更新日 2021年08月23日

ブライダル業界のアフィリエイト広告事情と結婚式場集客での可能性を考える

アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。

結婚式場の集客手法は雑誌一択だった20年前と比べてかなり多様になってきていて、今でもブライダルコンサルティング会社や大手のブライダル企業などが日々研究・進化していると言えます。今回の記事では市場としては伸びているのにブライダル業界ではほとんど使われていないアフィリエイト広告について解説します。

 

ブライダル業界のアフィリエイト広告の概要と事例

アフィリエイト広告の概要

17_アフィリエイト広告とは?

アフィリエイト広告とは「企業の商品やサービスを自分のブログやウェブサイトで宣伝し、その成果に応じて報酬が支払われる仕組み」のことです。広告主側の視点から書くと「アフィリエイター(ブロガー)に自社の商品やサービスを紹介してもらい、成果に応じた報酬を支払う広告手法のこと」と書いた方がしっくりしますね。

成果報酬型の広告手法になるので、ブライダルいえばエージェントとの契約形態に近いですね。成約の基準・報酬単価をどうするかは広告主側で自由に設定できるので、ブライダル業界であれば来館予約完了時点、来館時点、成約時点で成果確定とするのが一般的かと思います。

ブライダル業界のアフィリエイトサイト事例

17_ブライダル業界のアフィリエイトサイト(例)_2

※左上から順に。

他にもたくさんあるのですが、私がよく見かけるものだとこのようなサイトです。

ブライダル業界のサイトだと主に結婚式場探しに関する記事を書くブログ系のアフィリエイトサイトが多いです。人材や美容などほかの業界のアフィリエイトサイトに比べると数は少ない方で、利用ASPは、A8.net、アクセストレード、バリューコマース、レントラックス、afbなどが多いです。

アフィリエイト広告を出稿している広告主例

17_ブライダル業界でアフィリエイト広告を利用している広告主(例)
  1. ブライダルメディア
  2. プロデュース
  3. アイテム・コンテンツサービス

大きく分類するとこの3つ。

媒体は大手どころが多いですが、みんなのウェディングとウエディングパークのアフィリエイトはなく、ゼクシィ、ハナユメ、マイナビウエディングの3つがほとんどでした。アフィリエイトサイトで紹介されている軸・パターンはマイナビウエディングやハナユメはキャンペーンがお得だよ、というお得軸、ゼクシィは情報が豊富で知名度ありますよね、という安心感軸です。

プロデュースはある程度の規模があるサービスに限り利用している、という感じですね。ただ、先ほどの媒体と比べると少なめです。

アイテム系でも広告出稿をしている企業もありますが、ビジネスモデルはまだBtoBが多いので(要は式場からの送客)、直接BtoCで集客しようと考えている事業者が少ないのかもしれません。

 

ブライダル業界のアフィリエイト広告の報酬単価相場と条件

情報が公開されていないので正確な数字はわかりませんが、概ね下記のような条件相場だと思います。

結婚式場情報サイト(媒体)

おおよそ1CV当たり5,000円~8,000円程度が相場と言えます(ちなみにこれはアフィリエイターがもらえる金額なので、広告主が支払う金額はもう20%~30%くらい高くなります)。成果地点は媒体によってまちまちですが

  • 資料請求が成果条件だと2,000円~3,000円
  • 式場の見学予約確定(フェア予約完了)が成果条件だと5,000円~8,000円程度
  • 結婚式場への来館が成果条件だと8,000円~10,000円程度

くらいでしょう。また、力のあるアフィリエイトサイトに広告出稿を依頼する場合は特別単価や承認率保証が必要です。そうなると、1CV当たりの報酬は20,000円~25,000円、かつ80%保証、くらいの条件になっていてもおかしくはないと思います。

プロデュースサービス、他

報酬金額の相場や成果条件は媒体と大きくは変わらず、

  • プロデュースサービスやフェアへの予約完了が成果条件だと5,000円~10,000円程度

くらいですね。

ただ、総じて言えばアフィリエイトが活況なわけではないので、そんなに条件に差があるわけでもアフィリエイトサイトがたくさんあるわけでもありません。

 

今のブライダル業界でアフィリエイトがそこまで使われない理由

17_結婚式場のアフィリエイト広告が浸透しない理由

理由①:アフィリエイトサイトが少ない

一番大きな理由がこれ。年間40~50万組程度の結婚式組数がいる市場規模に対して、アフィリエイトサイトの数がかなり少ないですね。アフィリエイターが少ないと広告主が広告を活用しようと思っても規模が小さいということなので、それならば雑誌やウェブ媒体などに力を入れたほうが期待効果が高くなりやすい、と判断されやすくなり、広告主が少ないならアフィリエイターもやるのやめよか、となりがちです。

理由②:媒体のSEOが強い

ゼクシィをはじめ、みんなのウェディング、ウエディングパーク、ハナユメあたりの大手媒体のSEOは相当強いです。もしアフィリエイターがこれらの媒体たちに勝っていこうとすると、情報量勝負ではなく自身の体験を書いていきファンを獲得していくことしかなく、他の商材と比べてハードルが高いのも理由の1つです。

理由③:ブライダル業界の知識とネットの知識を両方持っている人が少ない

結婚式場の集客担当者の中でアフィリエイト広告の活用について詳しい人がそもそもほとんどいないのも一つの理由です。一つの業界でアフィリエイトが活性化していく過程では、広告主とアフィリエイターの双方が相互に成長していき次第に市場が出来上がっていくので、広告主側が少ないとなかなか成長していきにくいのです。

 

理由その2:成果発生までの導線設計が難しい

結婚式場がアフィリエイト広告を出すのであれば、ホームページに遷移させてからの来館予約完了また来館が成果ポイントとなると思います。この場合に成果を高めるためには、式場ホームページのCVRが重要KPIとなりますが、一般的な結婚式場のホームページはこれから結婚式を検討しているユーザーだけではなく親御さんや列席者まで幅広いユーザーを対象として作られているので、サイト来訪から来館予約完了までの導線に最適化されているとは言えないサイトがほとんどです。そうすると、アフィリエイターからするとせっかくユーザーを集めてきて広告主のサイトに流しているのになかなか成果(CV)が発生しないので、積極的に記事制作や広告運用に取り組もうというモチベーションがわきにくいでしょう。
また、アフィリエイターの視点に立った場合、個別の会場へのユーザーの誘導となるとターゲットとなる範囲がエリアや好みの点でがかなり狭くなるので、そこに合う顧客を集めてくる難易度が非常に高くなります。例えばゲストハウスAという広告主のサイトに流そうとした場合、Aの会場を気に入りそうなユーザーを集めるのは相当大変ですし、自分がA会場で挙式をしたり列席した経験がない限り記事を書くことすら難しいので、コンテンツを作りにくいというのも一つの理由です。

 

結婚式場集客にアフィリエイト広告を活用するとしたら

現状では結婚式場集客にほとんど使われていないアフィリエイト広告ですが、全く可能性がないかというとそうでもないと思っています。全国で複数店舗を運営している結婚式場運営会社であることが前提ではありますが、活用の可能性について考えてみましょう。

アフィリエイト広告で成果を上げる考え方の基本

17_アフィリエイト広告のKPI
  1. 表示回数:より多くアフィリエイトサイトに掲載されること
  2. クリック率:ランキング形式のサイトの上位に掲載されること
  3. CVR:自社サイト遷移後のCVRを高めること

①表示回数

多くのアフィリエイトサイト、かつその業界で有力なアフィリエイトサイトに掲載してもらうことが必要です。アフィリエイターが自社のサービスについて紹介してくれるためにはまず知ってもらわなければいけないので、ASPへの登録内容をきちんと設定し検索に表示されるようにしたり、アフィリエイター向けのメルマガ施策を実施したりすることが有効です。

②クリック率

ランキング形式で紹介するサイトであれば、一般的にランキング上位の方がクリック率は高いので、報酬単価を高くしたり承認率保証を設定したりしてアフィリエイターに交渉して上位に掲載してもらうための施策が必要です。その他にも、サイトに掲載できるバナーのクリエイティブを工夫したり、ユーザーにとってメリットのある訴求方法をアフィリエイターに紹介したりしてアフィリエイトサイト内の自社サービスを紹介するコンテンツを充実させることが有効です。

③CVR

コンバージョンポイントが来館予約完了や登録完了などであれば、LPOやEFOでフォームの入力完了率を上げるための施策を行いましょう。

結婚式場でアフィリエイト広告をする場合のポイント

導線設計と成果ポイントの設計

式場側の視点でほしいのは来館であることに変わりはないので、アフィリエイトサイトから誘導してきた後にとにかくCVRを高くすることを意識して設計します。アイディアとしては

  • 複数会場をまとめたフェアの一覧ページからの来館予約チケットのようなものを取得するフローにする(来館日や来館会場を指定せず、wantedlyの話を聞いてみたい、くらいのテンション)
  • 企業ブランドのファンクラブ会員登録のようなところを成果地点として、フォームをとにかく軽いものにすると思います(名前、連絡先、結婚式に希望するポイントを任意で回答、くらい)

と言った感じでしょうか。登録後はアウトバウンドでの架電、メール、もしくはチャットツールを用いてユーザーとのコミュニケーションを図り、来館へ誘導していくというフローにします。
ポイントは、成果発生地点を浅くしてライトな来館導線を設計すること、成果発生後に来館に結び付けるための営業オペレーションも併せて設計すること、この2点です。

報酬単価の設定

媒体よりも高く設定すること、ケチらないこと、これに尽きます。一般的に許容できるCPAは媒体よりも結婚式場の方が高いはずなので、媒体が設定しているブライダル業界の平均金額よりも高めに設定してアフィリエイターにサイト掲載してもらうように働きかけます。ASPにアカウント登録すれば見ることができます。

アフィリエイターへの訴求

アフィリエイターへの訴求は、以下の3点を意識します。

  1. 報酬観点での訴求:報酬単価が高い、CVRが高い、承認率が高い
  2. 紹介しやすさの訴求:ブランドやユーザーへのメリットを明確にします(ポイントプレゼントや圧倒的なオリジナルウエディングができる、など)
  3. 認知してもらうための施策の実施:ASPへの登録内容の充実、メルマガの実施、ASP内広告の配信などを駆使して少しでも掲載してもらうように施策を展開します

これをすれば必ずいける、というわけではないですが、やれるべきことを素直に全部やる、という考えです。

 

結婚式場のアフィリエイト広告活用についてまとめ

雑誌やウェブ媒体の運用はすでに相当レベルも上がってきていて改善するにしてもすでに頭打ちになってきているようなら、新たな集客経路の一つとして検討してみてもいいのではないかと思います。ASP使用料などを除けば基本的に成果報酬型なのでコストもかからないですし、少しだけ試してみてはいかがでしょうか?

もしどうやって始めたらいいかわからない方は下記フォームからお気軽にお問合せください。

この記事を書いた人

市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル3.0を実現する」をミッションに掲げ、ブライダル事業者向けマーケ支援、ブライダル特化の人材紹介、Leju(フリープランナープラットフォーム)を運営しています。マーケティング、事業企画が得意。

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