ブライダル業界で働く人のためのよくわかる「会計」講座

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結婚式場でお仕事をしているとあまり触れることはないのですが、「会計」って社会人にとって重要度の高いスキルの1つだと思います。なぜなら、会計がわかると、なんで成約率をあげないといけないのか?組単価を上げないといけないのか?なんで今は修繕ができないのか?など、1つ1つの出来事の背景や理由が理解できるようになるからです。そこで、今回の記事では、会計について興味を持ってもらうきっかけになるように、普段見ている目標数値やKPIと会社の会計数字とどのように結びついているのか?会計数字をもとに外部の人から会社がどのように見えているのか?についてまとめました。この記事を読んで、自分の業務や数字への理解が少しでも進むと嬉しいです。

財務諸表とは?

会計の話をするときにまず最初に出てくるのが、3つの財務諸表です。

  • PL(損益計算書)
  • BS(貸借対照表)
  • キャッシュフロー計算書

ここでもうナニコレ?でつまずいてしまう方も多いと思うので、まずはこの3つについて、家庭や個人で使っているものと照らし合わせて説明していきます。

PL(損益計算書)

PLはProfit and Lossの頭文字の略で、日本語だと損益計算書と呼びます。家庭で言えば「家計簿」です。

家庭の家計簿には収入と費用が記入されていて、収入から食費や家賃、光熱費などの費用を差し引くと毎月いくら残ったかがわかりますよね。会社の損益計算書はそれを会社単位で見るための書類で、収益・費用・利益が記載されており、決算時に収益から費用を差し引いた利益を知ることができます。会社が「費用を何に使って」「どれだけ売上が上がり」「どれくらい儲かったのか」を読み取ることができます。この儲けがマイナスになると赤字です。

今回は分かりやすくPLを営業利益までとしていますが、

  • 家庭の収入=会社の売上
  • 家庭の支出=会社の原価や販管費

と読み替えるとイメージしやすいかと思います(下記のようなイメージ)。

PL(損益計算書)と家計簿のイメージ

BS(貸借対照表)

BSはBalance Sheetの頭文字を取ったもので、日本語だと貸借対照表と言います。

家庭でこの帳票をつけている人はほとんどいないかもしれませんが、会社では1年間の事業年度を終えた時点の

  • 会社が持っている「資産」
  • 返済する義務がある「負債」
  • 総資産から負債を差し引いて残る返済義務のない「純資産」

これらを記載した貸借対照表を作成することが必要です。この帳票から、会社がどのようにして資金を調達し、その資金をどのように運用しているかを確認することができるのです。家計と同じように表現すると下記のようなイメージになりますね。

BS(貸借対照表)と家庭の資産管理簿のイメージ

キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書は、会計期間中の現金の流れを数値で示した書類で、簡単にいうと「会社にどのくらいの現金があるか」ということが分かります。キャッシュフロー計算書では、資金の流れを「営業活動」「投資活動」「財務活動」の3つに分けて表します。

日常生活でこのような帳簿をつけていることはあまりないかもしれませんが、PL、BSと並んで重要な書類の1つです。

***

ここまでが財務諸表の簡単な説明となります。いわば会社の成績表ともいえる書類ですが、何となくイメージはつかめましたでしょうか?

では次に、日々目標として追っている数字と、これら会社の財務諸表がどのようにつながっているのかを説明します。

 

結婚式場でよく使われている目標やKPI

次のような数字を目標として設定していたり、日頃からモニタリングしていることが多いと思います。

来館数

結婚式場に見学やブライダルフェアに来てくれるお客様の数です。

  • 問合せ数×来館予約確定率=来館予約確定数
  • 来館予約確定数×当日来館率=来館数

細かく見ればこのようにも分解できますが、多くの会場では来館数から数字が始まることが多いと思います。

成約数

結婚式場に申し込んでくれるお客様の数です。申込書、申込金、約款説明、このあたりを成約条件にしている会場は多いと思います。関連するKPIは

  • 来館数×成約率=成約数

となります。

施行組数

結婚式場で結婚式を挙げてくれるお客様の数です。

  • 成約数-成約キャンセル数=施行組数

これで計算できますが、成約から施行まで時間がかかるので時間軸がずれる点は注意が必要です。

組単価

結婚式の平均単価で、アイテムごとの単価の合計となります。

売上

結婚式場の結婚式の金額の合計です。

  • 施行組数×組単価=売上

結婚式場のKPIツリー

これらのKPIをまとめるとこのようなKPIツリーになります。

  • マーケティング部門や集客を担当するプランナーは来館数を目標に
  • 新規プランナーは成約数と施行組数を目標に
  • 打合せプランナーは組単価と売上を目標に

設定している会場が多いでしょう。

ここまでで、財務諸表と結婚式場運営のKPIについて整理してきました。

 

何をすると会社の経営数字はどうなるの?

では次に、業務や施策が会社の経営数字=財務諸表とどのような関係にあるのかについて説明します。

KPIが改善する

先ほどの目標として設定している成約率や来館率、組単価などが改善するとどのようになるでしょうか?

例えば成約率と来館率、組単価が改善すると、ツリーをたどって売上が増えます。そうすると、PLの売上が増えます。売上が増えると原価も増えますが、それ以上に売上総利益が増えます。販管費のうち固定費(人件費や地代家賃など)は変わらないですから、営業利益が増えます。営業利益が増えると(本当は当期純利益)BSの利益剰余金が増えることになります。

結婚式場のKPIが改善するとPLの売上、利益が増える

こんな流れですね。一般的に営業利益が増えると投資を加速させても利益が担保できるので、以下のようなメリットがあります。

  • 賞与を多く出せる
  • 会場の修繕費にお金を使える
  • 新規出店用の投資に回せる

などなど。また、売上や利益が高いから株価が上がって企業価値が高まったり、銀行からお金を借りやすくなったりすることもメリットだと言えます。

新規出店する

銀行などから借り入れをして、新規出店をすると、BSの資産と負債が増えます。作っただけではまだその時点ではPLには大きな影響はありませんが、新規出店後はその新規店舗での売上増を期待できる一方、減価償却や施設運営にかかる販管費も増加します。

結婚式場を新規出店すると資産と負債が増える

こんな感じですね。BSが大きくなること自体がネガティブとは言い切れないですが、その分の利益が出ていないと資産効率の悪い会社と見られやすくなります。また、新規出店をする目的は当然事業の拡大であることがほとんどですから、新しくかかるコスト以上に売上や利益を出すことが求められます。

新規で人を採用する・スタッフが昇格する

新しく人を採用したり、スタッフが昇格すると、PLの人件費が増えます。なので、その分の売上が増えなければ昇格して増えた分だけ利益が減ります。

新規採用や昇格すると人件費が増える

他にも、

  • 会場の修繕をする → PLの修繕費が増えるので、売上が増えなければ利益が減る
  • 新サービスを立ち上げる → ものによっては資産が増えるて現預金が減る、成果が出ればPLの売上が伸びる
  • 集客効率が改善する → 来館数が増えるので、最初と同じくPLの売上、利益が増える
  • 他の会場をMAする → BSも増えるし、MAした企業分の実績がPLにも反映される

などなど色々ありますが、「会社や自分が何をするとどうなるのか?」これがわかるようになると、会社がしたいことと自分たちの業務を紐づけて考えられるようになるので、日々の仕事の理解も進むんじゃないかなと思います。

 

ブライダル業界で働く人のためのよくわかる会計講座まとめ

結婚式場でお客様を前にして仕事をしていると、なかなか会社の数字と自分の業務が結びつかないという人も多いと思います。そもそも会計について学ぶ機会も少ないですし、今日紹介したのはほんの障りの部分だけですが、もし会場の責任者やマネージャを目指すのであれば最低限知っておきたい内容です。今回の記事をきっかけに、会計について興味を持ってもらえると嬉しいです。

 

おわり

 

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