこで、今回の記事ではエージェントからの集客を伸ばすための基礎的な考え方と施策について解説します。

結婚式場の紹介エージェント(カウンター)とは?

結婚式場の紹介エージェントサービスとは、来店した新郎新婦にヒアリングを行い、希望に合った条件の結婚式場を紹介するサービスのことです。異業種だと、賃貸物件を借りるときの街の不動産屋さんとか(家を借りたい人に希望にマッチした物件を紹介する)、転職するときの転職エージェントとか(転職したい人に希望にマッチした求人を紹介する)などのマッチング・紹介サービスとほぼ同じです。本記事では「エージェント」と表現していますが、ユーザー側からは相談カウンターやカウンターと表現されることも多いです。
日本中には大小問わずかなり数多くのエージェントがあります。
【大手系の結婚式場紹介エージェント】

  • ゼクシィなび
  • ハナユメ
  • マイナビウエディング

【その他の結婚式場紹介エージェント】

  • ブラなび(九州)
  • コンパル(全国)
  • ウエコレ(関東)
  • レイウエディング(関西)
  • 東京ウエディングコンシェルジュ(東京)
  • 得ナビウェディング(全国)
  • gensen wedding(東京)

私が知っている一部だけ列挙しましたが、他にもまだまだありますし、特段大きな参入障壁があるわけではないので今後も増えていく可能性は高いです。これらのエージェントの多くは、月額固定の広告費を支払う広告掲載モデルではなく、成約または来館実績に応じてフィーを支払う成功報酬モデルで成り立っています。成約報酬の場合の相場はFBの10%で施行の翌月末支払い、来館報酬の場合の相場は3万円~5万円で来館の翌月末支払い、というのが一般的でしょう(最近はもっと高いエージェントも出てきているようですが…)。雑誌やウェブ媒体と比べて少なくとも来館実績が発生しないと広告宣伝費はかからないので、比較的リスクが少ない集客経路と言えます。特に成約報酬のエージェントからはどんなに送客してもらっても成約しなければコストはかからないので、結婚式場の集客担当者からするととりあえずどんなお客様でもとにかく送客してほしい、と考えるのが普通だと思います。
一方、エージェント側の目線だと「お客様の希望にマッチした会場をいかに的確にご紹介するか」というのがミッションなので、とりあえず知ってる会場を紹介する、というスタンスの会社はまずありません(当たり前ですが)。一部のエージェントでは、接客担当者の評価基準に「紹介後(送客先)の成約率」という項目を設定しているとも言われていて、いかにマッチング精度の高い送客ができるかを常に考えながら日々の業務を行っているのです。
結婚式場紹介エージェントの概要
 

結婚式場紹介エージェントからの集客の仕組み

では次に、結婚式場紹介エージェントからの集客の仕組みについて、もう少し詳しく見ていきましょう。一般的なユーザー導線は以下のようになります。

  1. 新郎新婦がエージェントカウンターに来店する
  2. ヒアリングしたニーズをもとに、接客しているコンシェルジュの方が8~10会場ほど紹介する
  3. 紹介してもらった会場の中から見学を希望する会場を3会場程度選択する
  4. 会場に電話し、予約が完了する

この導線をベースに考えたときに、集客力をアップさせるために重要なのは、2の紹介率と3の選択率をどうやって高めていくか、になります。
結婚式場紹介エージェントからの集客KPI

1.結婚式場紹介エージェントのカウンター来店数

正直に言って、ここは結婚式場側ではどうにもなりませんので、エージェントに集客を頑張ってもらいましょう。大手系のエージェントはマス広告を使ったり、自社サービスのウェブサイトからカウンターの来店予約を取るという導線で集客していることが多く、中小系のエージェントは古くからの地場のネットワークを活用したり、地域限定の交通広告などで集客していることが多いです。

2.コンシェルジュの自社会場の紹介率

紹介できる結婚式場数がそれなりにある地域・カウンターでは、紹介可能な式場をすべて紹介することはありません。紹介する会場数が多すぎるとユーザーが選べないですし、そもそもニーズにマッチした結婚式場を紹介することがエージェントの付加価値なので。例えば紹介可能な結婚式場が100会場あるエージェントでは、100会場全部を順番に紹介することは絶対になく、せいぜい8会場程度に絞って紹介することが多いでしょう。
仮に100組のお客様がカウンターに来店したときに、自社会場を紹介された回数が12回だったとしたら、12÷100=12%、が紹介率、となります。なお、このKPIはおそらくエージェント側で計測していないですし、もし計測していたとしても教えてくれないので、結婚式場側での測定は不可能です。
ちなみに、ヒアリング後にいきなりピンポイントで会場を紹介することはほとんどないと思います。理由は、カウンターに来店する新郎新婦はニーズが明確になっていないことが多く(逆に明確になっているのであれば自分たちで探して見学予約をするから)、どういった結婚式をしたいか、いくらくらいの予算が適しているか、といったニーズを少しずつ固めていきながら接客することが多いからです。自分たちの希望する条件を本人たちが理解していない段階で式場を紹介してもピンとこない可能性が高いので、まずは候補になりそうな会場を多めに紹介し、その印象や意見を聞きながら少しずつ絞っていくような紹介方法となります。

3.ユーザーの会場選択率

紹介してもらった会場すべてに見学予約をする、という新郎新婦もいないことはないですが、ゼクシィの結婚トレンド調査によると、結婚式場を決めるまでの平均見学会場数は3件弱なので、だいたい3会場、多くて5会場に絞って予約をすることになります。
例えば100組の新郎新婦がカウンターに来店し、12回自社会場を紹介してもらって、その中で4組の新郎新婦に選ばれたとすると、4÷12=33%が会場選択率、となります。こちらのKPIも先ほど同様、結婚式場側での測定は不可能です。

4.来店予約の確定率

見学希望の意思をもらった後にコンシェルジュが来館予約の電話またはメールで会場に問合せをします。ここまで選んでもらっても、希望する見学日時の予約が既に満枠だったり、ちょうど施行が入っていて会場を見ることができない、または希望する挙式日がすで埋まっている、という理由で来館予約に至らないこともあります。対策としては、見学予約の受け入れ枠を増やす仕組みを作る、施行が入っていても会場見学ができる時間を確保できる予約枠を組む、などありますが、どうにもならないケースも多いのでエージェントからの送客に限らず、受け入れを最大化するための準備は常に整えておくといいでしょう。
 
まとめると、結婚式場紹介エージェントからの集客は以下のように表すことができます。
会場集客数=カウンター来店数×紹介率×選択率×来店予約確定率
次に、施策によって対策可能かつ重要なKPIである紹介率と選択率を上げるための施策について書いていきます。
 

エージェントからの紹介率を上げるために必要な施策

紹介率を上げるために必要なのは、シンプルに「カウンターのコンシェルジュに会場を深く理解してもらうこと」であると言えます。カウンターで接客する方がそもそも会場について理解していないと、来店された新郎新婦に自信をもってオススメできませんので、まずは知ってもらう、さらに理解してもらう、そして合っているお客様が来店した際に直感的に想起される会場になってもらう、という順で覚えていってもらいましょう。

カウンターのコンシェルジュに知っておいてほしいこと

深く理解してもらう、とはおおまか以下のようなポイントを調べなくても理解している状態だと考えます。

  • アクセス、場所、利用する交通機関、移動方法
  • バンケット数、収容人数、バンケットごとの雰囲気・イメージ
  • チャペル数、対応可能な挙式スタイル、チャペルのイメージ
  • 平均予算
  • 料理の種類(フレンチ、イタリアン、中華、和、など)
  • 特徴的な演出、アイテム、など

せめてこの辺りを知っておいてもらわないと、コンシェルジュも紹介できないと思います。さらに、理想を言えばこれらのスペック紹介という左脳的な情報に加えて、過去送客してもらったお客様の結婚式事例や新郎新婦からのご意見などの右脳的な情報も理解していると、自分たちが送客したのお客様が紹介後どのような結婚式を挙げるのか、というのがつながるので送客するときのイメージがしやすくなります。では、これらを知ってもらうためにはどのような取り組みが必要でしょうか?対エージェントの主な取り組みは、エージェント訪問と会場内覧会(料理試食も込みの場合あり、ただしゼクシィなびは不可能)の2つです。

エージェント訪問で意識すべきこと

ただ漠然とエージェントに訪問して挨拶を繰り返すだけではほとんど意味がないので、目的を明確化してスマートに実施していくことが必要です。例えば、

  • コンシェルジュがお客様に自社会場を紹介しやすいように、情報がきちんと整ったツールを作成して配布する
  • 特に新しい担当者が入った場合は説明のためのアポイントをとる
  • 近隣やよく競合する会場とのスペック比較表を作成して説明する
  • 結婚式事例を紹介するツールを作ってエモーショナルな部分を知ってもらう
  • ブライダルフェアのフェアカレンダーの基礎データのクオリティを外注して高める

などなど、どんな式場か、他の式場と何が違うのか、送客後はどんな案内をしているのか、成約後にどんな結婚式をしているのか、これが一貫して理解してもらえるようなツールやシナリオをしっかり固めてから、目的をもって訪問しましょう。※ちなみに、エージェントによって接客ツールは異なるので、必ず使えるというわけではないですのでご注意ください。

会場内覧会、食事会の実施

どのエージェントでも実施できるわけではないですが、エージェントのメンバーが大幅に入れ替わったタイミングや会場がリニューアルした、グランドメニューが変わった、などのタイミングで、エージェントのコンシェルジュを自社会場に招待して会場を内覧してもらったり料理を試食してもらったり、という企画もできます。コンシェルジュもウェブや雑誌で見るだけよりも、実際に会場を見たほうがイメージもしやすいですし、料理の味や見た目もお客様に伝えやすいでしょう。
実施までの手順としては、まず社内で企画、次にエージェント側の責任者に打診してて日程を調整、日程が決まったら当日のオペレーションを組んで準備、当日、という流れになります。会場のスタッフが一丸となって(もはや接客と同レベルかそれ以上に!)もてなすことで会場の印象も上がるので、きちんと実行できればかなり効果の高い施策になります。ただ、逆に情報連携がうまく取れずに内覧会当日のオペレーションがガタガタだと逆効果なので、やることが決まったらしっかりと準備しましょう。
 

ユーザー選択率を上げるために必要な施策

自社会場に来館予約するときの不明瞭な部分を徹底的に減らし、新郎新婦がコンシェルジュに「この会場って●●ですか?」と確認したときに即答できるような環境を整えることが大切です。例えば、以下のような施策が挙げられます。

  • フェアカレンダーは常に最新のものにしておく(定期的にエージェント訪問するときに必ず新しいものを渡す)
  • 価格が適切に伝わるプランを配布しておく(プランの組み方についてはこちらの記事を参考にご覧ください)
  • そのエージェント限定のインセンティブ(値引きやギフト券プレゼントなど)を用意する
  • ビッグフェアを開催する場合は専用のフライヤーなど新郎新婦にそのまま見せられるクオリティのものを渡し、できるだけ早めに伝えておく

先ほどのエージェント訪問と重複しますが、どのエージェントのどの店舗に何の資料やツールを渡しているのか、どのような状態になっているのかを常に結婚式場側で把握できる状態を作り、アップデートがあったときに正確にそれを更新できるような体制と仕組みを構築しましょう。
いずれも非常に地道な施策になりますが、エージェント経由の集客は人がかかわる要素が大きいので、会社間、スタッフ間の関係性も含めて時間をかけて構築していくことが重要です。
 

施策をモニタリングするために必要な仕組み

結婚式場側で計測可能な数値は各エージェントの店舗ごとの送客数と来館数、成約数のみなので、数値計測の仕組みを整えても限界があります。どちらかと言えば先ほど書いたような施策や取り組みなど、オペレーションがどれくらい正確に回っているかのモニタリングを徹底するための仕組みを整えましょう。
具体的には、

  • エージェント別、店舗別に配布しているツールや資料をリスト化する
  • エージェント訪問ごとにそのリストを更新する業務フローを作る
  • エージェント訪問の目的と配布資料、スケジュールを関係者全員で共有できるエクセルやスプレッドシートを作る
  • スケジュールに沿ったタスクリストを作る
  • タスクリストに設定したToDoがきちんと回っているかを確認する業務を作り、定例化する
  • 各タスクの進捗と来館数などの実績がどれくらい連動しているのかを月1回くらいのペースで確認する

などといった内容になります。1ヶ月で劇的に変わることはないですが、1年くらいきちんとチェックを継続していけば数値は変わってくるので、根気強く継続していきましょう。
 

まとめ

エージェントからの送客を最大化することは、コストパフォーマンス(売上高広告宣伝費率)を維持したままトップライン(売上)を伸ばすことができる優秀な施策です。今回の記事で書いたような施策を1つ1つ丁寧に取り組むことが重要ですが、雑誌やウェブ媒体と違って、エージェントのスタッフと式場側のスタッフの「人対人」という要素も多く含まれるので、常に真摯な姿勢でエージェントのスタッフと接することも重要です。
 
おわり

市川 貴之

この記事を書いた人
市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル業界で働く人のよりどころに」をビジョンに掲げ、ブライダルコンサルティング、ブライダル業界専門の転職支援サービスを運営しています。お仕事の依頼は「お問合せ」、転職のご相談は「ブライダル専門の転職相談」からお受けしております。

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